15、たのしいクラブ入会
皆様いかがお過ごしでしょうか、私の名前は藤山、経済活動を支える社会の歯車の一端を担っていると思われる成人男性である。今日は珍しく電車で通勤し、今も電車で帰宅をしている最中だ。別に車が壊れたわけではない、ちょっと…あれだ…調子が悪くなってエンジンがかからなくなっただけだと思い込むことにしている。さて、今度の休日はいつだろうか、それに合わせてディーラーに修理を依頼しなくては…ガタンゴトンと揺れる乗り慣れていない電車に揺られ私は帰宅する。
就寝
今日は出勤日なのか休日なのかよく分からないが、私は東京に来ていた。あてもなくあたりをうろついていると、あることを急に思い出した。そういうば私は今日、会社の先輩に呼び出しを受け東京まで来ていたことを、そして、東京発でしか目的の場所にいけない、と先輩から事前に説明を受けていたのだった。
私はすぐに近くの地下鉄に乗り込み、その後、別路線に乗り換えて、田舎、田舎へと進んでいく、終点までたどり着き今度はバスに乗り換える。そしてバスも終点まで乗った後、しばらく道を山に向かって歩き、麓に設置されたケーブルカーに乗る。
ケーブルカーの行先は、山の中腹付近の開けた場所だった。山を背に大学のような白色の建物がいくつかあり、ケーブルカーが到着した駅の向かいに今回私が目指していた場所があった。
【発射!エアガンクラブ】
デカデカと掲げられた看板が入り口付近に設置されており、入り口まで行くと自動扉が開いたので中へ入る、中にはたくさんの人がいたが、そのすべてが会社で見たことのあるような人で中には知り合いも数人混じっている。
受付カウンターに目をやると、今回ここへ誘ってくれた会社の先輩が雑誌を読みながら座っていた。声を掛ける、
「おぉ、よくきたね」
「はい、えっちらほっちら来ました」
「じゃあ、このクラブの説明をするからちょっとそこの席に座って待っててよ」
先輩が指さす方に設置されていた椅子に座り一息つく、改めて建物の中を見ると結構広いし掃除もこまめにされているのか清潔感もあるように感じた。さらに窓ガラスがいい感じに取り付けられ、外からの光が取り込まれ建物は内は非常に明るかった。
ふと、建物内の一角に目を向ける、そこには子供が遊ぶような…例えるならデパート等で親が買い物している間、子供を遊ばせておくような場所が設置されていたが、そこで遊ぶ子供の姿は無い、かわりに何故かランドセルがいくつか転がっていた。一般的な黒や赤色のものから金色のド派手なものもあった。いくつか眺めて見た中で私のお気に入りは、通常の赤色よりも燃えるような赤、
通称:真田色
と呼ばれる色のランドセルが気に入った。私自身この色名についてはよくわからないが、真田と言えば赤色と言うのは何となく想像できるし、ランドセルの表面にも大きく「真田」と書いてあるので間違いないだろう、そんなことを考えていると会社の先輩が何やら紙媒体の資料を手に持ってやって来た。
クラブの詳細について会社の先輩から説明を受ける、曰く、
・クラブに対する入会は基本会社の人間に限る
・入会後は最悪一週間に一回はクラブに顔を出す必要がある
・ちなみに土日祝日は休み
と説明を受け後、私は適当に話を流すと先輩に一言、
「検討したうえで入会する時は後日お話します」
そう言って、私は【発射!エアガンクラブ】を後にした。
私はケーブルカーを下りながら考える。そもそも東京の山奥に週一で行くことが不可能だ。私が住んでいる場所から新幹線を使っても東京まで二時間程かかるし、車で行けばそれ以上時間がかかることは言うまでもない、また、土日祝日休みとなると平日は仕事だ、仕事終わりに行くなんて言うのは肉体的にも精神的にも正直不可能だ。
バスに乗り換え駅へ向かう、揺られながら一つ疑問に思った。そういえば、あの場所には私の会社の知り合いもそれなりに居たし、何より会社の先輩がいた…彼ら彼女等はどうやって会社の仕事をしながらクラブの規約を守るため週一で通っているのだろうか…考えれば考えるほど疑問は深まるばかりであった。
起床
クラブの入会は無理だな。起床後私は朝食を食べながら今朝の夢について考える、そして、夢の中でも考えていたことだが、先輩や他の会社の人はどうやって通っているのかを考えるも、やはり答えは思いつかない、まぁ所詮は夢の中でのお話だと結論付けた私は、徒歩で近くの駅へ向かった。
・特に話に関係はありませんが、基本この夢日記は休日に作成していますが…休みが…
・【発射!エアガンクラブ】について入り口付近の看板に記載がありましたが、実は建物にもしっかりと記載がありました




