表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

川上裕樹②

次の日私は学校に来ていた。

「鈴音昨日どうしたのよ。」


「具合悪くて……」


「え、大丈夫!?」


「大丈夫大丈夫」


「ねぇ鈴音」


「ん?」


「昨日鈴音がいない間に決まったんだけど、来週研修旅行だってさ。」


「はぁ!?」


「それの参加の有無の紙渡しとくね」


「ありがと。」

今更だけど、この子は芦原蓮の大ファンの内海杏(うちみあん)


「ねぇねぇ鈴音!!」


「今度はどうしたの。」


「あたしね、好きな人が出来たんだ。

それでね、相談があるんだけど……」

好きな人……かぁ。


「〜ってのはどうかな!?」

来週の研修旅行の時に告白をしたいそう。


「いいんじゃないかな?」


「頑張ってみるね!!」

杏は専門学校に来てから初めて出来た友達。

幸せになってもらいたい。




****



家に帰った後、私は川上さんに電話をした。

『もしもし?』


「あ、芦原です。」


『あ、はい鈴音さんね。』


「来週研修旅行があるらしいんですよ。」


『お、まじすか。』


「それが2泊3日らしくて。」


『ふむふむ、ちょっと待ってて。メモるから』

電話越しでガサガサと物音が聞こえた。


『お待たせ。やっぱりその研修旅行?には行くんでしょ?』


「私あんまり行くきないですけど……」


『せっかくの機会だし行っておいで。いつも仕事ばかりじゃ疲れちゃうよ?』


「それは川上さんも言えることじゃん。」


『僕はそれが仕事だからね。大丈夫だよ。』


「……ばか。」


『うるさいな。じゃあ僕仕事戻るね。』


「うん。頑張って」


『ありがとう。』

電話はほぼ同時に切ったと思う。



****



とうとう研修旅行の前日になってしまった。

いつも通り仕事は入っている。

でも川上さんが気を使って雑誌の撮影のみにしてくれていた。

「お疲れ様。」

車の中で紅茶をもらった。


「ありがとう」


「明日からだよね。研修旅行」


「……うん。」

本当は、行きたくない。


「気を付けてね。怪我してこないでよ?」


「大丈夫だってば。」


「でもあれだよね、旅行ってことは男もいるのか。」

急に何を言い出したと思えば……


「まぁ、共学ですしね」


「……」


「川上さん?」


「何でもないよ〜明日どこ集合?」


「一応学校ですけど…」


「送ってくよ。何時に来ればいい?」


「……じゃあ6時」


「了解。じゃあまた明日ね。」


「はい。」

私は車から降りた。明日も会えるのか。

そんな喜びに満ちていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ