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堀内君が帰った後の部屋で一人。ずるずると壁にもたれながら座りこむ。襲いかかる自己嫌悪の嵐。
「私、なんてことを。」
思い返すとよぎる甘い記憶と小さな痛み。それ以上に私は。傷つけたのだ、傷つけたのだ。
「化粧水の女と同じ・・・。」
自分のしたことが過ちであると認めざるを得ない。流されたのだ、私の本意じゃない、意志じゃないと言いきってしまえるほど罪をどこかに追いやって自己を救えるほど私は鈍感じゃない。
「ごめんなさい。」
誰に向かって謝っているのかもわからない。春花に、堀内君に、私に?
呆然としているような気もする。それ以上に自分の中でたくさんのことが冷えて、冷めていく。
望んでいなかった、と私は言い切ることが出来ない。本当に。
「最低。」
私、最低だ。




