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幻創の楽園  作者: 士宇一
幕間章 合戦編
93/195

騎馬戦 -編成フェイズ-

騎馬戦におけるルールと各チームの紹介

 

 +++

 

 

 報道部特設、屋外実況席より。

 

 

「遂にはじまります、運動会のメインイベント。全生徒強制参加の《Aナンバー杯》。総合実況はもちろん、報道部の部長であるこのボクだぁぁぁぁぁぁ!!」

「……はぁ」

 

 

 解説はポピラ・エルドがお送りします。

 

 

 +++

騎馬戦 -編成フェイズ-

 +++

 

 

 まずはじめにポピラは疑問を口にした。

 

「なぜ報道部でもない私は実況席ここにいるのでしょうか?」

「ポピちゃんはこの競技の責任者の1人でルールに詳しいからだよ」

 

 エルド君にはちゃんと解説役の依頼してるよ、と部長。

 

「解説も2回目だから別にいいじゃない。続いて特別ゲストも呼んじゃいましょう。こちらに来てお名前をどうぞ!」

 

 部長に呼ばれたのは風森の姉姫様とお付きの精霊たち。

 

「こんにちは。エイルシア・ウインディです」

「カレハと申します」

「かぜはー、ですよー」

 

 騎士服で男装の王女様に湧き上がる歓声。


 部長がエイルシアを紹介する。

 

「彼女は何と《旋風の剣士》のお姉さん。そしてこの学園にいるあの《精霊使い》のご主人さまです!」

「ええっ?」

   

 ざわめく生徒たちよりも1番に驚くエイルシア。

 

「ちょっとまってください」

「え? 確か彼はエイルシアさんの国で召使いをしていたそうじゃないですか? 間違いないですよね」

「それは……そうなんですけど。その言い方はちょっと」

 

 エイルシアの非難に構わず部長は勢いに乗って取材モードに突入。

 

「ところでエイルシアさん。一昨日は色々と目撃情報があるんですけど、彼との学園デートはどうでしたか? やっぱりその格好は妹さんに対抗してですか?」

「あ、あのっ」

 

 衆人の前でとんでもないことを訊かれて慌てふためくエイルシア。

 

 顔を赤くして恥じ入る仕草を見せれば、生徒たちから《精霊使い》、すなわちユーマに向けてブーイングの嵐が飛ぶ。

 

 リュガとかヒュウナーとかエイヴンとかが特に。

 

 エイリークなんか怒り狂い、実況席に突撃しようところをアギが必死に抑え込んでいる。

 

 騒ぎ立てる観衆に悪ノリが過ぎた部長。

 

「それとも……ひゃっ!?」

 

 そこに風の刃が飛んできて彼女の頬を掠めた。それから激しい突風が吹いて周囲を黙らせる。

 

 部長を睨みつけるのはエイルシアの精霊。

 

 

「そこまでです。これ以上エイルシア様を辱めるならば排除します」

 

 

 容赦しません、とカレハ。殺気が出ていてる。

  

 思わず部長は冷や汗。そんな彼女に風葉はふよふよーと近寄って耳打ち。

 

 

「あまりふざけるとー、ブソっちにいろいろバラすそうですよー」

 

 

 《交信》によるユーマの伝言だった。

 

 加えて「ブソウさんに女の子紹介しまくって彼女作らせてやる!」と言っている。

 

「……。そんなことより今は運動会! 仕事、仕事だよ」

 

 部長は屈した。エイルシアに迂闊に絡んではいけないと理解した。

 

 

「さぁポピちゃん。各チームがスタート地点に移動してる間に競技の説明をよろしく!」

「馬鹿ですね」

 

 

 そう言いながらも風葉が来てくれたので気をよくしたポピラ。騎馬戦のルール説明を行った。

 

 +++

 

 

 この騎馬戦は旗取り合戦。大まかなルールとして最後まで自軍の大将旗を守り抜いたチームが勝者となる。

 

 各チームは学園にある4つの拠点から自軍の部隊を進軍。敵チームの妨害をはねのけながら主戦場を目指し、決戦の舞台で旗を取り争うのだ。

 

 

「騎馬戦は主に3つの局面フェイズに分けられます。編成、進軍、決戦の各フェイズです」

 

 

 編成フェイズはその名の通り自軍の部隊編成。

 

 大将以下チーム内の役割を決めるもので、このフェイズは競技開始前に終わっている。違反がないかもチェック済み。

 

 

 全校生徒約3千人が参加する騎馬戦は東西南北の4チームに別れるので1チームあたり約750人。

 

 内訳はどのチームも戦士系150、魔術師系150、技術士系150、一般生徒300。彼らをどの役割にどう配置するかでチームの運用が大きく変わるのだ。

 

 編成する部隊の役割ユニットは4つある。

 

 

 まず主力となる『騎兵』。ルール上、旗を取れるのはこのユニットだけなので騎兵の全滅はチームの敗北に直結する。どのユニットにも攻撃が可能。

 

 騎兵は脚のない馬の像(1体約60キロ)を4人で担いだ騎馬に乗る。5人1組で1ユニット。馬に乗る騎兵が地面に足をつけると失格となる。

 

 馬の脚となる生徒は他のユニットと交代が可能。騎兵の交代は認められない。

 

 

 次に『工作兵』。進軍フェイズのみ参加できる相手チームの妨害担当。工作兵は騎兵に攻撃ができる。

 

 騎馬戦では工作兵が敵チームの騎兵をどれだけ減らせるかがポイントの1つとなる。

 

 間接攻撃が可能な魔術師系の生徒が主力となるだろうが、一般生徒にも《エルドカンパニー》の用意した妨害アイテムが支給される。

 

 

 工作兵とは逆に『防衛兵』は自軍の騎兵を守るユニット。決戦フェイズにも参加できるが、騎兵への攻撃は一切禁止されている。

 

 騎兵を進攻を妨げる障害物を取り除くのも防衛兵の役割。技術士系の生徒の出番だ。

 

 

 最後は『偵察兵』。扱いは防衛兵に近いがどのユニットにも攻撃できない。PCリングの使用が許可されている特殊ユニット。

 

 相手の出方を探り、速やかな作戦展開を行うにはPCリングの通話機能は必須となるだろう。

 

 

 また、チームの大将、副将は騎兵とする。将を2人とも失ったチームは敗北となる。

 

 

 

 

「本戦の決戦フェイズでメインとなるのは騎兵です。進軍フェイズの妨害で自軍の騎兵をなるべく減らさないことが重要となります」

「騎兵はやっぱり丈夫な戦士系の生徒だけで組むのが1番かな?」

 

 部長の質問は補足説明を入れるため。ポピラは質問に答えた。

 

「馬まで戦士系で組みますと1チーム最大30騎ですが、他のユニットを無視して上を戦士系、下4人を他で組むと騎兵は最大で150騎できたりします。他ユニットとの兼ね合いが大事です」

「なるほど。工作兵は決戦フェイズに参加できないから相手チームの妨害にどれだけ人数を割くのかもポイントになるね」

「各進軍ルートや主戦場には罠や騎兵が進めないような障害物があります。進軍フェイズでは偵察兵が事前にルートを調べれば騎兵の安全を確保できるでしょうし、防衛兵が対処しなければ進めない場合もあります」

「どのユニットも必要なんだね。つまり競技前の準備から騎馬戦の勝負ははじまっていたんだ」

「そうですね。なので騎馬戦では準備も他のフェイズと同じように編成フェイズと区分けするそうです」

「それじゃあ開戦前に各チームの編成を確認してみよう」

 

 +++

 

 

 部長は各地チームが提出した編成表を取り出した。

 

「まずは優勝候補の南軍。大将は学園最強の《剣闘士》、クルス・リンド! 副将には《黒鉄》、マーク・K・フィーとなんと学園の誇るツートップが並び立ちます! もうこの2人が組むだけで南軍の勝ちは決まりでしょう」

「そうとは限りません」

「おや、ポピちゃん。それはどうしてかな?」

「実は、エースのチーム分けで大将副将を決める際、この2人の組み合わせになったのはリンドさんの暴走を抑えるのにマークさんが適任だったからです。あの人に本気出されると競技が成り立ちません」

「ああ。彼は抑え役なんだね」 

 

 +++

 

 

 その頃の南軍拠点。

 

 クルスは檻の中にいた。

 

  

「おい、マーク」

「どうしたんだい? 僕らの大将」

「この扱いはなんだ?」

「あはは」

「笑うな」

 

 目が覚めたらもうこの囚人状態。

 

 すべてマークの仕業だ。クルスの昼食に睡眠薬をこっそり混ぜて眠らせ、《黒鋼術》の檻に閉じ込めたのだ。

 

「この手の競技で君が見境なくなるのは目に見えてるんだ。専用の馬を僕が用意したからこれで頑張ってね」

「どうやって戦うんだよ」 

 

 クルスの入った檻は屈強な戦士系の生徒が担いでいる。馬というよりも籠だった。

 

 +++

 

 

「というわけでリンドさんは檻の中、鋼鉄の手枷をつけたままの参戦です。戦力になるのでしょうか?」

「でもここにはエースがもう1人報道部の誇る変態、《霧影》のミスト君がいるからね。報道部仕込みの情報戦も南軍の強みだよ」

「マークさんの率いる騎士団、《黒耀騎士団》の魔術師部隊もいますね」

 

 

 南軍の編成は騎兵が4チーム中最も少なく精鋭で固めている。

 

 代わりに支援役のユニットが充実しており偵察兵が4チーム中最も多いのが特徴といえる。

 

 +++

 

南軍 ユニット配分

 

騎 40(200)

工150

防200

偵200

 

 主力メンバー:クルス(ハンデ付)、マーク(黒耀騎士団)、ミスト(報道部隠密部隊)、リュガ、ユンカ、セリカ

 

 +++

 

 

「次は北軍。大将は《青騎士》、クオーツ・ロア。副将は《獣姫》、メリィベル・セルクスの2人。生徒会長の側近コンビ」

「いわゆる《会長派》の2人が中心のチームですね」

「北軍の主力はやはり《青騎士》が率いる《蒼玉騎士団》! 彼らを中心とした騎兵隊は注目だね」

 

 +++

 

 

 北軍拠点にて。

 

 

「この競技、騎兵である俺向きだ」

「メリィに続け! ぶっ飛ばしていくぞぉ!」

 

 メリィベルが檄を飛ばし、盛り上がる北軍。

 

 

「……」

「シルバルム。あなた大丈夫?」

「ディジーさん」

 

 ディジーはアイリーンの様子に違和感を感じて声をかけた。

 

 アイリーン自身は落ち着いているつもりだが、内から溢れる沸々としたものを抑えきれないでいる。

 

 

 それはエイヴン(東軍)についたユーマに対する苛立ち。

 

 自分のいるはずだったチーム(北軍)を応援しないなんて裏切り行為だと思っている。

 

 

(この競技でユーマさんを見返してあげます)

 

「私は大丈夫です。ディジーさん、勝ちにいきましょう。……東軍には絶対に負けません」

「え、ええ」

 

 ディジーはアイリーンの迫力に押された。

 

 +++

 

 

「北軍にはもう1人、エースの《精霊使い》がいるはずだったけど、今回彼は諸事情で騎馬戦には不参加。このアクシデントで北軍は部隊を今朝編成し直してるんだよね。これが吉となるか凶となるか」

「あの人とロアさんは集団戦の部隊運用の考え方が全く違います。セルクスさんもあんな人ですし、作戦の立案は大分揉めたそうですよ」

 

 

 再編成した北軍は4チーム中最大の騎兵部隊を編成。工作兵を置かず主力を充実させた。

 

 騎士らしい正々堂々とした戦術が予想される。

 

 

「それがボクは気になっちゃうんだけどね」

 

 部長は各チームに散らばった編入生の存在を危惧していた。

 

 +++

 

北軍 ユニット配分

 

騎100(500)

工  0

防200

偵 50

 

 主力メンバー:クオーツ(蒼玉騎士団)、メリィベル、アイリーン(公式応援団)、ディジー、ブロト、ユーマ?(出場禁止)

 

 +++

 

 

「《青騎士》に対抗するのはやはり《赤騎士》である彼女。《烈火烈風》が率いる西軍だぁ!」

「西軍の大将はリアトリス・ロートさん。副将は《鳥人》、ヒュウナー・フライシュさんです」

「ボケねぇちゃんに鳥頭と《Aナンバー》でも珍しい組み合わせ。大丈夫か?」

「あと西軍は《旋風の剣士》、エイリークさんとアギさんがいます」

「さらに突撃台風姫に青バンダナ! 本当に大丈夫か西軍!?」

 

 +++

 

 

 西軍の大将は、部長に言われるまでもなく問題児達に頭を抱えている。

 

 

「さあ、行くわよ!」

「……大玉と一緒に蹴り飛ばされた次は姫さんの馬かよ」

「うるさい。ちゃんと進みなさいよね」

 

 アギは足蹴にされる。今日は蹴られてばかりだ。

 

 エイリークの馬を担ぐアギを見て、ヒュウナーはげらげらと馬鹿笑い。

 

「尻に敷かれるどころか踏まれるたぁ……お似合いやで、アギ」

「ぐっ……ヒュウめ。飛ぶことしかできない阿呆鳥の癖に馬なんか乗りやがって」

「なんやて」

「アギ、ぶつぶつうるさい」

 

 今度は騎馬戦用の武器として支給された棒で小突かれるアギ。なんか惨めだ。

 

 ヒュウナーは笑いすぎて馬から転げ落ちた。本番ならこれで西軍の副将はアウト。

 

 

「エイリーク達をメインで使う作戦を考えてはみたが……実際に彼女達を1ヶ所にまとめてみるとどうもな」

 

 リアトリスはエイリークとヒュウナーの突破力と、アギの防御力を主軸に主力部隊を編成したものの、開戦直前で彼らが他のメンバーと上手く連携してくれるのか不安になった。

 

「特別ルールがどこまで有効に働くかどうかだな」

 

 +++

 

 

「西軍はリアトリスさんの率いる《紅玉騎士団》をはじめ、女生徒が多いので4チームの中で1番特別ルールが活かせるはずです」

「確か騎兵1ユニットが女子5人で組まれている場合、担ぐ馬を重量が20キロの物と交換できるんだよね?」

「そうです。軽くなっても馬の強度は問題ありません。これで機動力のある騎兵を組むことができます」

「兵は神速を尊ぶ! というわけだね」

 

 

 西軍の編成はバランス重視。偏りがない分どのチームにも勝る点がない。

 

 エイリーク達主力部隊が勝利の鍵を握る。

 

 +++

 

西軍 ユニット配分

 

騎 60(300)

工150

防180

偵120

 

 主力メンバー:リアトリス(紅玉騎士団)、ヒュウナー、エイリーク、アギ、ミサ、リン、ベルティナ

 

 +++

 

 

「最後は東軍ですね。大将は自警部部長の《一騎当千》、ブソウ・ナギバ。副将は大図書館《塔》の守護者、《賢姫》のミヅル・カンナ」

「あと東軍のエースはもう1人、ポピちゃんの双子のお兄さんで《天才》のティムス・エルド君がいるね。ここは他のチームに比べると武闘派って感じはしないけど」

「そんな事はないです。自警部の精鋭もいますし、なによりミヅルさんの大太刀は怖いです」

「今回は棒だけど大丈夫かな?」

 

 

 +++

 

 

 ここは東軍拠点。異常事態発生。

 

 東軍の精鋭たちが、謎の覆面司祭によって扇動されている。

 

 

「答えよ武人達。我等が神の名を」

 

「「ブソウ! ブソウ!」」

 

「叫べ、神の戦士達! 学園に東軍大将の名を轟かせろ!!」

 

「「ブソウ! ブソウ!」」

  

 怒声と雄叫び。

 

 自警部の部員を中心に戦士系の生徒たちが、それから戦士でなくても心は武人という漢たちが、声を張り上げる。

 

 

 彼らは目覚めた。我は武人、戦人だと。

 

 

 天下無双薙刃神教。以前にとある少年がでっちあげて報道部部長が悪戯に布教した、ブソウを武神と崇める謎の宗教だ。

 

 遂に彼らが表舞台に立つ。

 

 

「「ブソウ! ブソウ!」」

 

 

 全く関係のない生徒たちも勢いとノリでブソウコールを連呼する。

 

 この集まりの末席に加えられたシラヌイ君なんか武人の血が騒ぐのか、興奮しながら一緒に叫び、頬を紅潮させている。

 

 

「この戦、勝利して我等がブソウさんに武勲を捧げよ。勝つのは我等、東軍だ!!」

 

「「「オオーーッ!!」」」

 

 

 東軍は開戦前から最高潮。

 

 

「さあ、ブソウさん。舞台は整いました。征きましょう」

「何もしないと言っただろうが」

「ぐぇ」

 

 約束を反故にされたブソウは覆面野郎ユーマを絞め上げた。

 

 +++

 

 

「東軍の主力となるのは自警部の部員と兄をはじめとする技術士系の生徒ですね」

「そうだね。《エルドカンパニー》の用意した一般生徒用のアイテムやPCリングを使う点では開発者のいる東軍が有利。他のチームとは違う戦術が見られそうだね」

 

 

 東軍は工作兵寄りの編成。進軍フェイズに仕掛ける模様。

 

 防衛兵が少ないが、技術士系の精鋭と盾役の戦士系をこちらに配置しているようだ。

 

 +++

 

東軍 ユニット配分

 

騎 50(250)

工250

防100

偵150

 

 主力メンバー:ブソウ(自警部)、ミヅル、ティムス(エルドカンパニー)、ジン、シラヌイ、エイヴン?

 

 +++

 

 

「あとこれは追加情報。東軍も今日になって編成の変更をしてるんだよね」

「それはどんな風にですか?」

 

 この情報は前もってユーマから聞いている2人。少しだけ芝居かかっている。

 

「1年生でもあの有名な《射抜く視線》のジン・オーバ君を騎兵から下ろして代わりの子を入れてるんだ」

「ジンさんをですか? 確かに弓使いの彼は他のユニットが向いていると思いますけど」

 

 

 ジンが主役の騎兵じゃないと聞いて、女生徒達から東軍に向けてブーイングの嵐。

 

 ユンカとかセリカとか、あとリンやベルティナも非難している。

 

 

「ジン君の代わりは今度学園に編入してきたエイヴン・コロデ君。しかも彼は小隊長とのこと。突然の抜擢に彼はこの騎馬戦の台風の目となるのか? ボクも彼がどう動くのか気になってきたよ」

「そうですね」

 

 とは言いつつも実況席の2人はもちろん知っている。本当の台風の目はエイヴンではないと。

 

 

「さあ、いよいよ騎馬戦の開幕。進軍フェイズのスタートだぁ!」 

 

 

 開戦の空砲が学園中に響きわたり、各チームが主戦場へ進軍を開始する。

 

 

 

 

 一方、エイヴンに表舞台を譲った精霊を連れていない《精霊使い》。

 

 ユーマの騎馬戦は舞台裏からはじまった。

 

 +++

 

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