沖縄そば
しいなここみ食堂主催『麺類短編料理企画』の参加料理です。
沖縄そば
1
7月の後半の土曜日。
私は隣の市の夏祭りに昼過ぎに出かけた。
この夏祭り。
商店街が様々に飾られ、いわゆる広場の盆踊りの祭りとは規模が違う。
まぁ、全国的に有名な祭りと比べれば、些細なものだが。
徒歩で隣の市まで行き、到着しころには汗だく。
色とりどりに飾られた商店街に入り、行きかう人々をかわしながら、とりあえず屋台で売られているビール(500円の生)でのどをうるおし、体を冷やす。
まず一つの目的である、近辺の酒造の日本酒2セット(1瓶300ml)を一際広い会場で買う。
「高っ! 1800円かよ。前はずっと1500円だったぞ」
昨今の物価高に私は心の中で唸った。
この場所で、コップ1杯の日本酒を頼み、ちびちび飲んでサッと退出する。
そして、目的地の店へ向かう。毎年行っている店だ。
2
「どうぞー! おいしいですよー!」
バイトの若い女の子が店の前で声を張り上げている。
「あの~、中に入りたいんですけど」
「はいっ! 1名様ですね。1名様入りまーす!」
私は店の前のテーブルに置かれた料理に目もくれず、店の中に入りカウンターに座る。
ふぅ、冷房が効いている。
ここは沖縄居酒屋だ。
この夏祭り中は店前で出店もやっている。
店内に流れる、沖縄音楽のBGMが、冷房と共に、外の異常な暑さでクタクタに疲れた私に、心地よさを降り注ぐ。
3
「はい、いらっしゃい!」
店長。彼は沖縄出身だ。人懐っこい笑顔で挨拶する。
「何かお決まりでしょうか?」
「オリオンビール。あと海ぶどうお願いします」
程なくして、缶のオリオンビールと器に入った海ぶどうが出された。
海ぶどうって、沖縄の人たちはあまり食べない、と聞いたのだが、店長は出店の様々な料理を作るのに忙しく、この質問を私は今まで出来ずにいた。
「え~と。泡盛で何かオススメありますか? あと、とうがらしギョーザお願いします」
泡盛は詳しくない。
こういうのは専門に聞くべきだ。
カウンターの前に泡盛の瓶がずらっと並んでいる。
店長の奥さまが、その中から一つ取り出す。
「これでいいですか? ロックですか?」
「はい、それでお願いします。ロックで」
どうでもいいが、店長の奥さま。めっちゃ美人。
以前、隣に座ってた人と「あのマスター、どうやってあんな美人と結婚できたんですかね?」と失礼なことを語り合ったことがある。
4
ビールも泡盛も料理も平らげ、私は次のオススメの泡盛を美人の奥さまに聞く。
二杯目のロックの泡盛。
たまらん!
「ゴーヤチャンプルーお願いします」
次の料理を頼み、それまでに二杯目の泡盛が空になった。
ペース速いな私。
「さんぴん茶割りお願いします」
さすがにロックで三杯目を飲んだら、ヤバいので、お茶割りに切り替える。
5
お茶割りを追加しつつ、ゴーヤチャンプルーを食べ終った私は、最後の締めに沖縄そばを頼んだ。
沖縄そば。
何とも不思議な麺料理だ。
トッピングされている、沖縄かまぼこをまず一口ガブリ。
そば、といってもそば粉ではない。
小麦粉なので、うどんに近いのだが、スープはあっさりとしてぬるい。
熱々は沖縄ではだめなのか?
まぁ、夏場の本州はある意味、海風が心地よさそうな沖縄より多分暑いと思うので、このぬるいスープはありがたい。
ホ○エモンさんが言ってたっけ。(確か)
「沖縄そばっておいしくしようとする考えがないよね」
そんなわけで、ホリ○モンさんは自らプロデュースした沖縄そばを出したらしい。
ふぅ~ん、どうなんだろう、食べてみたいな、と思いながら、沖縄そばを完食して、私はお会計をして店を出た。
「ごちそうさま~!」
沖縄そば満足。
沖縄居酒屋で飲んだら、締めは沖縄そばだよね!(沖縄の人が飲んだら、そうなのかは知らないけど)
うむむ……。
やはり泡盛2杯は効いてるな。
私は千鳥足で、購入した日本酒セットを持ち帰り、先ず風呂に入り、あがってからPCを起動して、ブクマしている作品を読みながら、300mlの日本酒2セットを飲み干して就寝。
この日のまとめ。
生ビール(300mlくらい?)、日本酒(小さいコップ1杯)、オリオンビール(350ml)、泡盛(300mlのグラスロックで2杯)、お茶割り(300mlのグラスで多分3杯くらい)、帰宅して風呂上りに先ず缶ビール(350ml)、寝る前までなろうを読みながら日本酒(300mlを2つ)。
てか、麺の話をしろおぉぉぉ!
沖縄そば 了
お食べいただきありがとうございました。
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