1、たのしいお買い物
夢を見続ける&時間がある限りぼちぼちやっていきます。
私の名前は藤山、
20代男性、独身、特に夢や希望もない
といった一般的な人間である。
趣味は就寝時に見た夢を記録すること。誰かに見せたりすることもなく、一人でメモ帳にペン書きをして後で振り返って確認する。すると意外と面白い、さて、今日はどんな荒唐無稽な夢を見ることができるのだろうか。
私は大型商業施設にいた。内装からしておそらくジャスコ、いや、今は確かイオンだったかな…
そんなことを考えつつ私は、手に持っていたメモを確認する。これには、ここで買う物について忘れないように自宅で書いてきたものだ。
・レザー装備一式(皮装備)
何に使うためなのか思い出せないが、私は自身が身に着けるレザー装備を買いに来ていたのだった。危うく忘れてしまうところであった。さて、確かレザー装備の取扱店は2階にあったはずだ。私は確信を持ってエスカレーターで2階に向かい店を探す。
あった、ようやく見つけた。探すのに20分ほどかかってしまった。店舗の出入口扉から入り、店長に声を掛ける。
「店長、やってるかい?」
「何が欲しいんだ」
ここの店長は、黒髪天然パーマ、眉毛が太く濃いが腕は確かだ。私は迷わずレザー装備一式を注文する。
「分かった、明日までに用意をしておく」
その言葉を聞いた私は満足し店を後にした。
後日、私がレザー装備一式を購入するため、店舗のあった場所に行くと、
店が無くなっていた
突然の事に驚き、店内のインフォメーションセンターにレザー装備取り扱い店の場所を尋ねる。センターの女性はにこやかに微笑みながら、
「現在、レザー装備店は店内を移動しながら営業中です、運が良ければ出会えるかもしれません」
と説明を受けた。
これは困った、私は「運」という点については全く自信が無い、うーん本当に困った。私がうなっている姿を憐れんでくれたのか、センターの女性が、
「一応、お時間さえあれば本日は午前10時30分から被服売り場で営業しているはずですよ」
と説明してくれた。
私は別に時間がないわけではなかったので、それならばと近くのベンチに腰を下ろし、スマートフォンでニュースを確認する。特に興味を引くようなニュースは見当たらな…
ニュース速報!波照間島でガ○ラ捕獲、 その一部始終
興味を引くニュースが見当たった。記事を読み進める…
ふと気がつくと、丁度レザー装備の店が被服売り場にいる時間に差し迫っていた。遅れてまだどこかへいなくなっても困る。私は駆け足でイオンモール内の被服売り場へ向かった。
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
けたたましくなるアラーム
うーん、眠い、また面白おかしい夢を見た。私は、けたたましく鳴るケータイのアラームを止め、そそくさと、夢の中で繰り広げられたことをメモ帳に記載する。あらためて文章にしてみると、荒唐無稽というか、意味不明でよくわからない。何故、私はレザー装備を購入しようとしたのか、購入して何をしようとしたのか、振り返れば振り返るほど意味が分からない。まあ、それ以前に夢に意味を求めること事体が何の意味もない。私は、今日見た夢について一通り書き終えた後、朝食を済ませて仕事の準備を始めた。
店長の容姿は、ゲーム「学校であった怖い話」に登場する黒木先生にそっくりでした。