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幻創の楽園  作者: 士宇一
リーズ学園だより
2/195

リーズ学園だより V2 第10回

ご覧の皆さまありがとうございます。

2/2 Ver. 2.00 第10回更新 *もう少しこまめに更新したいと思います


 

 +++

 

 

「《幻創の楽園》をご覧のみなさま、いつもありがとうございます。この《リーズ学園だより》は各設定や裏話を公開するところです」

 

「良いお年をーと、前回言ってもう2月っす」

 

「番外編で学園の話に戻り、報道部の活動も活性化したい今日この頃」

 

「《リーズ学園だより》は報道部取材班のオリビー・ビリーと編集の先輩がお送りするっす」

 

 

 +++

カットされるリュガ

 +++

 

 

「……なんすかこのタイトル?」

 

「『少年たち 2』の没ネタよ。雑談パートだから無駄が多くて」

 

「リュガ先輩の話は無駄っすか。あの人の強化フラグもあったのに……」

 

「それであまりに可哀想だと今回は彼の救済企画を実行。カットされた話をこの場で公開です」

 

「頑張れ赤バンダナ!」

 

 +++

 

 

(*ドゲンのおやっさんの店にて。

 

 ユーマ、アギとリュガの2人が自警部の臨時部員をしていることで彼らに訊ねる)

 

 

「それで。自警部じゃ2人は何やってるの?」

「あん? 学内の通常巡回と、学園の各校舎にある詰め所に待機するのが週に3回くらい。その中に夜間警備があって深夜待機で学園に泊まったり」

 

 自警部の仕事で一番時間を割くのがパトロールだ。2人が巡回のローテーションに参加すると、その分余裕ができて部員の休みを確保できるらしい。

 

「自警部の常識としてリーズ学園の校則と規則、学園都市の法令に基づく問題集をやらされたりもした。合同演習ってのもあったな」

「やったやった。騒ぎを起こす生徒役やって酷い目にあったぜ。あとは定時報告にブソウさんとこに顔を出すくらいか。反省会がまた長げー」

「……結構大変そうだね」

「待遇は思ったより悪くないぞ。詰め所では結構自由にできる。夜間警備は手当も出るし、自警部に備えてある訓練施設や宿直用のベッドと風呂が自由に使える。装備だって」

 

 リュガはユーマに見せようと、腰に差していた伸縮式の警棒を抜いた。

 

「実際使ってみてわかったけど。貸出の支給品にしては警棒これ、いいもん使ってんだよな。軽い割に振り遅れねーし」

「ティムスから聞いたことある。自警部の警棒や防具ってドワーフ製の合成金属使ってるんだよ。俺のガンプレートと同じ素材」

「へぇ」

 

 そいつはすげー、とリュガ。

 

 

 でも実際すごいのは素材である合成金属ではなく、警棒の造りそのものであった。合成金属自体はコストパフォーマンスに優れた廉価品でしかない。

 

(*この時点のユーマは知る由もなかったが、彼のガンプレートに使われている合成金属は同じドワーフ製でもティムスの錬金術による強化が施されている)

 

 3段伸縮機構により最大60センチまで長さを調整できる携行性の高い警棒。《組合》で開発したこれは、防刃用として十手のようなかぎの付いた護身、捕具としての装備。打撃武器としては『軽く』、威力は考慮されていない。

 

 腕力のあるリュガがこの警棒を思いっきり振るって『軽い』と感じないのは、警棒の中に仕込んである『おもり』の作用である。考慮されていないといっても実力者が使えば、打撃で骨にヒビを入れるくらい造作もない。

 

 

「俺の使っている大剣と比べ持ち運びの邪魔にならないし、対人戦では小回りが効くから使い勝手がいいんだよな。予備の武器にもってこいだ」

 

 リュガは《大剣士》。大型の魔獣を相手にすることを専門としたクラス(*兵種、職業のこと)で、彼の大剣による攻撃は対人戦において過剰な攻撃力を持つ反面1撃毎の隙が大きい。

 

 例えばエイリークのようなスピードと敏捷に優れたタイプに大振りする大剣で戦うのはすこぶる相性が悪かった。取り回しの良い警棒はリュガの弱点を補うサブウェポンに最適だといえる。

 

「ブソウさんが『余ってる』って無料で譲ってくれたんだぜ。アギはいらねぇって言うから俺が2本」

「儲かったね」

 

 ユーマは笑顔で相槌を打つ。

 

 『旧式の処分品』で喜ぶリュガを見ていると「それは今度自警部の装備が一新されるから」、「新型の警棒はティムスの設計で、ガンプレートのカートリッジシステムを採用して電磁ロッドとかにもなるんだよ」なんて裏話、言うに言えなかった。

 

 

 リュガが警棒をしまう。その時ユーマはあることを思い出し彼に訊ねる。

 

「そういやリュガ。警棒もいいけど秘密兵器は? 昇級試験じゃ間に合わなかったみたいだけど」

「秘密兵器? なんだ、そりゃ」

「あれ? アギは知らなかったっけ」

「秘密兵器だからな。……秘密のまま俺の試験は終わった」

「リュガ……」

 

 哀愁が漂いだすリュガ。彼の試験は話自体カットされていたり。これがユーマらメインキャラとの区別か?

 

 ジンはあったのに……

 

 

 それは昇級試験前のこと。彼らは試験に備えユーマをコーチ役にそれぞれ特訓に励んでいたことがあった。

 

 《皇帝竜事件》のいざこざでユーマは途中コーチを放棄してしまったものの、その過程でエイリークは《爆風波》、アイリーンは《氷輝陣・銀の舞台》を習得。十分な成果を得たのだ。

 

 リュガもまた、この時にユーマから秘密兵器なる新技を伝授されていたらしい。

 

「実戦で使うには制御がもう1つなんだ。まあみてろよ。すぐにモノにして次の試験じゃ俺もランクAだ」

「でももう一つ芸が欲しいね。秘密兵器といってもあれ、リュガの弱点を補うものだし」

 

 派手な外見の割にリュガのメインとなる技は《溶斬剣》という、いわゆるヒートソード1本だけ。案外地味。

 

 その自覚があるのかリュガはため息。

 

「そうなんだよなぁ。アギの《盾》みたいに地味に徹しきれたらいいんだけどさ、やっぱり《大剣士》は前衛の中でも攻撃特化、戦士の華だろ? できれば派手な必殺技が欲しいような……」

「俺のことまで地味言うな。しかし必殺技か」

 

 独自のポリシーもあって武器もブースターも持たず、攻撃術式の1つも習得していないアギにとって確かに必殺技は縁のない話だ。

 

 だからと言って彼も憧れがないわけではない。

 

「風森の姫さんの使う《旋風剣・疾風突き》とか、《昇華斬》は派手だよな」

「《昇華斬》の方は特にね。あれポピラとの合体攻撃みたいなものだし余計」

 

 皇帝竜さえ1撃で気化させる《旋風の剣士》の奥義。『スーパーモード』発動時のみに使用可能だなんて、条件付きの必殺技はなんとなくカッコいい。

 

「そうだ。《高熱化》が使えるなら応用してこんなのはどう?」

「何? ……成程な。そういうことなら……」

 

 リュガと2人、ユーマはアギを置いてこそこそ話し込む。

 

 

「……つーかお前ら。リュガの秘密兵器って、何だったんだよ」

 

 

 結局秘密のままである。

 

 +++

 

 

「『アギ戦記』って、何話くらいの話っすか?」

 

「全12話、あと8話で完結というのが予定らしいけど、わからないわね。『アギ戦記』では生徒会の勢力争いも関わってくるから。アーシェリーさんの他、意外な人物が登場するかも」

 

「報道部からも新キャラが登場するっすよ! オリビー達の登場もあるかも。本編が楽しみっすね」

 

「そうね。《歌姫》を守る《盾》のエピソード、本編をお楽しみください」

 

 

 カンペ:それで。カットされた話へのコメントは?

 

 

「……あー。リュガ先輩もどんどん秘密兵器使って、頑張って欲しいっす」

 

「……そうね」

 

 

 

 

「《リーズ学園だより》はこれからも更新されていく予定っす」

 

「それでは次回の更新でまたお会いしましょう」

 

「パーソナリティーはオリビーと先輩でした。さよならー」

 

 

 

 

 

 

 

 

「遂に。生徒会の書記さんも名前が公開されたわ」

 

「そうっすけど……先輩?」

 

「いつか私にも……名前が付く日が!」

 

「先輩……」

 

 +++

 

読み返す人がいるかわかりませんけど、バックナンバーは活動報告に記載しています。

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