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13、たのしい引っ越し

 私の名前は藤山、一般的な労働にいそしむ会社員である。本日も常々いつも通り仕事を終え午前0時に帰宅した。さすがにこの時間となると、さっさと寝たいが明日のというか今日の朝の準備等、やらなければならないことがたくさんあるのが独身のつらい所だ。あー早く眠りたい……





就寝


 私は学生であった。しかし先日、無事卒業したことから現在は学生ではない。現在は私は寮の自室から引っ越すための準備に追われている。ちなみに何故かこの引っ越しの指揮を執っているのは私が卒業したこの学校の教師だった。

 「さぁきびきびやるんだよ」

男性教師が激を飛ばす、私は、

 (私自身の引っ越しなのにどうしてこの人いるんだろう)

疑問を抱きつつも、部屋の片づけにいそしむ、しばらくすると男性教師が突然、

 「どうしてこうなったか覚えているか?」

と質問をしてきた。私はこの男性教師に対して何かをした記憶はない、何らかの原因がある、ということは男性教師の口調から読み取れたが…それなりに考えるがまったく思い当たる節が無い。

しびれを切らしたのか男性教師が口を開く、

 「覚えていないのか?ならば思い出させてやる!」

男性教師がそう言うやいなや、突如空間が歪みまばゆい光が私を照らし、包んだ、不思議と眩しくなかった。

 気が付くと私の部屋だったが雰囲気が違う、現在私の部屋は引っ越しのため少々物が雑多に置かれているが、家具や物の配置等から私が学生生活を行っていたころの部屋だと思われた。

 「ここでは無い、ついてこい」

先ほどと変わらぬ位置に立っていた男性教師はそう言うと、部屋から出ていく、私もなんとなく男性教師の後をついていくことにした。

 男性教師は寮内の廊下を歩いている、私も後に続く、

 「今から君の引っ越しを私が監督することになった原因を見せてやろう」

こちらを見ることなく、私に言葉を投げつける。私はいろいろ質問するが、男性教師は一切答えることもなければ振り向こうともしない。

 しばらくすると男子寮を出て、男子寮の向かいの建物へ男性教師は入っていく、私も後に続こうとしたが、ふと思い出し立ち止まる。

 (この先は確か女子寮だ)

女子寮は男子進入禁止の場所と入学時に言われており、入ろうものならよっぽどの事情が無い限り退学処分となると説明を受けていた。

 (ここから先にはいっちゃだめだ)

男性教師の後に続くことをあきらめた私は、すでに女子寮に入っていき姿が見えなくなった男性教師に何故か申し訳なさを感じながらも、自室へ戻ろうときびすを返そうとしたところ、

 (あきらめるな、逃げることは許さん)

どこからともなく声が聞こえ、気が付いたときにはどこかの部屋の前に居た。驚きながらも周りを確認すると私が入居している寮とまったく同じ構造だが、壁紙に色が若干違うように思えた。

 (君が二年前にやったことを思い出すがいい)

いつの間にか私の横に立っていた男性教師が目の前の部屋の扉を開けた。

 あけ放たれた扉から見えたものは、滅茶苦茶散らかり切ったお部屋…汚部屋が広がっていた。その中に女生徒が一人立っており、そして、私が女性の隣に立っていた。しかし、目の前にいる私と女生徒はよく見ると体が薄い、ような透けているように見えた。透けた私は女生徒に何かを言っているようだ、女生徒は私の言葉を黙って聞いている。

 どれくらい時間がたったのかわからないが、部屋の中の光景を見つめていた時間は男性教師が部屋の扉を閉めたことにより終了した。

 「彼女は【彗星賞】をもつ生徒だ、そんな彼女に君は物申した…それが原因だ」

怒りの形相で私に説明をする男性教師を見ながら、私は扉の向こうの部屋の中が何故か気になってしょうがなかった。



起床



 眠く、だるい体を布団から起こす。立ち上がり洗面台で歯磨きをしながら、今日の夢を思い返す。まず、私はそもそも寮生活をしたことが無い、ましてや女子寮へ忍び込んだり、何らかの理由で行ったこともまったくない。夢ってのはよく分らんが不思議だなぁと思いつつ、私は歯磨きを終え、スーツに着替えようとした。


 


・男性教師については全く見たことが無い人でした。

・ちなみに女生徒も知り合い等ではなく、まったく知らない人でした。

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