22、たのしいお買い物2
作者ですが生きています。忙しい時期も過ぎ去ったのでぼちぼち投稿していこうと思います。見てくれている人がいるかどうかわかりませんが、見てくれている方にあっては暇つぶし程度にご活用ください。
昨日の自分を殴らずにはいられない藤山です。昨日の私が今日の私に残務処理を押し付けた結果、今日の仕事終わりが午前様になってしまった…もう少し片付けていけよ自分…というわけで普段通り会社の仮眠室で寝ることとなったわけである。
就寝
本日は買い物に出かけてみた。特にあれを買おう、とか、これが欲しいなという分けもなく実家付近を散歩がてら歩いていると、以前まで100円ショップが営業していた場所がよく分からない店に変わっていた。店の外観は真っ黄色の塗装が施されており、100円ショップが元気に営業していた時と変わらないが店名が、
「lkjだdlkjdflkdf」
となっており読めない、意味も分からないが私はとりあえず、男は度胸なんでも試してみるもんさと思い、そのよく分からない店に入ってみた。
店舗内は入り口から店内全体を見渡すことができるくらい遮るものはなく、商品棚は壁側に置かれ広々とした空間となっていた。店内を見渡すと、
【高級品取り扱い場所】
なる吊り看板が目に入ったことから、そちらの方に行くと、なるほど、化粧品やら時計やら一見して高級そうなものがショーケースの中に仰々しく収められており、値段も安くて数万、高いものだと百万と値札が付いている物もあった。
これでは100円ショップではなく100万円ショップじゃねーかと内心思いながらも店内を見て回っていると、先ほどとは別の吊り看板があり、
【外来魚専門釣り堀】
とやけに達筆な字で書かれていた。ウインドショッピングも飽きてきたころだし覗いてみようと思い看板の指し示す方へ向かうと25mプールくらいの大きさの釣り堀があった。受付に髪はぼさぼさ、髭は生え放題の山賊みたいな店員らしき男がいたことから、
「ここはどんな魚を釣ることができるのですか」
と尋ねると店員と思われる男は、頭をかきながら面倒くさそうに、
「今日は南米原産のタイロンギンブラーサが目玉ですかね」
「そうですか」
と答えたものの聞いたことのない魚だ、南米原産って言われると外来魚感は非常にするがどんな魚なのだろうか、私は店員に聞いてみようとするも、どうやら先に釣り堀で釣っていた客から呼ばれたらしく、店員の男は出て行ってしまった。釣り客を見ているとなんか銀色の細長い魚を釣っているのは確認できたが、それが件のタイロンギンブラーサかどうかは分からない、店員も忙しそうだし私もなんかよく分からない魚は釣る気にもならなかったので釣り堀を後にした。
とりあえず私はせっかく入店したのだから何か買っていこうかと思い、比較的実用的で値段の安い何かしらの物を探し店内をうろつくが、置いてある商品は大体が万単位の物ばかりで買う気にならない。数十分ほど回っても特にほしい物は見当たらないので店を後にしようとしたところ、出入り口付近に卓球台くらいの大きさのかごが設置されており、そこには、
【特価】
と書かれた紙が貼りつけられていた。興味をそそられ中身を確認すると数百円ほどの小物が雑多に詰め込まれており、このかごの中だけ以前の100円ショップを思わせるラインナップとなっていた。私は思いつくがままプラスチック製のタッパーを三つほど手に持ち会計カウンターへ向かった。丁度小銭が手元になく一万円札で会計を支払ったが、何故かお釣りをもらえない、
「お釣りがあるはずなんですが」
「店舗入り口の看板をご覧ください」
「いや…そうではなくて300円の物を一万円札で支払ったのでお釣りを…」
「店舗入り口の看板をご覧ください」
対応した店員は壊れたラジオのごとく同じことしか言わない、まったくなんて店だと胸中穏やかではなかったが店員の言う、店舗入り口の看板を確認すると、
~お釣りは社会福祉に寄付するのでお返しいたしません~
と書いてあった。
看板を確認した私は購入したタッパーを小脇に店舗を後にした。もちろん二度とこの店に来ることはないだろうが、そんなことはどうでもいい。とにかく私は近くの交番へこの店の蛮行を伝えるため歩き出した。
起床
ちゅんちゅん、とスズメが機嫌でもいいのか鳴いている、ちなみに私の機嫌は悪い。仮眠用のベッドから出て、給湯室で顔を洗い歯を磨く、ボーとする意識の中ふいに、そういえば最近、食べ物以外を買いに店に行ったことがないことを思い出した。次の休日にでもウインドショッピングにでも行ってみるのもいいかもしれない、まぁ次の休日がいつになるのかは分からないのだが。
・私の実家近くには、元100円ショップの隣に釣り堀がある場所があるのですが、夢の中では完全に一体型になっています。
・さすがにお釣りは返してほしかった…九千円も…ひどい