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《ノベハン》  作者: ジンベエ
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その5

  イベント当日、僕は一人で午前八時に会場にやって来た。そこで並んで待つ事二時間、午前十時に会場入りが始まった。会場に入った僕は早速販売ブースの方に行って、無事に依頼されたグッズ全てを、手に入れる事が出来た。そうなったらもうここには用がない。これからイベントが始まるにしても、正直僕には興味がないので、約二十分間滞在した後、僕は早々と会場から出て行った。

 それから二時間後、僕はとあるカフェに向かった。そのカフェに到着して中に入ると、すでにセキさんが座っているのに気が付いた。今からセキさんに会って、依頼されたグッズを渡すのであった。この時僕に見えた光景は、セキさんの後ろ姿だったので、セキさんは到着した僕に気づいていなかった。僕はカフェのスタッフにコーヒーを注文した後、セキさんがいるテーブル席に向かった。


城間「お疲れ様です。待ちましたか?」


 僕がそう声をかけてきた事で、セキさんは気づいて僕の方を見て、軽く微笑んで答えた。


小関「よぉ、お疲れさん。まぁ待つ事には慣れてるからな。」


 そして僕はセキさんの前に座った。


城間「稽古は?」

小関「やってるよ。今は休憩中だ。この後もしっかりある。」

城間「そうですか、あと一週間後ですもんね。」


 それを聞いたセキさんもコーヒーを注文していて、そのコーヒーを一口飲んだ後、本題について尋ねてきた。


小関「で、どうだった?会場は。」

城間「ええ。意外と客は来ていましたね。八時入りしましたけど、

   その時もう五十人くらいは並んでいましたから。その後も続々と来ましたね。」

小関「そうか。・・・意外と熱いイベントだったんだな。」


 セキさんがそう言った時にコールがあったので、僕は立ち上がってコーヒーを受け取りに行った。そしてコーヒーを持って僕は同じ席に戻った。僕がコーヒーに口を付けた時、セキさんが呟いた。


小関「まぁグッズが手に入れば、後はどうでもいい。じゃあ貰おうか。」


 そう言われて僕はコーヒーをテーブルに置いて、持ってきたカバンから依頼されたグッズ全てを、セキさんに渡した。セキさんはそのグッズを一つ一つ確かめながら言った。


小関「・・・うん、間違いない。これだ。」


 ちなみにチラシも手に入れる事が出来た。 


小関「おおっ、チラシもか?・・・三枚もいらないぜ。」

城間「サービスです。」

小関「・・・そうか。まぁ良いだろうな。」


 そう言ってセキさんは笑った。僕もニンマリ微笑んだ。そしてセキさんは自身が持ってきた、カバンの中にグッズを全部入れ込んだ。この時僕は再びコーヒーを飲んだ。


城間「後はよろしくです。ギャラも早急に。」

小関「わかった。それと、今後のイベントについて、何か情報は?」

城間「今のところは無いですね。みんなは?」


 そう答えるとセキさんもコーヒーを飲んで、その後答えた。


小関「この時期シークレットの情報が、出回っているようだから、その情報も集めている。

   シロちゃんも頼むよ。」

城間「そうですか、わかりました。」


 そしてセキさんはコーヒーを飲みほした後、徐に立ち上がって僕に告げた。


小関「じゃあまた。今日はありがとさん。」


 そう言ってセキさんは席を外して、店から出て行った。僕はしばらくここで時間を潰した。その時ふと思った。


城間『・・・そうだな。自分も情報を集めなきゃな。』


 ただ単に依頼を待ち受けたり、みんなの依頼を引き受けたりするのではなく、自分もイベントの情報を探して集めて、そして自らのSNSに投稿して、発信しないとそうそう依頼は来ないのだ。これを始めて二年になるが、僕にもそれなりの固定客はいる。そうして依頼にかかれば、それを《ノベハン》のみんなと共有して、更に依頼が増えていく。たくさんの依頼を受ける事は喜ばしい事だが、でもそれぞれ予定や仕事がある訳で、本職やプライベートを無視してまではできない。けど今の僕は、他の人の依頼を引き受けているだけなので、もう少し発信できればなと思っている。そして《ノベハン》のみんなと共有する事ができれば・・・。ちなみにこの共有はルールの一つになっている。

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