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料理は適当、推理は本気~皇帝の病と事件を解く謎解きズボラレシピ~  作者: ツキノ リリ


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12/22

12 しじみ取り

次の日、私は王宮に向かった。


服はどうしようか?と迷ったが、まぁ、メイド服で良いだろう、ということでいつも通りの格好にした。


王宮に着くと、私の事は聞いていたらしく、厨房メイドの証明書を見せるとすぐに王宮の中に通された。


「エレナ様、こんにちは。

わたくしは、皇帝陛下付きの執事のバロンドと申します。

陛下から、エレナ様をご案内するように仰せつかっております。

どうぞ、こちらへ。」


白髪が少し混じった真面目そうな紳士が、私を応接ホールへと連れていった。


そこには、シャンデリアがこれでもか!というほどに下がっており、その下には煌々と照らされた革張りのソファが幾つもあった。


「エレナ、こっちだ。」


ルシウス様が私を呼んだ。

彼はピンクの革張りのソファに腰掛けており、長い足を組んでいる。


「お待たせしましたか?」


「いや、ここで休憩がてらマンゴーを食べていたから、気にするな。

マンゴージュースでも飲むか?」


「いえ、お気遣いなく…」


とは言ったが、皇帝陛下の命ですぐにマンゴージュースが届いた。


甘い…

その中にほのかな酸味がある…


私は少しマンゴージュースを口に含んだ。


「して、しじみ取りは?」


「あぁ…

そろそろ…」


「失礼致します!

しじみ取りのジャックでございます!」


「来たか。

入れ。」


ルシウス様が短く言った。


その男性はひょろりとして、日によく焼けていた。

しじみを取るのだから、日焼けするのは当たり前か。


「そこに座れ、ジャック。

今からそなたに少し質問があるのだ。」


そして、皇帝陛下は私に視線を向けた。


「ジャックさん、いくつか私の方から質問があります。

どうか、正直にお答えください。」


私は言った。


「もちろんです。

しかし、質問とは…?」


「しじみが盗まれた、という事ですが…

詳しい経緯を教えていただけませんか?」


「え、えぇ。

私はアウレス海岸でしじみを取っております。

最近だと昼の12時から1時間ほどです。

そして、しじみを取ったら、一旦アウレス港に運びます。

すぐ隣にある港です。

しじみは取ってすぐに砂抜きしなければなりません。

後でしようとすると、弱って砂を吐かなくなりますからね。

そこで、私はアウレス港に持っていったら、すぐに綺麗な海水を入れて、2、3時間放置するんです。

私は一旦近くのレストランで昼食をとり、戻ってみると…

しじみがなくなっているのです!」


「な、なるほど…

詳細は分かりましたが…」


私は腕を組んで考える。

しじみは砂抜きする為に放置している2、3時間の間に盗まれている…


「2、3時間、じっと見ている事は…?」


「いやぁ、流石にこの寒さじゃ…

凍えてしまいますよ…」


確かにそうだが…


「どうだ?

何か分かったか?」


「そんなに簡単には分かりませんよ。


ジャックさん、明日しじみ取りに同行させてもらえますか?」


「え、えぇ、そりゃあ構いませんが…

まさか、皇帝陛下も…?」


「…俺も行く。」


陛下は憮然としてそう言った。

ここまで読んで下さり誠にありがとうございます!

少しでも面白いと思われましたら、ぜひ、☆にて応援下さい!

なお、感想も大歓迎です!

一言でも良いので、ぜひ!!!

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