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第4話 屋敷

 ガキに取り付いた俺はその格差に腸が煮えくりかえりそうだった。

 人間と鬼が和解して、しかも鬼が世襲制だと。

 何の冗談だ。ならば鬼になった俺はなんだ。


「滅ぼせ」


 俺はガキに言い聞かせる。

 人間は滅ぼせ。

 この狂った世界を滅ぼせ。

 そして事が起こった。


「大君。話があります」


「どうした息子よ」


「鬼がなぜ人と繋がりを持つのですか」


「鬼族の繁栄のためだ」


「鬼はそんな存在ではない」


「若いな。わしもそうだった。時期に慣れる。務めを果たせ」


「はい大君。オレは務めを果たします。この狂った鬼を是正するために」


「何を」


 飛び散る血しぶき。それをガキが飲み干す。

 素晴らしい力だ。

 だがこれは人間だ。力はあっても鬼ではない。

 人間が鬼を束ねていたというのか。

 鬼こそが飼われていたというのか。


 その事実に到達した俺達は頸木から解放され存分に人を食った。

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