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幻創の楽園  作者: 士宇一
幕間章 旋風姫編
81/195

旋風姫 学園横断編2

案内、とはいいつつ学園をなかなか歩かない2人

 

 +++

 

 

 それはユーマがまだ風森の国にいた頃の話。

 

 

「ユーマさん? あっ……」

「……」 

 

 エイルシアが見つけたのは木陰で昼寝をする少年。

 

「またこんなところで。怪我もまだ完治していないのに……えっ?」

 

 ユーマは傭兵と戦って怪我をして、ついこの間まで寝込んでいた。

 

 彼は体質で治療の魔法が効きづらい。身体中のあちこちに包帯を巻いていたはずなのに。

 

「包帯を外してる。怪我は……嘘。治ってる」

 

 それで彼女はやっぱり、と思った。

 

 

 ――精霊は……アイツが《転写体》だから存在を書きかえることができるって言ってた

 

 

「傷が癒えたのではなくて、時間をかけて『元の姿に戻った』のですね。……ごめんなさい」

 

 エイルシアは少年の側に寄ると髪を撫でる。辛そうな、泣きそうな顔で。

 

「あの時、ラヴちゃんの魔力があった時にユーマさんを《送還》してあげることができたらよかったのに」

 

 あの時なら少年を無事に元の世界に還すことができた。

 

 なのに少年はその機会を不意にして代わりに彼女の母を救ってくれた。

 

「それだけならまだよかった。でもリィちゃんのことがあって……ねぇ風森、あなたはどうして」

 

 

 ――ユーマさんを縛りつけたの?

 

 

 妹を助けるためとはいえ、精霊のしたことは許せなかった。少年が躊躇わずそれを選択したことも。

 

「……ずっとこの世界に居続けることになれば、あなたはきっと辛いことになる。でも私は……」

 

 苦しい。締めつけられる。

 

「私は魔法使いなのに」

 

 悲しい。少年の存在が。自分の無力が。

 

「あれだけのことをしてくれたあなたに何もしてあげられない。わからないの。私は……『今のあなた』をあなたの世界に還すことができない」

 

 

 ごめんなさい、今はそれだけしか言えない。

 

 

 

 

「……シアさん?」

「起きましたか? 風邪を引きますよ?」

 

 ユーマが見る彼女はいつだって笑顔だ。今だって。

 

「リィちゃん達が学園都市に戻るんです。お見送りに行きますよ」

「わかった」

「……身体の方は大丈夫ですか?」

「ん。シアさんと風葉が何度も《癒しの風》を使ってくれたからほら。どうしたの?」

「いえ。みんなが待ってます。行きましょう」

 

 そう言って先を行くエイルシア。内に秘めた悲しみと決意を少年に見せることは決してない。

 

「……」

 

 

 

 

 少年は気付かなかったわけではない。

 

 

 なにもしてあげられなかっただけ。

 

 +++

 

 

 ティムスが鼻血を流した。

 

 

「ティムス!?」

「な、なんだよこれ」

 

 彼が手に持つのはオリジナルのガンプレート。興奮して手にした瞬間、いきなりだった。

 

「兄さん……まさかそんな性癖が」

「馬鹿言うな。《解読》しようとしただけだ。なんつう情報量だよこれ」

 

 別にポピラが思ったようなことではない。《解読》してガンプレートの仕組みを理解しようとしたティムスだが、膨大な情報量を前に脳がパンクしそうになったのだ。

 

「前に話を聞いた時は銃器、機械の類だと思ったが別物だ。ブースターに近いがそれでもない。金属板と思ったものが複数の複雑なパーツで構成されているし隅々に刻まれた極小の紋様がとても精密、整然に刻まれていやがる」

 

 とても人の手で作れる代物じゃねぇ、とティムス。

 

「そりゃ兄さんはパソコンとかでプログラム組んで魔術回路を作るからね」

「あとこの材質はなんだ? いくらなんでもミスリルやオリハルコンじゃないよな?」

「通称マガネ合金。魔法で練鉄した兄さんのオリジナルだよ。オリハルコンなんて本当にあるの?」

「……」

 

 似たようなモンじゃねえか、と絶句。今度はカートリッジに付与された魔力許容量を計測してまた絶句。

 

「大砂漠や氷霊山にしかないような魔石が入ってるのか? なんだこの魔力総量、こんなものが……え? これも同じ金属? どうやって金属にこれだけの魔力を付与して蓄積すんだよ!?」

「魔術回路に魔力を込める?」

 

 ユーマもよくわかっていない。

 

「技術力が違いすぎる。俺のガンプレートが《レプリカ》と言われても仕方ねぇ」

「いや、ブースターとは別物だって前にも」

「黙れ。くそっ、何が《天才》だ。上にはやっぱり上がいやがる。行方不明のお前の兄貴って何者だよ」

「陰険外道の根暗眼鏡。もしくは夜行性の鳥類」

 

 断言した。

 

「……魔術回路ってやつがこの技術の肝なのはわかった。他にないか? 研究がしたい。頼む!」

 

 ティムスにすれば突然金山を見つけたようなものだ。技術士として負けたなんて思うどころではない。

 

 掘り起こして、知り尽くしたい。ユーマの兄という彼の技術からは学ぶべきことが沢山あるとわかったから、ティムスはプライドをかなぐり捨てる。

 

「……うーん。シアさん」

「はい?」

 

 エイルシアはポピラとルックスに相手してもらっていた。

 

 女物の服を着せられそうになったルックスがスケープゴートにPCリングをプレゼントしたらしい。

 

「見て下さい。幻創獣、かわいいですよね?」

「それってラヴニカがモデル? しっぽ?」

 

 彼女はオリジナルの幻創獣を作ってもらったようだ。ベースはお姫さまで3頭身のお人形。

 

 紫の長い髪をしていてなぜか悪魔の尻尾と羽、触角がある。あと八重歯。

 

「でびるラヴちゃんです」

「そっくりですわエイルシア様。あの生意気なちび魔人に」

 

 精霊のカレハは絶賛。風葉もだったがやっぱりラヴニカとは相性がよくないらしい。

 

「それもいいけど、ここはあえて猫耳を……じゃなくてシアさん。今度風森から俺の荷物を学園に送ってもらえないかな? 俺のおもちゃとか。光輝さんの作ったやつが色々あるから」

「本当か!? 頼む!」

「それでしたら」

 

 エイルシアは旅装の鞄から大きめの箱を取り出す。鞄の中にはこれしか入っていなかった。

 

「それって圧縮ボックスじゃ」

「物がたくさん入るので荷づくりの時ユーマさんのお部屋から借りてきちゃいました。使い方がわからないものがあって、学園に来るついでに聞いてみようといくつか持ってきたのですが」

「俺のものを勝手に……いいけど俺の部屋で何かしてない?」

 

 エイルシアは黙った。

 

「シアさん?」

「い、いえですね、ラヴちゃんはユーマさんのもので勝手に遊んでましたけど、私はただユーマさんの部屋のお掃除を……何もしてませんよ?」

 

 へたくそに誤魔化した。ちなみに風森の城にあるユーマの部屋はもうない。

 

 爆発した。

 

「……まあ、いいや。それで何を持ってきたの?」

「えーとですね」

 

 箱の中から出てくる物ものモノ。明らかに箱の容積を無視している。

 

「おい、ユーマ」

「あとで説明するから。あっ、ワイヤーガンだ。これあの時ぶっ壊したんだよな。ティムス、これ修理できる?」

「……すげぇ」

 

 機械であるそれを見てティムスは感激している。珍しく子供のようにはしゃぐ。

 

「すげぇ! これ。おい、これっ!!」

「わかったから。あとシアさん、このお土産の山は?」

「城の皆にと思ってここに来る途中で買ってきたものですけど」

「……賞味期限て知ってる?」

 

 

 あと2、3日学園都市に滞在することを考えても、食べ物は日持ちしそうにないものばかりだった。

 

 +++

 

 

 ユーマによるちょっとした実演ショー(さながらテレビ通販のようだった)とエイルシアのお土産の処分(皆で分けて食べる分の仕分け)をしてエルドカンパニーから出る2人。

 

 

 エイルシアはポピラ達に創ってもらった幻創獣がお気に入りだ。

 

『おねえちゃん、おねえちゃん』

 

「ああーーっ、もうラヴちゃん!」

「……」

 

 人形のラヴニカに自分で言わせておいてうっとりしている。

 

「PCリング、通話とかメールは学園でしか無理だからね」

「ええ。……本物のラヴちゃんも言ってくれないかなぁ」

 

 本当に変わったもんだなぁ、とユーマ。彼女の素なのかもしれないが。

 

「でもよかったのですか? 彼にガンプレートや他にも色々と見せて」

「ティムスならいいよ。悪用なんてしないし光輝さんの技術は『むこう』でもオーバーテクっぽいところがあるから。完全な再現は無理だよ」

「……」

 

 エイルシアは少しだけ不安になる。ガンプレートがこの世界にない技術の産物だとしても、少年もまたゲンソウ術の技術を理解していないと。

 

 あれだけ複雑な機構をしたガンプレートを《レプリカ》がある程度再現しているその凄さを。

 

「それに約束したから。いつか2人で本物のガンプレートを超えるって。そういやシアさんは魔法弾のレベルいくつまで使えるの?」

「レベル? よくわかりませんが使えたものの中で凄かったのは……《ゴッドフリート》ですね」

「…………え?」

 

 聞き間違いでなければそれは、レベル7の掃討殲滅術式。

 

 実のところレベル6以上はほぼ《梟》専用の魔法弾といったもので扱いが難しく、ユーマは使えるわけがないと思っていたが。

 

「ああ。あれは風属性だからシアさんに適性があるのか」

「あとこれもわからないカートリッジがあって」

 

 そのカートリッジを見て目を剥いた。

 

「封神解放弾だって!? ……使った?」

 

 おそるおそる聞いてみると。

 

「ラヴちゃんがひっくり返りました」

「……使えたんだ」

 

 最上位のレベル8。ユーマはショック。聞かなければよかった。

 

「光輝さんが姉さんに持たせない理由がわかった。ガンプレートは《魔法使い》に持たせたら危ない。世界が滅ぶ」

「いくらなんでも大げさな」

「ゴッドフリートやこれを使って風森の国は無事?」

「……ええ。『国は』無事です」

「……」

  

 ラヴニカのおかげで城の半壊で済んだ。かつての魔人は救世主だ。

 

「ほんと扱いには気をつけてね。さて。大分時間が過ぎたしお昼を……」

 

 

 出店で賑わう西区の一帯に足を運ぶ。そこでユーマは親友を見つけた。

 

「アギ?」

「げ」

 

 青バンダナの少年は見つかってしまった、という顔をする。

 

 アギは着物姿の女性を連れていた。結構な美人。

 

「よ、よう。ユーマはデートか?」

「違う。シアさんの案内だよ」

「そうか、じゃあな」

 

 早々と立ち去ろうとするアギ。それを止めるのはアギの隣にいた女性。

 

「待ちなさい。アギの友達ですか? 息子がお世話になっています」

「……………………ええっ!?」

 

 理解するのが遅れた。

 

 桜色の着物に結い上げた黒髪の女性。エイルシア程ではないにしても若い。

 

 年の離れた姉で通じるのに。

 

「息子って、アギのお母さん!? 若っ」

「嬉しいことを言ってくれるわ。でも私、おばさんなんですよ」

「さ、サヨコ様っ!?」

 

 艶やかに笑う大人の女性にアギは慌てる。

 

「違うからなユーマ、サヨコ様は……」

 

「お久しぶりです。サヨコ様」

「あら? 珍しいわね。こんなところで」

「シアさん?」

 

 実はエイルシアとサヨコと呼ばれた女性は面識があった。

 

「ユーマさん、サヨコ様は《砂漠の王国》の王妃様です」

「へぇ。……えっ? だったらアギは馬鹿王子?」

「だから勘違いすんな! 俺は砂漠の民の一般人。あと馬鹿ってなんだ馬鹿って」

 

 掴みかかりたいがサヨコの手前アギはぐっとこらえる。

 

「じゃあなんで息子って」

「砂漠の民の習慣ですよ」

 

 砂漠の王国は民を家族とする。砂漠の民の子供たちは皆王の息子で娘だ。

 

 王妃であるサヨコもまた国母として砂漠の民に慕われ、彼女も民の子供たちに愛情を注いでいる。

 

「俺はサヨコ様の付き添い。学園にいる兄弟、つまり砂漠の民の生徒の所へ案内してるんだよ」

「ふーん」

 

 サヨコはエイルシアとなにか話をしている。

 

「ったく。さっきもリュガにからかわれたばかりなんだ。サヨコ様があんまり」

「私が何かしら?」

 

 気がつけばサヨコが側にいた。彼女はユーマに話しかけてくる。

  

「学園での息子はどうかしら? この子は昔から王様王様ってあの人に憧れていてね、いろんなこと真似して無茶してたから心配なのよ」

「サヨコ様っ」

 

 それはもう親戚のおばさんが自分が覚えていない昔の事を話してくるようで。

 

「しょっちゅう城に忍び込んだりして子供たちの中でも聞きわけの悪い子だったわ。学園都市に行くのも嫌がって『俺は勉強なんて嫌だ、近衛隊に入って王様を守るんだー』って、それからね」

「サヨコ様!!」

 

 こっ恥ずかしい思いをするアギ。ユーマは自分から遠ざかろうとしたアギの気持ちがわかって同情した。

 

「みんながサヨコ様を待ってるからもう行きましょう。じゃあユーマ、行くからな」

「待って。サヨコさん」

「何かしら」

 

 ユーマは改めて彼女に頭を下げる。

 

「アギには本当にお世話になってます。アギの《盾》に俺は何度も助けられてる。アギがいなかったら俺、だから」

 

 アギの母といえる彼女にお礼を言いたい。

 

「ありがとうございます。俺、アギに会えてよかった」

「……そう。だってよ、アギ」

 

 嬉しそうに微笑むサヨコ。アギはそっぽ向いている。

 

 実はリュガにもサヨコの前で似たようなこと言われていたアギ。こんな時ばかりベタ褒めする親友たちが恨めしい。

 

「この子はほんとうにあの人そっくり。自慢の息子よ。これからもよろしくね」

 

 先に行こうと背を向けるサヨコ。

 

「君もいつか国へ、私達の家に遊びにいらっしゃい。歓迎するわ」

 

 そう言って砂漠の国の王妃はアギを連れ、行ってしまった。

 

 

「砂漠の王国。アギがいつも言ってる《盾》の王の国……か。そういえばあの人。ねぇシアさん、……シアさん?」

「……」

 

 見れば真っ赤になってぼんやりしているエイルシア。

 

 『姐さん女房』はまだしも『若いうちに』『自分好みに教育』『調教』と何か危険な言葉を呟いている。

 

 サヨコに何か言われたようだがユーマはあえて訊ねないようにした。

 

 

 あの王妃からは《彼女》と同種のニオイがしたから。

 

 

 とにかく。エイルシアにガンプレートを向けて目の前でバチッ、と火花を散らす。

 

「きゃっ! あ。私……」

 

 それで正気に戻った。何事もなかったかのようにユーマは訊ねる。

 

「そういえばシアさん。サヨコさんってなんで着物なの?」

「……えーと、サヨコ様のお母様が確か東国の出身でその血がサヨコ様に色濃く継がれているんです」

 

 そして本当に何もなかったようにエイルシアも話をする。ユーマはちょっとした催眠術を使った。

 

「あの人は昔から綺麗な人で学生時代は《桜姫》って呼ばれていたんですよ。リーズ学園でも東校では有名な二つ名ですね。サヨコ様が初代の《桜姫》なんです」

「へぇ。……じゃあ、あの『刀』は?」

 

 ユーマが1番気にしていたのは、着物姿のサヨコが腰に提げていた黒塗りの鞘。

 

「あれは《宵ノ桜》。世界有数の刀使いでもサヨコ様は有名ですね。ユーマさん?」

「やっぱり」

 

 東国の女性で刀使い。ユーマが知る人で該当するのはただ1人。

 

 《賢姫》、ミヅル・カンナ

 

 大図書館、《塔》で会うたびにユーマの精霊、砂更の知識を借りようと彼女は大太刀やら何やらで脅しにかかるし無理難題を言う。ユーマはあの先輩が苦手だ。

 

 きっとサヨコも同じタイプだろうと推測する。

 

「俺、刀使う女の人は好きになれそうにないよ。いきなりばっさりいかれそうで怖いや」

「……剣はいいのですか? 例えばリィちゃんとか」

「え?」

 

 エイルシアの質問に少し考えてみる。

 

 

 ……旋風剣で吹き飛ばされる自分が見えて嫌になった。

 

 

 それよりも今、剣と言われて1番に思い浮かぶのは《彼》の剣。

 

「剣は……うん。エイリークなんかよりあの人の剣がずっと怖い。怖かったよ」

 

 4刀の剣、それに《闘気剣》。

 

 ユーマを打ちのめした《剣闘士》の剣。

 

「……」

 

 一瞬でも暗く沈むユーマをエイルシアは見逃さなかった。

 

(ユーマさん、学園で何かあったのね……あと剣を使う女の人は駄目と)

 

 勘違いした。

 

 

「それよりも早くお店に行こう。おなか空いたよ」

「そうですね」

「そういやさっきミストさんから割引券もらったんだけど」

 

 報道部は何をしてるのかなー、と券を見てみると、

 

 

“懺悔室やってます。あなたのお悩みは報道部でスッキリ”

 

 

「……」 

「ユーマさん?」

「金とって弱み握る気かよ、あの部長さん」

 

 

 

 

 割引券は握りつぶした。

 

 +++

 

 

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