14 真犯人は…
「鳥が食べたのではないか?」
皇帝陛下があんぽんたんな事を言い始める。
「鳥がしじみと海水の入ったケースごと食べますか?」
「うーん…」
腕を組むルシウス様。
「しじみの無くなった現場にはいくつか不審な点がございました…」
「と言うと?」
「まず、1つ目。
しじみがなくなる前、ボートは確か港の棒に紐で固定されておりました。
しかし…
しじみがなくなった後、ボートは繋がれておらず、ただ浮いていただけなのです。
そして、2つ目。
ボートの底が濡れていました。
しじみ泥棒が海水をこぼした、と言われればそれまでですが…
最後に。
ケースが無くなっている、という事。
この3つが答えを導くヒントになるはずでございます。」
私ははっきりとそう言った。
「で、答えとは?」
「それが分かれば苦労はしません。
でも、何かに気がついていない。
そんな気がするのです。」
「ふーむ…」
「しかし、しじみでこんなに苦労するとは…」
「今から行って料理する分だけ採ってきたらどうだ?」
「あのですね、陛下。
しじみは干潮の前後にしか…
採れない…!?」
「どうしたのだ?」
「そうか!
分かりました!
しじみ泥棒の犯人が!!!」
「真か!?」
「明日、もう一度しじみ採りに向かいましょう!」
♦︎♦︎♦︎
そして、翌日、前日のようにしじみを採り、ボートの上で砂抜きを始めた。
「これでよし。」
「よくありません!」
ジャックの言葉に私は鋭くつっこんだ。
「え?
何か間違えましたか? 私?」
ジャックが不思議そうに言う。
「ジャックさん、今の時期の干潮は何時ごろですか?」
「は、はぁ…
今から1時間半後くらいだと思いますけど…」
「干潮というのは、海面の水位が下がる事です。」
「それくらいは知っておる。」
ルシウス様。
「では、このボートに何が起きるか、想像出来ませんか?」
私は言った。
「えーと…?」
「干潮になれば、水位が下がる。
と言う事は、ボートも必然的に下に下がるはずです。
海に浮いているのですからね。
しかし!
ここで、ある問題が起きます!
そう、紐です。
このボートは紐で港の木の棒に固定されています。
つまり、ボートが水位と共に下がっていく際に、紐で固定された側は下がらず、これによってボートは傾くのです!
傾いて傾いて、しじみの入ったケースは海に溢れていくのです。
つまり、犯人は干潮でございます。」
私は言った。
「な、なるほど…!」
「素晴らしい推理だ!!!」
こうして、しじみ事件は解決したのだった。
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