六月二十三日・その二
【注意】
この作品は途中から読んでも全くわからないほど複雑です。
総集編から読むか、第一話から読まないと何一つわからないと思うのでご注意ください
私たちは神野家を後にし、割と近くにある私の家へ夜道を徒歩で行きます。
一般的にはこういうところで手を繋いじゃうところですが、神野さんに限ってはまず有り得ませんね。
わたしは彼の後ろを三歩下がって静かについていきますが、何やら急に口を開くのでわたしはびっくりしてしまいました。
夜道は不安なので、気を張っていたところだったものですから。
「四宮イザナの事だけど」
「はい、なんでしょう?」
「しばらく考えていた事がある。僕は、いや前世の僕は結婚したことを後悔しただろうね」
「なんですか急に?」
「彼女が病院に居た理由。毎週のように通院している妹が彼女とつい先日初めて会った意味。
そして前世の僕の家族達。すべてわかったよ。全て理解した。
やっぱりそうだったか。うん、想像と大きくは違わなかったな」
「えっ。あれだけの情報でですか」
いやいやいや。頭がいいのは結構ですが、言ってる事が異次元過ぎます。
理解できません。やっぱりあれですね。
頭のいい人はモテるらしいですが、ある一定以上を超えると常人には理解できない生き物のようになっちゃうんですかね?
今の神野さんはただ不気味です。
「確証がない以上、このことは胸のうちにしまっておく。
今までの僕は君を守るとか、鳰と僕の邪魔をする奴を消すとか言ってた。
なにか、そういうことばかり考えていた気がする。
誰かのため、と言いつつ全て自分のためだったんだ。
これから行う事も、自分のためだ。僕にはやるべき事が出来た」
「だから突然何を言い出すんですか神野さん?
一体、四宮さんが病院に来たからって何がそんなまずいんです?」
「今まで、考えてみればそのヒントはあった。
今までの捜査は無駄じゃなかった。真実の断片はそこかしこに落ちていた。
それを拾い集めたなら、必ず僕と同じ結論に達するはずだ」
「はい……?」
「何故、四宮イザナは実の妹とつい先日まで会わなかったか」
「どのみち妹になるからと思ってるんじゃないですか?」
「何故、四宮イザナはそれまで病院にいることさえ知られてなかったか」
「どうしてでしょうね……あまり頻繁には来ないんでしょうか」
「何故、僕の子が生まれてこないよう、誰かが運命を操っているのか」
「呪いの一族を根絶やしにしようとしているんでしょうかね……?」
「何故、イザナは子供のことを詳細に話したがらないか。彼女の性格なら自慢として聞かせそうなものを」
「言われてみれば聞いたことありませんね。子供の自慢、確かにしそうです。
娘のこともあまり……二人の子供だったら絶対可愛くなるはずですよね」
「何故、僕と彼女では前世の記憶に差があるのか」
「さあ……?」
「何故、僕を操る人物とイザナに記憶を与えた人物は対立するのか」
「根絶やしにしてやるって人と、一族を存続させたい人の対立でしょう、ほぼ間違いありません」
「何故、僕を操ったのと同じ奴がイザナのことも操る事が出来たか」
「ルールはよくわかりませんよ実際……」
「何故、彼女に記憶を与えて操った人間が僕には一切干渉しないか。
すべてを一つに繋ぐ結論はある。それでもまだ謎が一つあるけど……」
「謎とは?」
「……ただ、この世界の真実に僕が気づいたって事だけは、間違いなく確信する」
「いい加減にしてください。早く結論を出してくださいよ!」
焦らしてくるのは好きじゃありません。私は短気なのです。
「僕が今述べた疑問をすべて解決する結論が一つだけある」
「それは?」
「口止め……されている。わからないと思うけど今、僕の頭の中で彼の声が聞こえるんだ。
今はその時じゃない。いずれ佐々木さんに直接真実を見せるからって」
「真実……?」
「気にしないでくれ。それより話でもしよう。君もクイズ好きだったよね。
まだ問題はあるから。香港映画の大スターとかけまして、大人気少年漫画雑誌とときます、その心は?」
「えっ、難しくないですか」
「君に楽しんでもらうには相当難しくしないとね」
「そうですか……」
「ちなみに君にはどう見ても専門外の香港映画と漫画雑誌のコラボレーションだからね。
その点は少し意地悪をしてみたよ」
「よし……望むところです」
わたしは、ややあって答えを出しました。なかなか歯ごたえのある問題です。
「こたえは、どちらもJCです!」
「正解。よく正解出来たね?」
「どちらも名前だけは知ってるんですよ、だからイケました」
「じゃあ最終問題。これは本当に難しいだろうね。果たして君に答えられるか疑問だ。
そう、甚だ疑問だ。君に限って正解は出来ないだろう」
「何ですかもう! いい加減にしないと怒りますよ?」
私は珍しくイラッとして神野さんの肩をドつきましたが、神野さんは笑ってごまかします。
この人いっつも頭をかくか、笑ってごまかしてばかりですね。
「炭酸飲料とかけまして、佐々木瞳ととく、その心は?」
「わ、私……?」
「ま、考えといて。僕はちょっと相手をしなきゃな」
しかし答を考えるのは後にしといたほうが良さそうでした。
闇夜に黒塗りの車が現れ、神野さんに捕捉されたのを見るや、車を停めて、隠れる気もありません。
「車に反応して僕があっちへ向かう……というところで伏兵が君を捕らえ、人質にする。
それが敵の勝ち筋だな……迂闊に離れられない、か。
瞳。今すぐお父さんに連絡だ。僕から絶対に離れるな」
さすがに神野さんは私を守るためのシミュレーションは済ませているようで、私たちが負けるルートを私に教えてくれました。
私はすぐさま神野さんの左手をつかんで背中に密着します。
「さて。僕の不意をつけなかった以上出て来て戦うしかないぞ?」
タイヤがパンクする音が聞こえました。神野さんの能力は刃を飛ばすことだと聞いています。
目にも見えない速さでタイヤが切断されたという事ですか。
もっと残念なことに今は夜。彼の武器は黒色。相手にはどうしようもないほど有利です。
神野さんは私の手を引いたまま無造作に助手席の窓をノックしました。
すると中からは若い男の二人組、運転席の男は少し年長で助手席の男は若いです。
スーツ姿。一目で堅気でないことはわかりました。
あ、もちろんそれは後で確認したことで当時の私には見えませんでしたが。
「どうしたのかな坊や。迷子かい?」
若い男の方は結構にこやかに接して来ます。
「手っ取り早く聞きますね。あんたらのボスはどこですか?」
神野さんの方も爽やかでにこやかに接します。
「あちゃー、先輩やっぱりバレてんじゃん!」
「さすがはあの男の息子と言ったところか」
二人はすぐに車を降り、これ見よがしに神野さんに銃を突きつけます。
「坊や会長の息子なんだってね。そんな子がこんなところに居たなんて」
か、会長って誰ですか。ああ。もうわかりきっています。
四宮結さんの夫でしょう。この人が、会長というのは、たしかにその通りですね。
「僕に銃は効かない事を知らないのか?」
「いや、お嬢ちゃん誘拐犯は俺らの下っ端だからよく知ってる。
でもな。俺の能力はお前の意識を刈り取る」
「なに? さっさと始末するべきだったか」
「もう遅い。俺の呼気は周囲の人間の意識を無差別に痺れさせる」
神野さんの体に力が入らなくなった事が聞き取れました。
呼吸が出来ず、激痛が走っているのか、呻きながら倒れ込んでしまいました。
私はどうすべきか迷いに迷いました。
後ずさって逃げるべきか。ここにとどまるべきか。
「苦痛だろ。割とすぐ耐性がついちゃうのが難点だがな。
まあ二、三時間もあれば事は足りる……」
「頭が……割れる!」
どうしたんでしょうか。神野さんはなにか、毒とは別の痛みに苦しんでいるように見えます。
とにかく私は、神野さんを引っ張ってここから離脱することを決断しました。
私と神野さん、どっちが欠けても意味はありません。
私だけ逃げてもすぐ捕まるだけです。必ず二人で逃げなくては。
意外と筋肉質で体重の重い神野さんですが、私は自分で思ったより力が強いみたいです。
起こした神野さんに肩を貸しました。
「殺す……殺す……いけ……にえ……を……」
「何言ってるんですかもう! 逃げますよ!?」
「天国に……天国に行かなくては……」
「行っちゃダメですよまだ!」
私は神野さんの不可解すぎるうわごとには気を払わずに歩き始めますが、そんなものは亀の歩みのように遅く、簡単に捕まりました。
「おいおいおい、逃げられると思ってんのかよ」
「天下の警視庁も無能の集まりだな。お嬢ちゃんは確保した……」
大柄な男に私は肩を掴まれ、身は硬直して、神野さんすら離してしまいました。
彼の体が地面へと呆気なく落下して鈍い音を立て、そして次の瞬間。
神野さんの手が地面に拳を突き立てると、まるで操り人形のように体が持ち上がっていきます。
「効力は最低三時間は持つってお前言っただろ!?」
「知らないですって! なんで起きれるのか見当も……」
と男達が会話をしている間に男の車がまず四つに切断されました。
男の悲鳴が上がります。こんなのは神野さんのやり方ではないように思えます。
もっとスマートで、静かに全て終わらせるのが彼の美意識だったんじゃないでしょうか。
しかも医者の息子だから絶対に人は殺さないと言ってたはず。
言っている間に私の肩を掴んでいた男も餌食になっていました。
どろりとした質感の白濁したピンク色の体液が足首の切断面から流れ出して止まりません。
中心には意外なほど真っ白な骨とピンク色の筋が通っていて、これが足を支える腱だと私も知っています。
治るんでしょうか。などと心配している時間はなさそうですね。
「神野さん、もういいでしょう。ここは早く逃げましょう」
肩をゆすっても反応が全然ありません。様子がおかしいです。
神野さんは全く耳を貸さず、全ての戦闘能力を失った男達に歩み寄ります。
そして止めを刺そうと構えます。
間違いなくそのつもりだとわかった私は全速力で走ってその前に回り込みました。
「何でこんなこと!? 死んじゃいますよ!」
「に……に……え……」
「え……神野さん、どうしたんです!?」
「い……いけ……にえ……」
「またそれですか! 一体誰に捧げるんですか!?
「天国……」
「一体何をーー」
何故か、突然私は重力によって落下し、後頭部を道路に打ってしまいました。
熱のような痛みに悲鳴をあげようとしても何故か声がでません。
何も見えません。でも声だけは聞こえます。神野さんの声です。
「申し訳ない、佐々木さん。もう少し持ちこたえてくれよ!」
佐々木さん? 神野さんは慣れなれしく瞳と呼び捨てじゃないですか。
それが当たり前の仲だったではないですか。一体どうなってるんでしょうか。
次の瞬間私の疑問は吹っ飛びました。視線を上下させると何か落ちてます。
血濡れの誰かのちぎれた死体が内臓を無造作に放り出して転がっています。
ああ。そうです。これは私の体です。
横隔膜を失い、呼吸の一切が止まった私は、存外冷静にこう考えました。
《おかしい。何故私の体が見えるのだろう。私の目は過去に囚われ、現在は見えないはずなのに》
「くそ、予定外だった……」
神野さんの声。一体何が予定外だったのでしょうか。
私を切断したことは予定外だったとでも言うのでしょうか。
そんなことを考えているうち、猛烈に眠たくなってきた私は睡魔にあらがう事が出来ず、ゆっくり鉄扉のように目を閉じ、暗闇に沈んでいきました。
次に目が覚めたときは、私は神野さんのすぐ後ろにいました。
頭の痛みは消え、どうも体は元に戻っているようです。二人とも。
「夢だったんでしょうか……」
声が出ています。しかし、神野さんは私に何の反応もありません。
神野さんの前へ回り込んで見ても何の反応もなく、俯いて泣いているだけです。
「どういうことだ。なんでだ……携帯も繋がらない。
こんな……血痕……誰だよ? 誰が瞳を連れていったっていうんだ?」
神野さんには私が見えていない事が明らかでした。
《死んだら幽霊になるって、あれ本当だったんですね?
今の今まで信じていませんでしたが、こうなってくると信じざるを得ません!》
などと考えていると、神野さんの携帯電話に電話がかかってきて、父からでした。
「もしもし本部長! 申し訳ありません。瞳さんがいないんです!」
「その件で電話した。発信機の反応が消えた。瞳の携帯電話が重度に破損したと思われる。
敵も賢い。発信機の可能性を考えた可能性が高いな」
「……現況を報告します。刺客二人を行動不能にしました。
気づいたときには道路に血痕。瞳さんの姿はありませんでした」
「意識をどうこうする能力を喰らったのかもしれんな。
今、君を責めても何の解決にもならない。
やれるべきことを全てやってからだ、いいな?」
「肝に銘じておきます、本部長閣下!」
神野さんに記憶はないようです。恐らく意識がなかったのは毒にやられた時点くらいからでしょうか?
電話を切ると神野さんは早速行動を起こしました。
倒れて一部始終を見ていた刺客の男達に歩み寄っていきます。
「おい! 女の子をどこへやった!? 答えろ!」
ああ。神野さん。それだけは聞いてはダメな質問です。
私の祈りは空しく、刺客の男は涙ながらに訴えます。
「俺らじゃねえ! 信じてくれ! 違うんだ、見ろそこの血痕!」
「血痕が何だっていうんだ!?」
「明らかに人間の致死量じゃねぇか! あれを丸腰の女の子が一人でやったと思うか!?」
「そ、それは……」
神野さんは後ろを振り返り、私の体内から溢れ出た血液を一瞬振り返り、目を逸らしました。
夜の闇に濡れて光るアスファルトの上の血痕と血の海。
これを私が、他人を傷つけて流させたのだとするのは、非常に苦しいです。
であるならば、明らかにどうみてもこれは私が流した血です。私が刺客を返り討ちにしたものであるはずがありません。
「信じてくれ! あんたが女の子を殺して黒い煙みたいなものの中に吸い込んだんだ!
なんだかわからないが……とにかくそのあと女の子は消えてたんだ!」
「ふざけるな、嘘をつくな、いい加減にしないとお前ら本当に殺すぞ!?」
神野さんはそう言いながらも表情が段々と怒りから悲しみに移り変わって行きました。
私がどうなったかを納得したようです。
人間は一度納得するともうその考えを考えることは非常に難しいです。
ほとんど不可能と言っていいでしょう。神野さんは頭を抱え、涙を頬からぽたぽたと膝の上に滴らせながら男達に懇願していました。
「嘘だろ……嘘だと言ってくれ。なあ、お前らの仲間なんだろ!?」
「嘘じゃねえ! 俺達はこの目で確かめたんだ!」
「なあお前……何者なんだよ。本当に人間なのか……化け物なんじゃねぇのか……」
「その角……まるで……悪魔……」
そう言われて顔を上げた神野さんは、見たこともないほど冷たい目で足元の男を見下ろしました。
途端に怯えて、男は命乞いを始める始末です。
「何でも言うよ! 何でもするからな、ほら早まるなって……」
神野さんは男の懐から銃を奪うと、男の顔に向けます。
しかし殺す事はありませんでした。代わりに、自分のこめかみに銃口を押し付け、目を閉じました。
「これで……わかったよ。俺は人間じゃない。人間とは生きられない。
もうわかった。全部わかったよ。もう僕は幸せも名誉も何も望まない。
その代わり……誰かを傷つける事はもうやめてくれ、頼むから」
遺言を聞かせ、神野さんは引き金を引きました。
けたたましい銃声が夜中の住宅街に響き渡り、薬莢が空しく落ちて転がる鈴に似た音が続きました。
もちろん、神野さんは無傷です。神野さんはついに我慢の限界に来て、手で顔を被うと力任せに拳銃を地面へ投げつけ、吠えました。
「俺を殺せ! もう生きていたってしょうがない!
俺を殺せ! クソ! お前らのせいだ、全部お前らの!」
神野さんは残骸となった車を何度か足で蹴った後、段々冷静になってきたようで、壁に背中をつけて月を静かな目で見つめ始めました。
「瞳……君は……自殺なんて、馬鹿みたいだってきっと言ってくれるだろうね。
もう叶わなくなってしまったけど……あの続きを聞いてみたい……と、僕は……」
あの続き。言うまでもなくあの問題です。私は未だになんと回答したらいいものかわかりません。
神野さんと同じく、私はこれからどうしていいのか途方に暮れてしまいます。
座り込んでしまった神野さんの目の前に立ってみても、何の反応もありません。
手で触れるとすり抜けてしまい、触れる事も、何かを伝える事も出来ません。
「すこしは……僕の気持ちがわかったかな?」
「え!?」
後ろから声をかけられ、振り返ると、全く予想だにしていなかったことに私を確認出来ているとおぼしき少年がいました。
いえ、少年と言ったのは、声が若干低くて一人称が僕だからというだけで、外見だけで言えば髪は長く、細面で色白で、女の子のようでした。
私と身長は同じくらい。百六〇センチあるかないか、です。
十三歳とか、十四歳くらい? すこし年下のように見えます。
「佐々木さんは僕が何なのかわかるよね?」
「運命の支配者ですね?」
「そんな大袈裟なもんじゃないよ。敵も多いし、僕にはそれほどの力はない」
「私を助けてくれたんですか? 私は元に戻れるんでしょうか……」
「この状況でそんなことを言えるとは佐々木さんらしいね。
普通は私を殺しやがって、と怒るんじゃないかな」
「まあそうですけど、私はちゃんとあなたの声が聞こえていましたから」
「……間に合ってよかった。僕には時間がないんだ」
時間がないとはどういうことか、私には微塵もわかりませんし、説明する気もなさそうです。
「何故です? あ、あと早く戻してください」
「戻してって言われても……残念だけどルールなんだ。
入口から入り込んだら出口から出る。それがルールだ」
「でも鳰さんは神野さんに吸い込まれて神野さんのそばに出てきたらしいですよ?」
「もう知ってると思うけど、神野春雪の出す黒い煙は異空間のトンネルだ。
触れた物質はその場から消滅してしまう。そして出口の方へ行くんだ。
行き来するものは僕が検閲してるから、例えば車を丸ごと消し飛ばして、何も知らない四宮イザナが突然現れた車で圧死してしまう、なんてことは起こらないよ」
「それがルールですか……」
「逆流を防ぐためだ。だから、僕の気分次第では逆流した上、時間を遡ってしまう事も出来る。
佐々木さんはあなたにとっての現在に戻りたい?
それとも、過去に戻りたい?」
「別に人生やり直したいとも、過去に行ってみたいとも思いませんよ」
「そうか。まあいいけど……あの人の運命の人にしてやってもいいよ」
「私が神野さんの運命の人になれるってことですか。
魅力的な提案かもしれませんが、私は誰かを踏み台にしようとは思いませんよ」
「そうか。まあいい。さて……そうと決まれば早速だな。
あんたはこれから見なきゃならないことが山ほどある。
さっき神野春雪の言っていた、すべての結論とやらの答え合わせも出来るだろう」
「全てを結ぶ結論……」
「いってらっしゃい。目覚めた時には元に戻ってるよ」




