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政治経済エッセイ

【食糧による日本の対米従属】キッシンジャー氏死去 テレビが語らない“影の功績”

作者: 中将

筆者:

 本日はご覧いただきありがとうございます。

 キッシンジャー氏は100歳まで生きられたようですが、

今の僕の目標は120歳まで生きて「生き字引」と言われることですね。



質問者:

(不可能ではないだろうけど非現実的すぎるだろその目標……)


 キッシンジャー氏について日本にどのような影響を与えたのでしょうか?



筆者:

 まずはキッシンジャー氏の経歴を簡単に振り返っていきましょう。


 キッシンジャー氏は1923年生まれで、その年に日本では関東大震災、虎ノ門事件、第二次山本権兵衛内閣退陣などと言ったことが起きています。


 1968年~1976年には大統領補佐官、国防長官を歴任し、

沖縄返還、中国関与政策、ソ連とのデタント、ベトナム戦争終結に貢献し、1973年にはノーベル平和賞授与、アラブとイスラエルの調停を行う「シャトル外交」などを行いました。

 亡くなる約1か月前にも米中関係の改善訴えるなど親中派です。


 退任後も、10人の大統領に対して外交指南を与えるなど党派を超えてアメリカの50年以上外交に影響を与えていた大人物であると言えます。



質問者:

 ここら辺については一般のメディアでも言われていることですね。



筆者:

 それらの功績については一般のメディアに譲るとして“それ以外”について触れたいと思います。


 まずキッシンジャー氏は90年代に田原総一朗が原爆投下を非難したことに対して、


「広島と長崎に原爆を落とさなければ日本は本土決戦をやるつもりだった。本土決戦で何百万人、あるいは一千万人以上の日本人が亡くなるはずだった。原爆を落とすことでその人数をかなり減らしたんだから、むしろ日本はアメリカに感謝すべきだ」


 などと原爆投下を正当化しています。ここは色々皆さんご意見があると思いますけどね。


 また、1974年の「キッシンジャー・レポート」では世界の環境破壊を防ぐために発展途上国の「人口ピラミッドの是正を図るべきだ」として世界人口抑制について語っています。


 このようにアメリカの利益のためには「他国がどうなってもいい」という極端な考え方なのです。



質問者:

 それは結構強烈な意見ですね……。

本来であればお互いの国がWinwinであるべきだと思います。



筆者:

 僕も全く同意見です。

 自国の利益を第一に考えるにしても、ちょっと“あんまり”なのかなと思ってしまいますね。


 また、キッシンジャー氏は常々、


「石油を支配すれば、全大陸を支配できる。 食糧を支配すれば、人間を支配できる」


 と言うことを口にしていたそうです。

国際食糧市場をコントロールし、食料を兵器に他国の富を事実上支配するという戦略です。

これも「米国第一」に考えた戦略です。


 実際に貿易摩擦が日米間で起きていた1970年代には、1976年のアメリカ議会で通過した対敵通商法で輸入制限をちらつかせたために日本は対米輸出自主規制を受け入れ、続いて1977年に鉄鋼・カラーテレビでもこれに続きました。


 その後アメリカは農産物(米・牛肉・オレンジ)を日本に輸入させるよう強要し、1981年に日本政府と自動車業界は輸出自主規制を受け入れることに合意して日本にアメリカの農作物が増えることになりました。



質問者:

 なるほど、日米の貿易に関して多大な影響を与えたということですね……。


 

筆者:

 データで見てみても、日本の食料自給率は、1970年代では生産額ベースでは80%、カロリーベースでは50%前後を推移していました。

 しかしその後は一気に低下し、令和4年ではどちらも過去最低の生産額ベースで58%、カロリーベースでは38%と深刻な数値となっているのです。


 さらに肥料や飼料においてはアメリカとカナダに大きく依存しており、それらも加味すれば食料自給率は10%前後なのでは無いか? とまで言われているのです。



質問者:

 なるほど、キッシンジャー氏の影響で日本の胃袋を完全に握ったということですか……。



筆者:

 そうなります。


 更に日本は牛乳などの食料が生産しすぎで余った際に海外の輸入を減らさず、自国農家が生産したのを廃棄したり生産調整をするということを平然とやってのけます。


 これも「アメリカ様の輸入枠を減らすわけにはいかない」と言うことなのでしょうね。



質問者:

 本来なら輸入量を減らす方向に行きますよね……。



筆者:

 本当に歪んでいると思います。

 こうした事実上の日本の対米従属の状況を生み出しているのがこの「食糧自給率問題」と言えるわけなのです。


 先日、オスプレイが鹿児島県の屋久島空港付近に墜落しましたが、政府公式発表では「不時着水」に訂正になっています。


 オスプレイはデータ上「墜落事故が少ない」と言われているのですが、こうして「墜落は消されている」のです。

 恐らくはアメリカから海外へのオスプレイの売り上げに影響が出るために「忖度した」と僕は見ています。


 1人死亡7人行方不明(12月1日現在)の大惨事でありながら「墜落でもない」とする。そして、米地位協定は改訂は検討もされないようです。



質問者:

 あまりにも「言いなり」ですね……。

 これも農産物や飼料などを輸入が止められたら終わりだからと言うことですか……。



筆者:

 食糧安全保障について根本から見直すべきでしょう。


 戦後のアメリカの対米従属をせざるを得ない“根本原因”ともいえる方が亡くなった。

 この今こそ食料安全保障について考えていく必要があると思います。


 アメリカも今は「世界の警察」を諦めて“対等な同盟関係”を望む声が出てきています。


 かといって日本は昆虫食や合成肉、ゲノム編集と言ったこれまでのデータからも人体にどのような影響を与えるのか不透明な食品について推進しているのは疑問があります。


 例えば、ゲノム編集をして筋肉量を増やしたサケでは繁殖能力が低下し、細胞のなかのミトコンドリアが減ることから体は大きいモノの栄養価は少ないと言った食材となってしまっています。


 

質問者:

 今ある生産能力を強化したほうが効率的な気がしますよね……。

 怪しい食品については“いざと言うとき”だけだと思いますから……。



筆者:

 このように食糧安全保障は怪しいわけですが、「対米従属」状況からすぐに脱却できない以上は国民個人で“有事”に備える必要があります。


 特にイスラエルとパレスチナの紛争を機に原油価格が上昇し物価に悪い影響を与える可能性があります。

 

 また、“台湾有事“が起きた際には全く物資が日本に入ってこない可能性すらもあります。


 こういった有事に備えて日本国民は備蓄と、余裕があるのであれば家庭菜園をする必要があるように感じます。



質問者:

 それは常々筆者さんがおっしゃっていることですよね……。



筆者:

 備蓄はお米や缶詰などです。賞味期限が近くなったなら「ローリングストック」などで入れ替えていくと普段からどのような調理をすればいいか分かります。


 ちなみに何を家庭菜園で植えたらいいのか分からない……と言う方は芋をお勧めします。

 春過ぎから秋にかけて収穫準備がかかりますが、なんと「葉っぱ」も茹でれば食べることができます。

 味はサツマイモの葉っぱでしたら、ホウレンソウみたいな感じですね。


 主食としての代用だけでなく緑黄色野菜のような扱いもできるので一石二鳥です。

 葉っぱは8月から11月ぐらいまで食べられました。

 プランターではちょっと厳しいかもしれませんが、庭で空きがある方は4月末ぐらいから植えてみると良いでしょうね。



質問者:

 野菜と主食を兼ねることができるだなんて凄いですね……。



筆者:

 プランターだと葉物野菜が良いですかね。僕は無農薬でやっているので虫に食べられちゃいますけど、安全・安心だと思って食べている感じですね。



質問者:

 市場の野菜は綺麗な分、農薬が本当に気になりますからね……。



筆者:

 せっかく手間をかけるのですからなるべく安全な食品を作りたいところですね。


 ということで、ここまでご覧いただきありがとうございました。

 時事ネタや、政治・経済、マスコミの問題などについて独自の視点でエッセイを度々書いております。


 よろしければこれからもご覧ください。

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[気になる点] プーチン大統領が弔意を示した事がニュースになっていましたが、心の内はどのようなものなのか…… 米ソ冷戦時代以前、ベトナム戦争から米国の政治に深く関わった人ですから、今ある米国はキッシン…
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