17 いつもの
その日、私はしじみ事件のことを考えながらも、いつものメイドとしての仕事に戻っていた。
ジャックが干潮のトリックを知っていたとしたら…
いや、事件解決後に失踪した事から、トリックに気づいていた可能性が高い。
彼はしじみ取りとして王宮と契約し…
しじみを海に流していたのは、何かしらの秘密文書、または、隠蔽すべき物を消す為だったのでは…?
そうなると…
私はそこで考えるのをやめた。
リズ姫様のお部屋に着いたからだ。
「失礼いたします。
エレナでございます。」
「あら、エレナ!
ちょうど良かったわ!」
「は?
ちょうど良いとは?」
「もう、私この後宮の食べ物に飽き飽きしてしまいましたのよ!
だって、卵料理と言ったら、オムレツか、スクランブルエッグか、目玉焼きか、ゆで卵なんですもの!
私はもっと他の卵料理が食べたいの!」
リズ姫様は頬を膨らませて言う。
なるほど。
卵料理、か。
「それでしたら、茶碗蒸しはいかがでございましょうか?」
「ちゃわん…むし…?
なぁに、それ?」
「しばらくお待ちください。」
私は部屋の隅に行き、キッチンを発動した。
現代日本の美しいキッチンが構築される。
さて、エレナの5分間クッキング!
スタート!
まず、耐熱性の器に卵を入れて切るように混ぜる。
そこに、水+めんつゆを静かに泡立たないように入れる。
カニカマをキッチンバサミで切って入れる。(無くてもOK!)
そして、ふんわりラップしてレンジにゴー!
1分、30秒ごとに様子見しながらチン!
中央がぷるんとしたら、でっきあがりー!
私は茶碗蒸しをトレーに載せて、キッチンから出た。
「まぁ!
これは…
卵料理なの!?」
リズ姫様が容器を覗き込む。
「はい、茶碗蒸し、という料理でございます。
スプーンですくってお召し上がり下さい。
熱いのでお気をつけて。」
「はぁーい!
いただくわね!」
パクっ!
「ほわぁぁぁ~!
これ、フワッフワで優しい味がする…!
こんな優しい卵料理食べたの初めてだわ!」
「気に入っていただけて嬉しゅうございます。」
「うん、とっても良いわ!
ありがとう、エレナ!」
そして、他のメイド達にも茶碗蒸しを振る舞った。
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