最終話「今日のパンツ、明日のパンツ』
あら、ご機嫌よう。
秋風が心地よい清々しい朝ね。
最近ようやく涼しくなってきて、とても安心したわ。
なあに?
わたくしが自室のバルコニーで、日光浴しながら読書をしてはいけないという法律でもあったかしら?
まったく、幽霊でも見るような顔して。
わたくしが宇宙から無事に生還したのが、そんなにも不思議だったかしら。
確かにわたくし、こんがり日焼けしたわね。
でも、その程度なんて思わないで本当に大変だったんだから。
そもそも魔女が大気圏を突破したのっだって偉業なのではないかしら。
大海を越えた魔女だって歴史に名を残しているのに。
教師達のわたくしに対する過小評価についても後で抗議しなくてはいけないわね。
なあに?
そういう事ではないですって。まあそうね。
宇宙空間では数種類の防護魔法を多重で使用しなければならないし、移動中も禁書の項目を読み漁らなきゃだし、とても重労働だったのは確かね。
禁書がなければ、生還することも無かったでしょう。
なあに?
そもそも禁書なんて使わなければ、こんな大事にはならなかったですって?
……確かにあなたの言う通り、それが正論ね。
全てはわたくしの弱さが招いたこと。
そして、その代償をわたくしは払った。
太陽フレアに捕まって防護魔法が綻んだときは流石にもう死ぬと思ったし、学長の霊体に導かれるまま太陽系の中心を目指したのは流石に正気の沙汰ではない。剥き出しの太陽光線は人体に有害だもの。
宇宙に出たら出たで可笑しな集団には巻き込まれるし、禁書の作者が次元の彼方から召喚されたりして、本当に大変だったけれど結果、地球の軌道は見事に修正されたわ。
わたくしの知らない人ばかりが全員集合の最終決戦みたいな……がっかりしたかしら?
わたくしの力だけで軌道を修正できたわけではないの。
知らない内に見守られて、知らない内に手を差し伸べられて、知らない内に救われて。
わたくしもまだまだ子供なんだと自覚したわ。
加えて宇宙戦艦や巨大ロボットに助けられた時は流石に思ったわね。
この世界の主人公は、わたくしでは無かったのだと……
それでも良いのよっ!
思い掛けず大人の友人がミリオン単位で出来たり、楓さんのショーツは結局手に入らなかったり、未だに挨拶を交わす程度の仲だったり。
それでも魔法女学園に戻ってこれた。
それが最も大切ではなくて?
こうしてあなたとお茶をして悩みを相談できる。
わたくし還って来れて本当によかったと思っているの。
これからも相談に乗ってもらうことになるけれど、それで宜しかったのよね?
なあに?
ふふっ、おかしなことを言うのね。
これから先、沢山のお友達ができても、あなたはわたくしにとって初めてのお友達。
わたくしも大好きよ。
これからも一緒にいてねっ。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ふとした瞬間にフリエラの純粋さ(アホさ)を思い出して、少しでも笑って頂けたら嬉しく思います。
フリエラはいつでも読者のあなたを待っています、また彼女の相談に乗ってあげて下さい。
次回作は、
『マヨネーズにナニカケル』コメディ
『誘拐された令嬢。いまや虐殺剣聖』恋愛
を予定しております。
後日、活動報告やリンク等でご報告します。
【追記】11/5より連載開始しました。
目次のリンクより、
現在連載中の『アラフォークエスト』もよろしくお願いします。
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