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幻創の楽園  作者: 士宇一
幕間章 Aナンバー登場編
74/195

エースの初仕事 生徒会編

《賢姫》、《獣姫》。3年生の《姫》2人

 

この話はあと2回で終わりそう

 

 +++

 

 

 自警部の反省室でひと騒動起こした次の日。

 

 

 その早朝にユーマは学園の誇る大図書館にやってきた。

 

 報道部情報によると今日この時間帯に《Aナンバー》の1人がいるらしい。

 

 エースの名は《賢姫》。部長曰く、「本の虫でタチが悪い」だそうだ。

 

「……たかいな」

 

 大図書館を見上げるユーマ。

 

 

 大図書館は学園の重要施設のひとつ。世界中の文献を集めた知識の宝庫でありその外見から通称で《塔》と呼ばれている。ちなみに《塔》の隣には閲覧室を兼ねた大きな書店もある。

 

 《塔》は8階建てと聞くがそれよりも高く見える。上に行くほど古くて高度な技術書や歴史書、魔術書が保管され個人ランクによって閲覧許可に制限をかけている。ランクAでも6階までしか昇れない。

 

 ただし1階のフロアは展示スペースで最新の知識と技術が公開されている。

 

 学園の各学科の研究成果も展示されており《エルドカンパニー》のPCリングや幻創獣のパンフレットもある。あと学内行事関連で昇級試験時の写真なども。

 

 大図書館の書庫や展示物は管理運営は《図書委員会》がしている。《賢姫》はそこに所属していた。

 

 

 というわけでユーマは親睦会の招待状配りに《塔》へ来たのだが、そこで彼はショックを受けた。

 

「……」

「俺がここにいて悪いか?」

 

 

 《塔》に入ってすぐのところ、ユーマは赤いバンダナの友人に出くわした。

 

 +++

 

 

「ああ。昼寝に来たんだね」

 

 それがユーマのベストアンサー。リュガは呆れる。

 

「今は朝だ」

「確かにまだ7時だけど……」

「勉強だよ勉強。俺は朝方なんだ。それで今日の予習が……ってその顔は何が言いたい?」

「俺、リュガの立ち位置がよくわかんないよ」

 

 

 リュガ・キカ。大剣士でアギの相棒、《バンダナ兄弟》の赤いほう。

 

 着崩した制服に赤い髪の不良っぽい外見、だけど《アイリーン公式応援団》の幹部。

 

 意外に真面目である。一般教科の筆記試験で戦士科の上位にいることは知られていない。

 

 

「まあ、いいや。リュガはここによく来るの?」

「本を借りに週2くらいだ。最近ランクBに上がって《塔》の5階まで行けるようになったからな」

 

 《塔》の書庫は2階までが一般公開。あとは上の階に昇る毎にD、C、B、Aと個人ランクによる制限がかかる。

 

「やっぱりここの本は違う? 普通の教棟にも図書室はあるじゃないか」

「質も量も別格だな。ランクAになったのにアギはもったいないと思うぜ。あいつは1度もここ来たことない」

 

 歴史書を中心に大抵の本は読んだというリュガ。

 

「お前も6階まで行けるんだよな? 特待生だし。上の階には《炎翼のイカロス》の原文があるらしいぞ」

「……ラノベ?」

 

 精霊紀の戦争で活躍した《エレメンタル》の1人、その軌跡を追った戦記物らしい。

 

「たぶんもっと上かな? 俺エースになったから」

 

 11番目のエースのことはまだ一部の生徒しか知らないことだ。リュガは驚いた。

 

 ユーマにすればリュガが文学少年だった方が驚いたのだが。

 

(いや。きっと歴史オタクみたいな感じだよな。きっと)

 

 ユーマは友人に偏見を持つことで納得した。

 

「おい、エースってなんだそれは」

「俺の事はいいから《賢姫》さんって知らない? ここにいるって聞いたけれど」

「……なぜ知っている? 彼女が今日の朝当番だという情報は幹部級だぞ」

「今度はなんの幹部だよ」

 

 のちに《美少女信仰》の信者とわかるとますますリュガがわからなくなるユーマだった。

 

 

 ところで《賢姫》、ミヅル・カンナは普通科の3年生だ。

 

「普通科? なのにエース?」

「会えばわかる。《賢姫》ってのはエースになってからの2つ名だ。筆記試験のトップで昔は《文武両道》だった」

「名前から堅そうな人だね」

 

 何故かリュガがついていた。優真は気にせず受付カウンターに座る彼女に挨拶する。

  

「ようこそ大図書館。学園の《塔》へ。それともはじめましてかしら? 11番さん」

 

 ミヅルはユーマを友好的に迎えた。

 

 すらりとした体型に艶のある黒髪のロング。東国系の顔立ちは《姫》の2つ名で呼ばれるのだ。目は鋭いけどおっとりとした口調の美人。

 

 普通科に所属すると言われれば確かに戦士や魔術師には見えない。

 

 ましてエースなんて。

 

「ここは私の管轄。騒ぎを起こさなければ誰だって歓迎するわ。本は共有すべき知の財産なんだから」

「質問してもいいですか?」

「何かしら。本の貸し出し?」

「それはあとでお願いします」

 

 まず聞かねばならないことがある。

 

「その立て掛けている刀、あなたのですか?」

 

 ミヅルは頷いた。

 

「護身刀よ」

「……うそだぁ」

 

 そんなやさしいものじゃないと思う。

 

 彼女の身の丈ほどもある大太刀なのだから。

 

 彼女は《賢姫》にして《剣姫》。本をこよなく愛する彼女は剣の才を見込まれて戦士科に転科されるのが嫌だった。なので学園の猛者共を薙ぎ払ってまで普通の女の子を主張し、挙句今の立場にいる。

 

「初めて会う人は皆聞いてくるわ。私だって普通の女の子なのに物騒だって」

「はぁ」 

「でも今の私はエース。重要文化財を守る名目でここの治安維持担当、警護役をしているの。おかげで本に囲まれたここに住めるのは幸せね」

「「……」」 

 

 住めるの? 知らなかった、とユーマとリュガ。

 

「もしここで騒いだり本を紛失したりしたら覚悟してね。あれを抜くことになるわ」

 

 そのあとどうなるのかは話してくれなかった。

 

 寒気を覚えて話題を変えるユーマ。

 

「そう言えば学園長からエースはランクA以上の閲覧権限があるって聞いたんですけど、俺は《塔》の8階まで昇れるんですか?」

「上は7階までよ。8階は《塔の主》の住居だから」

「主?」

「気にしないで。エースになって手にできる資料や文献はこっち」

 

 と床を指さすミヅル。

 

「地下?」

「重要機密」

 

 《塔》の真下は《迷宮》だという。入り口の鍵を管理しているのは図書委員長だ。

 

「あ。そこの赤い君は知られちゃいけなかったわ。……飛ばさなきゃ」

 

 何を、とは話さなかった。

 

「ま、まってくれ先輩! 喋りませんから!」

 

 大太刀を手にしたミヅルに青ざめる2人。特にリュガは必死だ。彼女の武勇伝を知っているから。

 

 魔獣の首を飛ばした数とか危険種指定の巨人の首を落としたとか、あと首とか。

 

「そう? わたしうっかりさんだから今でも『これ』に頼らないといけないのよ。ねぇ、斬鬼首切丸?」

「……なんて名前つけてるんですか」

「銘よ。あ。肩に糸くずが……」

 

 突っ込みは無視された。それでもってミヅルは抜刀。

 

「…………リュガ?」 

 

 太刀筋は見えなかった。ユーマはリュガの首が飛ぶ幻を見る。

 

「とれたわ」

「今! あんた今!!」

 

 手で取れるでしょうが! とは声がでない。

 

 リュガは石像と化している。ちびってないか心配だ。

 

「生きてる。生きてるから!」

「……ああ」 

「彼の背が高いから届かないのよ」

 

 何事もなかったかのように振る舞う《剣姫》。《剣鬼》かもしれない。

 

「そういえば私2階の本を整理をするの。ちょうど男手が欲しかったんだけどなぁ」

「……わかりました。おい、ユーマ」

「……手伝うよ」

 

 わかりやすい脅迫だった。始業時間ぎりぎりまでこき使われる2人。

 

 その間のミヅルは何もしなかった。幸せそうに詩集を読む。お手製のかわいらしいブックカバーをしている。

 

 あと片手で首切丸を持ってる。

 

「西の古代文学もいいけど現代文学はやっぱり北よね。洗練されているわ」

「「……」」

「あ。その棚は総入れ替えよ。埃はちゃんと払って。ほら」

「わかったから! 鞘でつつかないでくれ」

「……はぁ」

 

 

 報道部の情報通り、《賢姫》ミヅルはタチが悪い。

 

 

 とにかく6人目。

 

 +++

 

 

「あと4人か」

 

 

 放課後は生徒会棟へ。残るエースの内2人はここにいる。

 

 《会長派》のエースだ。

 

「そういや生徒会長とは敵対してることになってないかな? ユウイの件があるから」

 

 

 《皇帝竜事件》では間接的に生徒会長の邪魔をしたことになるユーマ。 

 

 要警戒とティムスも報道部部長も言っていたのだが。

 

 

 会長室。

 

 

「生徒会へようこそ。歓迎するよ。君の精霊もね」

 

 

 受付に話をしたらまっすぐ会長室に案内された。

 

 それから生徒会長直々に歓迎を受けるユーマ。なんか拍子抜け。

 

「怒ってません? 《竜使い》の事」

「彼は残念だったよ。しかし生徒会襲撃を企てたことは事実なんだ。仕方がない」

 

 割り切ったと生徒会長。

  

 切り捨てたともいえる。

 

「幻創獣もティムス君を中心に管理しているのなら僕が口出しする必要はないさ」

 

 もう口出しできないとも読みとれるのは邪推かもしれないけど。

 

「君とは話をしてみたかった。時間はいいかい? お茶を出すよ」

「……はい」

 

 柔和、物腰がやわらかい印象。意外にも会長自らがお茶を淹れている。

 

 生徒会長は北国の出身らしい銀の髪を丁寧に整え制服もきっちりと着こなしている。

 

 眼鏡は知的に見えるアクセサリーのようだ。ちょっとした変装アイテムかもしれない。

 

「どうかしたかい?」

「質問があります」

 

 まず聞かねばならないことがある。

 

「そこに並べてあるぬいぐるみは私物ですか?」

「……」

 

 実は生徒会長の部屋はいぬ、くま、らいおん、さる、とら、ひつじ……と巨大なぬいぐるみたちで占領されていた。

 

 つぶらな瞳に監視されている中、何事もないように振る舞う彼は不自然だ。

 

「……違うんだ」

 

 突っ込んで欲しくなかったらしい。とても苦い顔をして耳の長いくま、『うさベアさん』を指差す会長。

 

「彼女の物だ」

「くま?」

 

 見ればくまはもぞもぞと動いている。

 

「え? 着ぐるみ?」

「ぐおー」

「「……」」

 

 くまは豪快にいびきをかいた。

 

「……頼むから寝ないでくれ。メリィ」

「……敵か?」

「お客さんだよ。ほら、あの《精霊使い》君」

「敵じゃないか!!」

 

 がばっと起きたくまの手から爪が伸びる。鉄のカギ爪。くまはがるるーとユーマを威嚇した。

 

「セイ言った。《精霊使い》はいつか敵になるって。だからメリィはやる!」

 

 殺る?

 

「メリィ! 頼むから黙ってくれ」

 

 頭を抱えたくなる生徒会長。気まずそう。

 

「誤解しないでくれ。報道部の部長からあの時の君の事情は聞いているから。君をどうこうする気はない」

「はぁ。いいですけどそのくまは一体?」

 

 もうなにがなんだか。

 

「これでも僕の護衛だよ」

「生徒会長専属の護衛……」

 

 ユーマはその話に聞き覚えがある。報道部情報だ。

 

「それって《獣姫》? まさかくまがエース!?」

「いや彼女はちゃんとした人なんだけどね」

 

 ちょっと野生児入ってるんだと生徒会長。

 

 もうこんな人ばっかりだとユーマはうんざりする。

 

 

 《獣姫》、メリィべル・セルクス。3年生で生徒会所属。現生徒会長が就任した際に護衛役に指名されて今に至る。

 

 彼女は《狂戦士》。近接戦最強のクラスに加えて特殊な能力を持つ。

 

 それは《幻装術》というものの1種で魔獣の毛皮を被ることで身体能力を上げることができるのだ。

 

「何故に着ぐるみ?」

「裁縫は彼女の趣味なんだ。素材は獣皮や体毛だから同じらしい」

 

 着ぐるみは狩りで素材を調達して自分で作っているという。狩人にして針子。

 

「スゴかわいいだろ」

 

 何をどう自慢しているかわからない。あとくまは迫力がない。

 

「メリィ。いい加減それ脱いで彼に挨拶して」

「わかった」

「ここで脱がない!!」

 

 脱いだらすごかった。

 

 下着と言うよりも際どいビキニスタイルなんだからユーマだって勘弁してほしい。

 

「セイ。文句多い」

「常識なんだ。頼むよ」

 

 やっと制服に着替えてくれた。もちろん隣の部屋で。

 

 着ぐるみを脱げばメリィベルも《姫》の二つ名をもつほどの美女だ。灰色に近い銀髪はワイルドに、でも顔つきは大人びてすっきりしている。抜群のスタイルは見てしまったのでユーマは思い出さないようにした。

 

 彼女は《賢姫》と2人、3年生の美少女2トップと言われている。

 

「セイ。肉が食べたい」

 

 ……2人とも黙っていればの注釈がつくけど。

 

「それでなんでメリィベルさんの着ぐるみがここに?」

 

 メリィべル曰く、

 

「陰干しだ。セイの部屋は広いからな」

「……」

「着ぐるみの中で寝てたのは?」

 

 曰く、

 

「寝てないぞ。メリィはセイの護衛なんだからな」

「……」

「大変ですね」

「これでも優秀なんだ」

 

 慣れてるよと苦笑する生徒会長。《獣姫》は外見より数段幼い思考で残念な子だった。

 

「メリィは戦士としての能力だけでなく気配察知にも優れている。あの《霧影》の居場所も突き止められる程で襲撃に強いんだ」

「アレは独特のニオイがあるぞ」

「……へぇ」

 

 ニオイ……気配察知?

 

 ところで、と生徒会長。

  

「君はその新任のエースとして挨拶回りをしているのだろう? どうだい? この学園のエースは」

無茶苦茶自由フリーダムですね」

 

 ユーマはそう答えた。生徒会長の隣を見てますますそう思う。

 

「騎士がお姫様にフォローさせながらウェイトレスやって、それを忍者が盗撮するんです。その忍者は写真見て血を流すし」

「……クロイツさんは」

「空飛んで逃げる奴がいれば捕まえて磔にしようとする人もいる。……密室でファランクス戦術はやめてほしかったなぁ」

「……ナギバ先輩まで」

 

 あの時ミストが抜け穴を作りヒュウナーが上へ引っ張って逃がしてくれなかったら増殖するブソウの《紙兵》に圧殺されていた。

 

 自警部部長は同格を相手に容赦しないのだ。

 

「前は巨大な竜に襲われたな。今日は刀で脅されて雑用したんですよ。本も無理やり押し付けられたな」

 

 ミヅルにはリュガと一緒に感想文を強要された。

 

 主題となる本は古文書の写本に『オトコノコの友情』なる桃色に装丁された怪しい1冊。

 

 ……どちらも読みたくない。

 

「君は何というか……結構エース向きだね」

 

 人に会うだけで事件に巻き込まれすぎている。割と平気にしているのは才能だと思う。

 

「そうは言っても今は君もエースだ。……それも異例の11番」

「そうですね」

「だから君は……この学園で何を為す?」

 

 いきなりだった。生徒会長の凄味が増したのは。

 

「エースとして彼らのように一定の役割をこなしながら自由に振る舞う? それもいいがこの学園で本当にやりたいことはあるのかい?」

「……何が言いたいんです?」

「僕を手伝わないか? 学園の為に」

 

 切り出した話は《会長派》への誘い。

 

「学園都市は中央中立地帯にあって世界中の少年少女が集まり教育を受けることができる場所。……ここは世界の縮図だ」

 

 ユーマは知らなかったがこの世界は12歳以上の子供ならば学園都市に住み、教育を受ける権利を誰もが持っている。

 

「リーズ学園は学園都市での中でもすばらしいところなんだ。ここの卒業生がどれだけ優秀か君も知っているだろう?」

「……」

「ここは学園都市の中心となるべき場所だ。だから生徒たちは学園都市の鑑となるべきだ。自由であっても無秩序ではいけない。僕はそう思う」

「……それで」

「……ぐぅ」

 

 力説する生徒会長。護衛の彼女は寝た。

 

「改革したいんだ。生徒会組織を。生徒会から分裂した3つの組織、そして《Aナンバー》達をひとつにまとめたい」

「学園統一?」

「学園都市統一だ。リーズ学園が一丸となればそれができる」

「……」

 

 他校へ侵攻するとでも言いたいのか?

 

 生徒会長は野心家だった。でも『その先』にあるものがユーマにはわからない。

 

 一時の支配が何になると?

 

「どうして?」

「脅威が迫っている」

「?」

「……冗談だよ」

 

 力を抜いた生徒会長。

 

「僕が本気なのは学園統一まで。ここをひとつにまとめあげたらそれだけで偉業だ」

 

 それも冗談のようだ。

 

「生徒会長の任期はまだある。3年まで頑張っても挑戦の価値はあるよ。どうだい? 君も一緒に挑戦しないかい?」

「すいませんけど」

 

 ユーマは断った。

 

「俺はやるべきことがあります。エースを承諾したのもそのためなんです。理由は言えませんけど」

「そうか」

 

 本当は学園にも長居する気はないんです、とユーマ。

 

 ユーマは会長の目を見る。自分の意思を伝えるために。

 

「ここに来てまだ2ヶ月くらいですけどこの学園は好きです。だから学園の生徒として手伝えることは手伝います。間違っているのなら全力で止めます」

「……うん。それがエースの在り方だよ」

 

 

 頑張って。そう言った生徒会長は《青騎士》の居場所を教えてユーマを送りだした。

 

 +++

 

 

「……セイ。よかったのか?」

 

 寝たふりをしていた護衛は彼に問う。

 

「敵対しなければいいよ。学園長の意図は読めないけれど」

 

 ユーマを正規の《Aナンバー》から外したのは余計な混乱は避けたい。そう思っただけ。

 

 現れた《精霊使い》を異質と感じたのは彼だけではないはず。

 

「《アナザー》を作ってまで彼女は《精霊使い》に何を見たのだろう?」

 

 学園長だけが知っていることがある。

 

 学園にあるモノ、そして異世界の可能性。

 

「大丈夫だ。メリィとクオは約束した。何があってもセイは守ってやる」

「ああ。頼りにしてる。……1年以内だ。それで対抗できる力を集める」

 

 でも生徒会長だけが知っていることもある。

 

 

「間に合うか?」

 

 

 

 

 学園にあるモノ。そして異世界の脅威。

 

 

 +++

 

 

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