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12、たのしいインタビュー

 皆様方お疲れ様です。私の名前は藤山、一般的な中小企業戦士を生業としている。

 今日は、天気も良く、空は青空、とても気持ちいの良い一日だと思う、仕事さえなければ……本日は例年通り社長の朝礼が屋外の会社敷地内で行われた。電話対応等の社員のみを建屋の中に残し、他の社員はそれぞれ順番に並び整列していく、そして始まる社長の朝礼……

 という感じで今日は朝からさいあk(ryとても大変な一日だった。久々に酒でも飲んで寝るとしよう。




就寝



 私は〇〇社の記者をしている本日は、あるアメリカ人男性にインタビューするため〇〇県は端っこの山奥までまでやってきた。インターホンを押し待っていると、玄関扉を開け、一見して30代アメリカ人男性が出てきた。

 男性に案内され応接間でソファーに座り、木製の机を挟んで向かい合うが、男性はすぐに立ち上がるとキッチンでコーヒーを入れる、私はその間に今回のインタビュー内容について手持ちのメモを確認する。しばらくすると男性がコーヒーを片手に戻っくる、机の上にコーヒーを置くと男性は再度ソファーに座りなおす、私は男性が座りコーヒーを一口飲むのを確認するとインタビューを開始した。

 「どーも、初めまして私は〇〇社の記者の藤山といいます」

同時に懐から名刺を取り出し、向かいに座る男性の目の前に置く、男性は何も言わず名刺を見た後、私を見つめた。

 「何を聞きに来られたのですか」

 「あなたの過去についてです」

男性は顔をしかめるが私は続ける、

 「どうして、あんなことをしたのですか」

私の言葉から少しの沈黙が流れる、男性は顔を応接間の東にある窓の方に顔を向けると、

 「私は、私の中にある正義を貫いただけ……そこに後悔は一切ない」

再びこちらに顔を戻すと男性はコーヒーを一口飲み目を伏せる。

 私はこの男性が何をしたのか知っている、そのことが起きる前まで彼はヒーローと呼ばれていた。危険な現場があればどこからともなく颯爽と現れ、ある時は火災で炎上する建物に飛び込み中に取り残された人々を無傷で救い出し、またある時はテロリストに占拠された銀行に単身乗り込み人質を無傷で救い出したうえ、テロリストを残らず捕縛したこともあった。その他にもいろいろな功績を残してきた彼は、周りから自然とヒーローと呼ばれ人々から称賛されていた。しかし、数年前…

 そのころには彼が現れればマスメディアが押し寄せ、テレビ中継が行われるようになっていた。そんな中、彼は電車に轢かれる寸前のところで女子高生を勇猛果敢に救い出した。しかし、その後、その女子高生は彼を法に訴えたのだ、彼女は彼に助け出された際、様々な侮辱の言葉を浴びせかけられ、そのうえで彼が性的な欲求を満たすために体を触ったと申し立てをしたのだ。世間は笑った、彼が、ヒーローがそんなことをするはずがないと、しかし、彼はそのことについて、

 「訴えを行った女性が言ったことはすべて本当だ」

とメディアの前で言い切った。周りの人間はそんなことはありえないと彼を擁護しようとしたが、その後に行われた裁判でも彼は全面的に女性の証言を認め、刑事罰的に罰金を支払い、また、女性に対しては多額の慰謝料を払うこととなった。ここまで来た時、周りで彼を擁護していた人々は手のひらを返したかのように今度は彼を責め立て、その流れを受け世間やメディアも彼の敵となった。その結果、彼は今、誰も来ない山奥の小屋に1人静かに暮らすこととなった。

 「どうして…あなた、あの時」

私はこの言葉から先を続けたかった、しかし、私が言葉を発したと同時に男性がこちらを強く見つめてきたため、これ以上の言葉を発することができなかった。

 「私は私の中の正義、君たちが言う所のヒーローという物に従っただけだ」

 「それでも私はあなたがそんなことにをするように思えない」

 「君がそう考えているのならばそうなんだろう、しかし、真実は必ずしも一つではない」

男性の言葉に私が次に出す言葉を失ってしまった。男性はコーヒーを飲み切ると席を立とうとした、その時、私は自然に言葉が出てきた、

 「私はあなたのことを忘れない、あなたがヒーローであったということも…」

続けて言葉を出そうとするが、急に喉奥がねばついたような感覚に襲われる、喋ろうにも言葉が発せない、私はかすれたような、もしくは言葉になっていないかもしれないが、何とか言葉を発する、

 「そして、ヒーローで無くなったあなたのことも絶対に忘れない!」

まだ言いたいことがある、しかし、今度は息が吸えない、伝えなくては私の思いをどうしても、

 「だって、あなたは私のヒーローだったから」

最後は言葉として発せていたのかは分からない、もしかしたら口パクになっていたかもしれないが、私は気持ち的には言いたいことが言えたと思っていたためとても満足をしていた。男性は私が伝えたいことを話し始めてから動きを止め、先ほどと同じく強く私を見つめていたが、私が話し終わると口元緩めにこやかに笑った。

 「あははははははは、あはははは」

男性はひとしきり大声で笑った後、私へにこやかに微笑みながら、

 「ありがとう」

と言ってくれた。彼はそこから唐突に、

 「私の名前はマイケル、もしよかったら友達になってくれないか?」

私はその言葉がとてもうれしく、その言葉に返答をしようとしたところ、突然横から、

 「カルピスロックで」

声が聞こえたことから横に顔を向けると、私の中学校時代の友人がいつの間にか私が座っているソファの横に表れていた。友人は不機嫌そうな顔をしながら、

 「聞こえなかったの?カルピスロックで」

と意味不明な申し立てをした。



起床



 なんで出てきたアイツ……布団で横になった状態で目を開けた私は、突如現れ、どうでもいいことを言い始めた友人を思い出し腹が立った。なんかあのまま友人が出なければとても目覚めがよさそうな、感動的な夢が見られたように思えたからだ。

 私は布団から出ると携帯を手にし、友人にメッセージを送った。

 【なんで出てきた】

と。



 

・ちなみに友人からの返答は「俺参上!」と某平成ラ〇ダー的な回答が来ました。

・あと、目覚めは非常に悪かったです。

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