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4、たのしいお仕事

 私の名前は藤山、一般的な社会人男性だ。少し周りと違う所を挙げるすると夢日記をつけてるってことくらいかな。ちなみに今日は、会社にクレームに来たお客さんを相手にしていたら午後の勤務時間が終わっていた。私の机の上には処理されていない大量の書類…今から処理するのかぁ…

 というわけでいつも通り午後11時頃に帰宅し諸所の生活上の用事を済ませ布団に潜り込む、どうか楽しい夢が見れますように…お願いします。




就寝



 会社の指示で胡散臭い宗教団体の視察に向かうことになった。なんでも画期的なアイデアを売り込みたいと会社に連絡があったそうだ。だったらそっちが会社に来るのが道理というか筋と私は思うが、上司からの指示でしぶしぶ連絡をしてきた宗教団体の施設へ向かう。

 伝えられていた住所まで車を走らせる、特筆すべきもない一般的な住宅にたどり着いた。インターホンを押して事情を説明すると、すぐに玄関の扉を開けて白装束を着たあからさまに怪しい男に家の中へ招かれる。リビングと思われる部屋のソファーで座って待つように指示を受けたため、おとなしく指示に従い座って待つが、白装束姿の男を見て今更ながら身の危険を感じ始める、変な所に来てしまった無事に自分は帰ることができるだろうかと考えていると座っていたソファーが様相外に座り心地がよく眠気を感じた次には寝てしまっていた。

 目が覚めると畳の上で寝ていた、周りを見る、先ほどまでの部屋の内装は白色の壁に床はフローリングだったはずであったが、扉は障子とふすま、床は畳となっており見た限り和風な内装になっていた。えっここはどこだ!?いつの間に移動した!?と混乱していると突然障子戸が開き、先ほどの白装束の男が部屋に入り、私を見つめる、やだこんな白装束の男に見つめられたくない…

 「お待たせしましたお客さん、今から宗主のもとへご案内します」

と説明したうえで、私の腕を無造作に掴み引っ張る、やめろ!と叫んだ…はずだったが、気が付くと私は白装束の男の後ろを歩いていた。

 いったい何が起きた!?抵抗したはずなのに!?もう訳が分からない…宗教か?宗教による何らかの力か?と思考を巡らせさらに混乱、しかし、逃げたら何をされるか分からない恐怖から白装束の男から逃げる、という選択肢が取ることができず、とりあえず案内されるまま男の後ろをついていく、そのうちさきほど寝ていた部屋の倍以上の広さの部屋へ案内される、部屋はふすまで区切られていて、ふすまの先はまた別の部屋につながっているように思えた。

 「宗主様へご拝謁してください」

白装束の男が私の隣に座り耳元でささやきかける、いやー別にそこまでされなくても、とは言えず黙ってうなずくと、どこからともなく太鼓の音が鳴り始め部屋を区切っていたふすまが音もなく開かれる、奥には何者かが座っているが、男と同じ白装束を着ているように見えるがどれだけ注視しようとしても姿がぼやけてよく見えない、そのため性別もよくわからない、どうにかしてよく見えないものだろうかと目を細めていると、隣に座っていた白装束の男が突然、

 「宗主様聞いてください!ついに私は発明をしたのです!」

大声を出し私にではなく前方に座る宗主と思われる人物に説明を始めた、…おかしいな私はアイデアの売り込みについて話を聞きに来たはずなのに、白装束の男は私が理解できない意味不明な話を熱を込めて話し始める、

 「これにより、天晴の恵みが活性化されさらなる躍進につながるのです」

もう、本当に意味が分からない、帰りたいというか帰らせろ、と思うがやっぱり口に出すことはできず私は延々と続く白装束の男が話す内容に耳を傾けることなく座っていた。


 もう疲れた、どれだけ話を聞いていたか分からないが、午前中に会社を出たはずなのに辺りはすっかり暗くなっていた、行きに使った車が無くなっており、所在を確認するも白装束の男は、

 「すでに会社に返しました、歩いて帰ってください」

の一点張りで何を話しかけても、

 「すでに会社に返しました、歩いて帰ってください」

としか言わない、お前はRPGのモブキャラか!と思ったが、仕方がないので歩いて帰ることにした。玄関扉を開けると明らかに最初車で来た時と景色が変わっていた。来たときは辺りは閑静な住宅街であったが、周りは山に囲まれていることが暗い中でもわかるくらい山深かった。えぇ…ここから歩いて帰るの…とは思うが私は特に気にすることなく会社へ戻るため歩き出す。

 しばらく歩いていると、いつのまにか片側一車線の道路右側を進んでいた、周りを歩きながら確認すると進路右前方に道の駅のような施設があったが明かりは点いていなかった、私は道路を横断するため進路左前方に設置されていた横断歩道を渡るが、丁度横断歩道の真ん中、つまり車道の中央でパトカーのサイレンと赤色灯が自分が進んできた道の後方から迫ってきているのを感じた。パトカー事体は視認していないが間もなくこの道を通過するだろうことが予想できた、私は足早に残りの横断歩道を歩き渡ろうとするも……足が動かない!?うんともすんとも全く両足が動かない、近づく赤色灯とだんだん大きくなるサイレン、やばいやばいやばい、と内心私はあせりまくった。どうにか車道から出なくては、そうだ、足が動かないなら這って行けばいいと思い立ち、その場で這いつくばり両腕つかい何とか路外に脱出した。はぁー助かった。私は助かったんだ…





起床



 目覚めた私は一番に思った。どうして夢の中でも仕事をしなくてはいけないのだろうか、夢の中で仕事をしたところで時間外手当など一切出ない、まぁ何か生産している訳でもなければ会社に貢献しているわけでもないので当たり前だが…せめて楽しい夢が見たい…憂鬱な気持ちになりながら私は出勤するため寝床から抜け出した。


和室空間の内装は昔観光した厳島神社の内装によく似ていました。

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