ファーストキス②
さぁもうキスシーンだ。
『……貴方が……好き!』
告白されるシーン……それに対して返事をする……
『俺も好きだよ。』
2人、抱きしめ合うシーン。
この後、キスシーンだ……。
「貴方、キスしたことないでしょ」
相手役の子にぼそっと言われた。
「な、なんでわか……」
「テンパってるからね。私もしたことないけど…
とりあえず私に合わせて。」
「お、おう!」
相手の子がカメラの方に角度でしてるように見せた。
『はいカーット!!OKでーす!おつかれさまでした!!』
これでドラマは完結した。
「……蓮くん、お疲れ様。ありがとうね。」
「こちらこそ…さっきはありがとうございました」
「いいのいいの。私だってファーストキスまだだし♪」
「そうなんですか!?」
「えぇ。まぁ今日はお疲れ様〜」
ステップしながらマネージャーさんの所へ向かった。
私も、川上さんの所へ向かった。
「お疲れ様。とりあえず終わったね。」
「うん」
解散になったため、私は事務所にいた。
「はぁ……川上さんまだ仕事かー…」
川上さんが帰ってくるまで暇だったから私はソファーに寝っ転がった。
そして川上さんが帰ってくるまで、寝ていた。
****
僕が今日の仕事を全部終えて事務所に戻った時、鈴音さんは寝ていた。
「疲れたのかな。……お疲れ様です」
普段は男の子っぽいけど、やっぱり女の子なんだな。
寝顔がかわいい。って何考えてんだ僕!!!
「ん……川上さん……」
なんだ、寝言か。寝言でも呼ばれると恥ずかしいね。
「どしたの。鈴音さん」
「……無理しちゃやーよ……」
僕はそっと頭を撫でた。
「大丈夫だよ。無理なんてしてない。」
「川上さん……き……」
「ん?」
「……………」
その後寝言は言わなかった。なんて言いたかったのかな?
「さて、起きたらいけるように準備だけしておこう。」
荷物をまとめ、僕は鈴音さんの正面のソファーに座った。
「僕も、小篠くんみたいにモテたらなぁ……」