10、たのしい友達
私の名前は藤山、先日珍しく休めた土日を大雪で潰された哀れな男である。今日は特に可もなく不可もなく一日が過ぎていった……しかし、今日は冷え込む、頭の先からつま先までキンキンに冷えてしまいそうだ。こんな日はさっさと風呂に入って寝よう
就寝
私は何故か野球の試合に参加している、気が付くといつの間にか打順が回ってきた。ピッチャーが構え、ボールを投げた、狙いを定めて、ボールを打った。ボールは予想よりも長距離をライト線へ飛んでいく、一塁、二塁、を走り抜け、ヘッドスライディングで三塁へ滑り込んだ。野球服についた土を払い落としていると、三塁コーチ兼母親を名乗る人物が、
「今日は寒かろう、こいつを使うといい」
と、どこからともなく石油ストーブを出現させた。私は三塁で待機中、石油ストーブを点火させる、
(あたたかい…)
※石油ストーブがどうやって動いたのか、原理は不明
布団の中で目が覚める、見回すとここは私の自室だと分かった。窓の外から子供とドラ〇もんが遊ぶ声が聞こえる、窓から身を乗り出しドラ〇もんを呼ぶと、遠くの方から、ドラ〇もんと異形の姿をした宇宙人が一緒にやってきた。私は何のためらいもなく窓から飛び降り、二人と合流し公園へ向かった。
公園では鬼ごっこをして遊んでいた、鬼役になった私は逃げ回るドラ〇もんの背中をタッチして鬼を交代したところ、振り返ったドラ〇もんが、
身長:180cm
国籍:アメリカ人
言語:片言の日本語
と書かれた、よくゲーム等でみる薄青色のステータスプレートがドラ〇もんの右上の空中に突如出現した。内容を確認後、ドラ〇もんに目を向けると、先ほどまでドラ〇もんだった者は、プレートの説明通り、筋肉もりもりマッチョマンの高身長白人のアメリカ人になっていた。
鬼ごっこをやめて、レンガを積んで家を作ろうということになった。ひたすら茶色のレンガを積んでいく、その間、ドラ〇もんだった者は延々と独り言をつぶやく、曰く、
「昔は野球ばかりしていた、もちろん今も野球をしている、しかし、野球はだめだ、野球は…」
全部は聞き取れなかったが、とにかく野球に関してひたすらつぶやいていた。
大体一時間が経過したくらいに一緒にレンガを積んでいた宇宙人が突然、
「帰らなければ!叱られる!」
と慌てだした、私の横でレンガを積んでいたドラ〇もんだった者が、
「まだ大丈夫、行けるって!野球を信じるんだ」
と説得するも、宇宙人は突如、空中に浮かぶと、
「帰る」
その言葉と共に、空の彼方へ消えていってしまった。私たちが積んでいたレンガも一緒に空へ飛んで行ってしまい、後には何も残らなかった。
起床
なんだこの夢は、私は布団から体を起こし一番に思った。ストーブの下りは分からないでもない、確かに昨日も今も結構寒い、しかし、何故出てきたドラ〇もん!挙句途中から外国人に替わったし…知り合いに外国人の友達なんかいないのになぁ…まぁとにかく仕事へ行かねば、そう思い私は顔を洗いに洗面台へ向かった。
・ドラ〇もんの声はのぶ代さんでした。
・外国人は某携帯会社のドラ〇もん役の人でした。