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第十九話 






 狼達のことをリュミドラ達に任せ、俺はスノーモービルに乗って海岸まで進む。全力でアクセルを回して速度を出すとすぐに到着した場所とは違うが、砂浜に到着したのでそこから上陸艇を出してスノーモービルを仕舞って沖に出る。

 沖に出てからウロボロスを召喚する。何故か海底から浮上してくる感じで超弩級魔導戦艦が海水を押しのけてでてくる。そのまま艦橋から中に入ってCICに向かう。CICにある艦長席に座りながら指示を出す。


「機関始動。30ノットで微速前進」


 ウロボロスを進ませながら、空軍装備に変更する。白い軍服に装備を変える。変えた理由は簡単だ。


「艦載機、発進」


 上空から戦況を見ながら援護を行う。そう思って発進させたんだが、状況が変わった。空から映像を見る限り、戦力は十分で狼はどんどん撃ち殺されていく。

 水雷科の子達が放つ迫撃砲が狼の軍団を滅ぼす。狼達は怪我や死体が増えると逃げていくので、リュミドラ達はスノーモービルで追撃まででている。


「戦力が過剰過ぎたのですか? まあ、いいでしょう。これで不安がなくなりますしね」


 子供達を置いて買い物にいったりできる。全員を連れて海に出るのはやはり大変だろうから、ある程度の人数を防衛戦力としておいて街に買い出しにいったりするのがベストだろう。というか、俺はやっぱり旅をしたいからな。


「まあ、これでならこちらは予定通りに行動しましょう。爆撃開始」


 狙いは城の隣の近くにある崖だ。そこに爆撃を加えて着弾した場所に重力崩壊を起こさせて陸地を消滅させる。数発放って海の底も消滅させて大きい湾を作る。そこにウロボロスを入れていく。

 一度だけではどうしても入らないで、ぶつけそうになる。なので数度の微調整として四連装機関砲や四連装魚雷で削ってウロボロスが入れるようにした。


『なんとも力尽くですね』

「仕方ないですよ、リディア。港は絶対に必要ですから」

『そうなんですよね。近くにないと大変ですし……』


 よし、無事に作成完了。本当はもっとセメントで補強したりと色々としたいけれど、流石に道具がたりない。なのでこんなもんでいいだろう。

 外に出て甲板を歩きながらスロープを伸ばして船の上から降りる。超弩級なだけあって隠すためにはかなり内陸まで消滅させたが、スロープを階段のように配置して登る。

 ゆっくりと登って崩れないか確かめる。崩れることはなさそうだからそのまま進む。


「お姉ちゃん、こっち」

「アリア、皆は無事ですか?」

「うん。大丈夫だよ。今はみんなで狼の死体を集めてるの」

「売り物になるから?」

「食べるからだよ」

「食べるなら血抜きと腸や胃の抜き取りをしっかりしないと駄目ですよ」

「うん」


 防壁を潜って広場に移動すると広場で妹達が狼の死体を解体している。他にもスノーモービルで死体を引きずって持ってきている子もいる。

 解体した肉や皮は吊るして乾燥させ、骨は干している。俺も手伝って干し肉などを作っていく。





 しばらくして皆を焚火の場所に集めてからこれからの予定を話し合うために全員で集まる。


「さて、これからについてですが……私は近くの街を回ったりもしますが、基本的に旅をしようと思っています。ですが、危険なのでここに……」

「いやっ!」

「一緒がいいっ!」


 幼い子達が俺に抱きついてくる。どうするか試案していると、アリアが立ち上がって皆に声をかける。


「一緒にいきたい人、手を……」

「「「はい!」」」

「一緒が良い」


 全員が手をあげた。これが満場一致という奴のようだ。


『旦那様の負けですね。ウロボロスは大きいですし、皆で住めばいいじゃないですか』

「安全面が……」

「ここにいるよりいいんじゃないかな?」

「そうだそうだー!」

「一緒がいい」

『家族は離れ離れよりも、一ヶ所に固まって居た方が良いですしね』


 どうやら、全員を連れて旅にでるしかないな。まあ、船でいろんな国を皆で観光するのはいいか。問題は船に残して内陸には入れないことと、リディアに変わった時が問題くらいだな。まあ、リディアに変わった時はリュミドラ達も戦えるようになってるし、大丈夫か。

 それにしばらくは拠点を中心に移動する。もともと倉庫としても使うつもりだし、人を雇って警備させるのもありかもしれない。


『そうですね。人を雇うのもいいですね。それと私の時は基本的に街からでないで商売をするようにしましょう』

「じゃあ、皆で一緒にウロボロスで生活しましょう。ただし、危険なこともあるので覚悟してくださいね」

「「「は~い」」」


 とりあえず商人登録して売り物を売ってお金を稼ごう。妹達を養うために色々と頑張らないと。




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