川上裕樹①
「……ん?」
起きると目の前に川上さんがいた。
「か、わかみさん!!?」
「あ、鈴音さんおはよう。」
うっそ、寝顔見られたってこと!?
「お、はよう。」
あー恥ずかしい恥ずかしい!!
「何か飲み物買ってくるけど何飲みたい?」
「……紅茶」
「はーい。行ってくるね。」
川上さんはお財布を持って、事務所を出た。
「はあああ……死にたい……」
寝言で変なこと言ってないといいな…。
しばらくすると戻ってきた。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。」
「はい、どうぞ。」
「ありがと。」
川上さんは……私みたいな子仕事以外に関わりたくないよな……。
「鈴音さん?」
「えっ。」
「どうしたの?考えごと?」
「まぁ、そうですね」
「仕事のこと?」
「……なのかなぁ。」
とりあえず、帰るとするか。
これ以上川上さんに迷惑かけられないし。
「じゃあ私帰りますね」
「送ってくよ。心配だからね。」
「でも……」
「いいのいいの。」
こうして私はいつも通り車に乗った。
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「明日は仕事休みだし学校?」
「そうですね……」
「学校楽しい? 」
「いや……そこまで。」
「僕の前では無理しなくていいからね。」
「うん。」
「じゃあ、気を付けてね。おつかれ。」
「はい、お疲れ様でした。」
私は車から降りてお辞儀をし、マンションの中に入った。