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第十三話 入れ替わり

新年あけましておめでとうございます。これからもよろしくお願い致します。




 精神の治療をしていたけれど、彼女は生き返ることを望んでいないのか起きることがなかった。仕方ないので少し時間をおこう。今の間に吸血鬼にされていた人達の魂を祝福してから輪廻の輪に戻してあげる。これで来世は幸せになれるだろう。

 こんなことをしていると彼女から声が聞こえてきた。


『皆を解放してくれたお礼に私の身体をあげます。好きに使ってください』


 その言葉を告げると彼女の身体が光となって俺の身体の中に入ってくる。スロットに追加されたのかもしれないが、わからない。それでもこの身体はリディアのものなので変身ではない新しい身体は正直に言って嬉しい。

 これでやることはなくなったので、全員を呼んでくる。



 アリアやリュミドラ達と一緒に暖炉のある城の一室に入り、暖をとる。この城は隙間が多いから皆で固まったほうがいい。もっとも、俺は別の部屋を用意して眠るつもりだ。リディアと入れ替わらないといけないからだ。


「皆さん、私は別の部屋で数日眠りにつきます」

「え?」

「少し無茶をしましたからね。その間、メリルさんの指示に従ってください。リュミドラは警備をお願いしますね」

「わかったわ。でも、どうするの?」

「掃除でもしておいてくださればいいです。食料も豊富ですから、寒さ対策はしっかりとしてください。アリアは私の世話をお願いします」

「うん、任せて」

「じゃあ、ボクは周りを確認してくるね」

「はい。では、失礼します」


 アリアだけを連れて隣の部屋に移動する。そこは寝室のようでベッドがある。シーツとかは全てどけて布を引いておく。続いて火を起こして寝転がる。


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫ですよ。それよりも悪いのですが、その……」

「なに? なんでもいって」

「もしかしたら下の世話もお願いするかもしれません。まだどうなるかわからないので」

「うん、大丈夫だよ。それぐらい平気だから」

「お願いしますね」


 寝転がってシフトを発動する。対象はリディアと俺の精神だ。発動したのか、視界が黒く染まっていく―――――






 次に気付いた時は星空の不思議な空間だった。何故か砂時計まである。そして、目の前には男性……俺の身体があった。


「お久しぶりですね」

「そうだな。だけど、これはなんというかしまらないな」


 逆なら駆け寄って抱き着くのだが、俺から抱き着くのはない。


「ではもどしましょう。おそらく触れ合えば大丈夫です」

「わかった」


 しゃがんでくれたリディアと互いの両手を握り合うとすぐに視界が歪み、次の瞬間にはリディアの可愛らしい顔があった。これで元に戻ったようだ。


「これで大丈夫か」

「そうですね」

「しかし、これでまたお別れか」

「そうですね。まだ力が足りないようです」


 抱き着いてきたリディアを抱きしめ、抱き上げる。久しぶりに自分の身体で感じるリディアの感触は素晴らしい。


「まだお預けか」

「私は逃げも隠れもしませんから、大丈夫ですよ。それよりもこれからのことをお話ししましょう」

「そうだな」


 床に座りながらリディアを抱きしめて話し合っていく。


「ウロボロスの改造はどうしましたか?」

「それなら倉庫の拡張をしておいた」

「ありがとうございます。これなら予定通りにできますね」

「未来をよんでいたのか?」

「はい。なので全て問題ありません」

「リディア、未来を読むのはここぞという時だけにしてくれ」

「どうしてですか?」

「身体に負担がかかっているだろう」

「でも……」

「でもじゃない。もうリディアの身体は一人のものじゃない。俺のものでもあるんだからな。わかったか?」

「わかりました……できるかぎり読まないようにします……」


 これで大丈夫だろう。一応リディアの身体は大丈夫だろう。治療はしてあるしな。


「で、これからどうするんだ?」

「今ある城を修理して本拠地として使用します」

「しかし、大丈夫なのか? その戦地みたいだが……」

「薫さんの力があれば大丈夫です」

「それは……」

「必要とあれば滅ぼします。私にとってリディア達が一番大切ですから」


 まあ、海にでてしまえば問題ないだろうしな。問題は物資だな。あそこには色々と足りない物が多い。


「了解。だが、物資はどうする?」

「そこでウロボロスの倉庫がいきてきます。あれはこちらでも使えるので」

「そうか! それならこっちから物資を送れるんだな」

「はい。それで色々と用意してみたんですが、衣類など足りない分をお願いできますか?」

「わかった。そちらは任せてくれ」

「ありがとうございます」

「しかし、今度は逆になるんだな」

「はい。私達は元の身体に戻ります。っと、時間ですね」


 砂時計の砂はすでになく、もうここにはいられないのだろう。俺達の身体は消えかかっている。


「またな」

「はい、また会いましょう旦那様」


 リディアがキスをしてくれたと同時に身体が消えて次の瞬間、俺はどこか知らない部屋にいた。


「知らない天井だな」


 身体を起こしてみるともの凄く身体が痛い。こふっ、と吐血するほどだ。周りをみると大量の箱がある。中身は何処から手に入れたのかはわからない大量の銃器や弾薬が入っている。机もあり、そちらをみると手紙があった。そこにはここはロシアで郊外にある一軒家を借りているようだ。この武器類の出所は人を雇って用意したようだ。

 他に書かれていたのは衣服や食料、道具の用意のお願いだった。必要なのはアウトドア用品やセメントとかか。しかし、ロシアで用意するのはいいが、言葉がわからないな。でも、寒冷地仕様の銃器だと考えたらロシアで手に入れるのがいいだろう。アメリカでもありかもしれないが、服はイメージ的にロシアの方があったかそうだ。

 まあ、まずは試すか。おぞましいことになるかもしれないが、軍服ならまだましだしな。


「転身・オフィス」


 呟くと身体が光って姿が変わっていく……なぜか身体が、視界が低くなっていた。


「は?」


 長い白銀の髪の毛に黒いリボンでツインテールにされている。つまり、あの助けたといえるか微妙な女の子の姿になっていた。鏡で確認すると間違いない。服装はちゃんと軍服になっていたが、この姿で外にでるのはまずいだろう。寒すぎる。

 何かないかと探すと、手紙の後ろに追伸とあってコートなどがしっかりと用意されていた。しかもこの姿にぴったりだ。全てはリディアの小さな掌の上ということだろう。

 まあ、問題ないので着替えて帽子をつけてリボンを外すとどこぞのホムンクルスの魔術少女みたいな姿だ。

 まあ、さっさと用意しよう。空間に穴を空けて倉庫へと接続する。そこに大量の木箱を入れていく。非力なので苦労はするが休み休みやっていく。木箱の中には大量のお金も入っていたのでそれも持っていく。

 全てを入れ終えて移動する。歩いて数時間、街がみえてきた。

 街に入って歩いていると人の話し声が入ってくる。それらは不思議と理解できた。ロシア語のはずなのにだ。もしかしたらあの召喚に翻訳の効果でもあるのかもしれない。どちらにしろこれは都合がいい。

 電車に乗って大きな街に移動してホテルを取る。

 次に大型トラックをチャーターし、女性の運転手とボディーガードを依頼してショッピングモールに移動して爆買いする。女の子のことはわからないので、全て店員に任せる。自分の物以外も様々な年齢の物を購入してトラックに運びこんでもらう。

 服が終わればアウトドア用品の寝袋とかコンロとかを購入し、保存食も大量に買っておく。

 これで欲しいものは手に入れたので、雇った二人は休憩にでてもらって荷物は全て回収する。それからトラックを返してもらって報酬を支払う。

 これで欲しいものは手に入れた。後は男の姿でインスタントセメントなどの道具を買っていく。これはあらかじめ砂が入っていて、水を入れて混ぜるだけのモルタルになるので楽なのだ。

 大量購入して仕舞ってから飛行機で日本へと帰宅する。食料は日本のほうがいいし、これから色々と送らないとな。







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