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二話目です。よろしくお願いします。

次の日、教室に入る瞬間に町田は違和感を覚えた。


「?」


だけどそれが何か解らなくて、首を傾げつつ自分の席に着く。そして違和感に気付いた。


町田のクラスは生徒数が、男子十五人、女子十五人の計三十人。


机も人数分で余りなど無かった。


町田の席は、窓際の一番後ろ。教室が見渡せる場所だった。


(机が、一つ足りない?)


六個ずつ五列に並んでいたはずの机が、真ん中の列の机が一つ少なく、五個しかない。


思わず立ち上がって教室を見廻し、近くにいたクラスメイトに詰め寄った。


「なぁ!机が一つ足りないけど、誰か転校したのか!?」


詰め寄られた生徒は、町田の勢いに押されながらも、訝しげに答えた。


「何言ってるんだ?元からこの数だろ。お前が来て一つ増えたんだから」


町田は自分でもどうして焦っているのか判らない。だけど焦燥が身体を駆け巡っていた。

ふと、思い立って町田は教室を飛び出し、下駄箱まで駆ける。

自分のクラスに割り当てられている場所を、端から確認していく。

何度か登校してきた生徒と挨拶を交わしながら、下駄箱の扉に貼られた名前を一つずつ確認していくと、その名前が無いことに気づいた。信じたくなくて、二度確認したが、やはり無かった。


「嘘だろ…」


町田が、愕然としていると始業のチャイムが鳴り、生徒たちは教室に入っていく。教師も担当の教室へ向かう。


「何やってる?早く教室に入りなさい。どこのクラスだ?」


下駄箱で固まっていた町田に、教材を手に持った教師が声をかけると、町田は青白い顔を教師に向け、何も言わずにフラリとその場に倒れた。


「おいっ!しっかりしろ!」


慌てる教師の声を最後に、町田の意識は遠のいていった。


ありがとうございました〜。

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