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第七話 やりたいこと




  決意を新たにしたところで、時計をみるとまだ時刻が二時だった。今日は食事を用意しないといけないが、流石にまだ早いのでどうするか考えよう。


「お姉ちゃん、これからどうするの?」

「そうですね……アリアも他の子と一緒に探検してくるといいですよ」

「お姉ちゃんは?」

「私はここで色々とやらなければならないことがあるので、アリアだけでいってきてください。この船の中は安全ですしね」

「ここにいるのは駄目なの?」


 不安そうに見上げてくるアリアに、心を鬼にする。


「駄目です。アリアは私に、リディアに依存してきています。本格化する前に他の子ともちゃんと交流してもらいます。なので部屋も別に用意します」

「えっ⁉」

「これは決定です」

「そんなっ!?」

「聞こえません。聞こえません」

「お姉ちゃんっ!」


 耳を塞いで逃げる俺を追ってくる。ちなみに先程いった理由とは別に俺がリディアじゃないとばれた時のことも考えている。後はアリアがいたらできないこともするためだ。一緒にいたらリディアの身体を楽しめない。


「はいはい。話は終わりです」

「あううぅぅ~っ!」


 アリアを追い出してから扉をしっかりとロックする。これで俺以外は艦長室に入ることはできない。


「さて……」


 設置されている椅子に座りながら設置されている鏡をみる。どうみても大きな椅子に小さな女の子がちょこんと座っている感じでしかない。

 まあ、いい。膝を抱えて椅子の上で三角座りをする。スカートから下着がみえるが、一人しかいないのできにしない。

 これからやるのはウロボロスの調査だ。今まで調べたのは武装と機関室、食堂、居住区くらいだ。この艦の大きさから他にも色々とあるはずだ。

 思考をウロボロスに接続し、その深部にあるデータを確認していく。するとやばい映像があった。それは艦内全ての映像があった。そこはトイレやシャワールーム、風呂も例外じゃない。そう、リディアの色々とまずい映像が残っていたのだ。


「……」


 そっとロックをつけて俺以外が見れないようにして、リディアのだけを移しておく。だって、色々と必要だしな、うん。というか、俺の行動は全て録画して後で見直したりしよう。リディアにみせることもできるからだ。いずれこの身体を返すのだから、その時に映像記録があれば便利だ。

 こっちは置いておいて、もう一つ凄いのがみつかった。それは指揮科、航海科、船務科、砲雷科、機関科、主計科、海兵科に人が配置できるということだ。

 これに配置することでそれぞれの科にあった知識や経験、能力に対する補正や経験値を得られるらしい。それにこの船で倒したモンスターの経験値も手に入るのでレベル上げにはもってこいだろう。この世界にレベルが存在するかはしらないが。


「これは便利」


 まずは指揮科を選択。これには艦長、副長、砲術長、水雷長、航海長、会計長、海兵長があった。

 とりあえず、艦長は姫柊薫となっていて副長はリディアになっていた。後は自由に決められるようだ。まあ、ほとんどまだ設定はできませんね。

 複数設定できるので、アリアを海兵長に設定し、戦闘能力をあげる。襲われても大丈夫なようにしておかないといけないからな。メリルは会計長に設定して皆の面倒をみてもらう。他のは後々でいいと思うので適当に会計科に入れておいた。適正検査をしないといけないからだ。


「っと、いい時間か」


 艦長室から外に出て食堂へと向かう。食堂から厨房に入って購入した食材を冷蔵庫と冷凍庫に入れていく。


「さて、なににしましょうか」


 やはり、どうせ作るなら子供達に喜んでもらうものがいい。では、子供が喜ぶ料理とは何か……カレーやハンバーグ、唐揚げ、オムライスくらいか。

 まずカレーはルーもないし香辛料もないからこれは無理。

 ハンバーグはお肉があるし玉葱っぽいのもあるから可能。ナツメグはないけれどいいかもしれない。

 唐揚げは油が足りない。むしろ油は高すぎるので仕方ない。唐揚げは無理。

 オムライスは卵が油と同じく高価なのでもってこれてない。やはり、卵と油は必要だ。


「なら、ハンバーグですね」


 玉葱っぽいのはみじん切りにして炒めてから寝かせる。

 次に大量に買ったなんの肉かはしらないが、斬り刻んでミンチにする。ウロボロスの厨房ならミキサーぐらいあるので、適当に切った肉をミンチに変えた。後は硬いパンもミキサーでパン粉にかえる。卵が……ないので、もうそちらは諦める。

 玉葱とパン粉、ミンチを混ぜる。大量の肉と混ぜる作業は正直、この身体じゃ辛い。ウロボロスからのエネルギー供給をうけてどうにか作業をする。

 しかし、この恰好は料理する服じゃない。エプロンが欲しい。リディアに似合いそうだしな。

 野菜とソースも作ってひたすらハンバーグを焼く。本当に大変な作業だ。一人でやる作業ではない。それでも一生懸命に用意した。



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