10 その夜
皇帝陛下は私の自室を訪れた。
狭い部屋で、ベッドとテーブルくらいしかなかったが、彼は物珍しそうに辺りを見回していた。
「こんな狭い部屋があるのか…」
「平民出身ですので…」
しかし、皇帝陛下の夜伽ともなれば、部屋を貸してくれたっていいではないか?
少しそんな考えがよぎった。
「では、始めよう…」
皇帝陛下は何かの球技の開始の言葉かのように、そう言った。
「あの…!」
「何だ?」
「その、ほ、本当に…?」
「もちろんだ。
可愛い奴よ。
狼狽えおって。
俺に任せればいいのだ。」
そして、皇帝陛下は私をベッドに運び、優しく下ろした。
頬を撫でられ…
ゾッとする。
違う、喘ぎ声を漏らすんだった…
出るかぁ!
そんなもん!!!
1人でノリツッコミをしていると…
皇帝陛下が襟元のボタンをはだけさせた。
初めて見る、生の男性の胸板…
胸板、そう、胸板…?
ん!?
「ちょっと失礼致します!!!」
私は皇帝陛下のお召し物を脱がせた。
「な、な、なんだ!
そなた、積極的だな…!」
「こ、これは…!」
私は皇帝陛下の腹部を触る。
「?
これは…?」
「ルシウス様、あなたはご病気でございます…」
「は…」
「ここを見てください。
ここに、黄色の斑点が薄くあるでしょう?」
「あ、あぁ…
そういえば、二、三日前からあるな…」
「これは、黄疸というものにございます。」
「黄疸…?」
「具体的には肝臓の機能、肝機能の低下によって起こる症状でございます。」
「そんな…」
「これはすぐに治療した方がよろしいかと存じます。」
「治療…?
しかしどうやって?
肝臓の薬など、この世には無いではないか?」
ルシウス様が眉をひそめておっしゃる。
「この程度の黄疸であれば、食べ物で治す事も出来るかと存じます。」
「おぉ、誠か!?」
「はい。
《《しじみ》》を用意してください。」
「しじみか!
分かった!
明日持ってこよう!
…で、続きは…?」
「ルシウス様、安静という言葉をご存知ですか?」
「くぅ…っ…!
分かった!
しかし、これが治れば俺はそなたを抱くぞ!」
「…承知しました。」
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