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2014年/短編まとめ

すれ違い愛

作者: 文崎 美生

消えたい。


そう思ったから君の前から姿を消そうとした。


ただそれだけなのに。


こういう時に限って君の動きは何より早い。


「何、俺に何も言わずに行こうとしてんの」


家の扉を開ければ眼前に広がる君の不機嫌そうな顔。


もっと言うならば不機嫌そうを通り越して怒っている。


夢だと言い聞かせ疲れてるだけだと思い込み。


扉を閉めようとすればその間に足が差し込まれ閉じさせようとはしなかった。


それは即ち今が現実であり夢でもなければ疲れからの幻覚でもないと言うこと。


直感的にマズイと思う。


正面突破か部屋に立てこもるか。


または窓やベランダから出ていくべきか。


どちらにせよ追いかけられる。


さて、どうするべきか。


いや。


そもそもなぜ私がこの様な消えるという選択肢を選んでいるのかからが大事なのだ。


彼と出会ったのは三ヶ月ほど前のこと。


本屋でたまたま残り一冊の本を二人同時に買おうとしたことから。


なんとまぁ、ドラマや小説やら少女漫画にありそうな出会いか。


それから何のかんので仲良くなって…主にお互い読書好きというところからだが。


そしてお付き合い。


スピードに乗ったから出会って一ヶ月もしないで付き合った。


そして今月で三ヶ月目を迎えた訳で。


それから私は彼の前から消えるという選択肢を見出したのである。


完結的に言ってしまえば彼が嫌味のようにモテるから。


私以上の女の子なんて世の中山ほどいる。


彼は大して勉強もしてないくせに首席を取るわ部活の掛け持ちにスケット。


そのうえ猫被りも出来ていい子ちゃんを演じられる。


逆に私はというとモテない。


と言うか初めての彼氏だし。


頭がずば抜けていいわけでもない。


スポーツもどちらかといえば不得意だ。


釣り合うわけもなくなぜ付き合っているのか疑問に思うほどだ。


そして消えるという選択肢を与えるに十分な出来事。


記念日に疎い上に何か最近連絡くれないし会ってくれないし。


なのに他の女の子とイチャついてるみたいでね。


ならば私は消えるべき。


話し合う意味などない。


ということで消えるという選択肢を選びましたよ。


だというのに。


今になって彼は私の元へ来てしまった。


タイミングがいいのか悪いのか。

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