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あの日  作者: 古流
1/12

短い話ですから気楽に読んで下さい。

 電車が轟音を響かせて通過していく。

 鮫島葉子(さめじまようこ)は線路沿いの道を、ひとりで歩いていた。

 夏になりかけの日差しは、薄い雲に吸い取られ、どんよりとした空は葉子の心を映しているようだった。

 木々の梢は、微かな光を煌かせ、きまぐれな風に吹かれている。

 過ぎ去る列車を目で追いながら、父の家に向かう葉子の細い足は、風が吹けば今にもくずれ落ちそうなほど儚く写った。

 すれ違う人々はそんな葉子に、憐憫の表情を浮かべ、道を譲って通り過ぎる。

 この道の先にある父の家までの短い距離が、二十六年間歩み続けてきた全ての距離よりも、葉子は遥かに遠く感じるのだった。


 ここが、父の住む町なのだ。

 葉子の歩みは、今にも止まりそうだった。

 まるで、あの時、父の歩みのように。

短期に集中して連載します。

感想などありましたらどしどしお願いします。

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