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ずっと一緒だよ!!

 その後、しばらくプールを掃除をしていると、プールの窓の方から、誰かがこちら側を覗く様に見ている人がいる事に、蘭はブラシで床を磨いている時に気づいた。


その為、蘭は一旦掃除を止めて、その窓の方を見てみた。


すると、そこには先日までの文化祭までの期間の間、一緒にシンクロの練習をしていた安奈がいた。


「あらっ? 安奈ちゃんじゃないの」


「やっと気づいたか」


プールサイドから話しかける蘭に対し、安奈はプールの窓に両腕を置いてくつろいだ様子で話しかけていた。


 同時に、安奈が窓側に入る事に気づいた麻奈と菜月と聖もまた、一旦掃除を止めて、安奈のいる方を見た。


「あっ、安奈さんだ」


「久しぶりね」


「文化祭以来だわ」


安奈の方を見ていると、今度は安奈が窓から麻奈達に向かって軽く挨拶を始めた。


「よっ、お前等、久しぶりだな!! って、菜月は何で下は何も穿いていないんだよ!?」


「気にしないで下さい……」


「いやっ、凄く気になるよ!!」


そんな時、菜月の方を見てみると、菜月だけが麻奈と聖とは異なり、体操服のズボンを穿いていなかった為に、安奈はその理由が凄く気になっていた。


「なんで菜月ちゃんだけが下半身裸なのか、その理由を教えてあげようかしら?」


「そう言う蘭は、なんで競泳水着を着たままなんだよ?」


「これは、濡れないようにする為よ」


「なるほどね。もしかして、菜月はズボンが濡れた為に、下半身が裸なのか?」


「そうよ。安奈ちゃんにしてはさえてるわね!!」


安奈がすぐに菜月が下半身裸でいる理由を知った為、蘭は安奈の方を見ながら、親指を立てて、それを安奈の方に向けた。


 その後、安奈は窓からプールの中へと入り、プールサイドの上に立った時に、穿いていた靴と靴下を脱いだ。


「そう言えば、今日は何しに来たの?」


「そうよ。文化祭はもう終わったわ」


安奈がプールに来た為、何の目的でプールに来たのか、その理由が気になった麻奈と聖は、安奈にプールに来た理由を聞いてみた。


「別に良いだろ。仲間なんだから」


「仲間?」


「一体、どういう事?」


安奈が言ったプールに来た理由を聞いた麻奈と聖は、2人揃って安奈の言った言葉の意味に疑問を持った。


「もしかして、安奈さん、私達の学校に編入ですか?」


「違うよ、ボトムレス」


その後、菜月が何かに自信がある様な顔をしながら安奈に答えを言ってみたが、安奈から間違いである事をあっさりと言われた。

 

「ぼっ、ボトムレス!!」


「きゃは!! これからは、菜月ちゃんのあだ名はボトムレスね」


「そんなあだ名、嫌です~」


下半身が裸であった為に、ボトムレスというあだ名を蘭に付けられてしまった菜月は、言うまでもなく、そのあだ名で呼ばれる事を否定した。


 一方、麻奈と聖は、安奈が『仲間』と言った意味を考えていた。


「なんで、安奈さんは、仲間と言ったのかな?」


「さぁ、なんででしょうね。そこに答えがありそうだけども……」


「お前等、私が仲間と言った意味が分からないか?」


「うん、分からないです」


「分からないわ」


「そうか…… じゃあ、答えを言うわ」


そう言いながら、安奈は『仲間』と言った意味を考えていた麻奈と聖に、その答えを言う事にした。


「実は、来年の春まで、私のトコの学校と、蘭のトコの学校の水泳部で合同練習をやる事にしたんだ」


「エェ!?」


安奈が、来年の春までの間、合同練習をやるという事を言うと、それを聞いた麻奈と菜月と聖の3人は、凄く驚いた。


「まぁ、これがこれからも安奈ちゃんと一緒にいる事が出来る、唯一の答えかなっと、私なりに考えてみたの」


「一応、私のトコの学校は、野外のプールだから、冬場は泳ぐ場所がなくて、室内型のプールだと、冬場でも練習が出来ていいかなっと思って」


その後、合同練習をやる事になった理由について、蘭と安奈が話し始めた。


「それじゃあ、もうしばらくは一緒にいるって事だね」


「あぁ、そうだな」


「まぁ、ちょうど張り合うライバルが出来て、私はちょうどいいわ」


「そうだな。私もそれは同じ考えだよ」


「なんだか、賑やかになりそうね」


「私のトコの学校の水泳部は、お前等のトコよりも多いから、そりゃあ、賑やかになるだろな」


そして、麻奈と聖と菜月は、驚きながらも、それぞれが思っている事を安奈に言った。


「じゃあ、改めてよろしくだね」


「そうだな。こちらこそ、これからもよろしく」


その後、麻奈と安奈は挨拶をしながら握手をした。


 そんな様子を見た蘭は、早速、安奈にブラシを渡した。


「取り込み中悪いけど、はいっ、コレ」


「掃除をしろってか?」


「当たり前よ。これからこのプールを使うんだから。それよりも、濡れても大丈夫な服は持ってるの。なければ裸よ」


蘭からブラシを受け取った安奈は、一旦ブラシをプールサイドの床に置くと、その場で、着ていた制服を脱ぎ始めた。


「とりあえず、濡れても大丈夫な恰好はしてある」


「あらっ、安奈ちゃんったら、準備が良いわね」


安奈は制服の下に、いつも部活の練習中に来ている、黒の赤いラインが入ったハーフスパッツ型の競泳水着を着ていた。


そんな準備よく、競泳水着を着ていた安奈を見た蘭は、嬉しそうに微笑んだ。


「当ったり前だろ。以前の様に、全裸で泳がされるのは、もうゴメンだからな」


「そう。ここのプールでは、全裸で泳いだっていいのよ」


「遠慮しておく。その為に、わざわざ制服の下に競泳水着を着て来たのだから」


「その為なの」


「まぁ、今日は泳ぎの練習はなさそうだが……」


その後、安奈は制服の下に競泳水着を着てきた理由を言った。


 そして、競泳水着を着て来ていた理由を言った後、安奈は再びブラシを持ち始めた。


「それじゃあ、とっとと、掃除を始めようぜ!!」


ブラシを手にした安奈は、張り切った様子で、掃除をやるように言った。


「そうね。掃除を始めましょうか」


「そうだね。みんなでやれば、その分早く終わるよ」


「この格好は恥かしいから、早く終わらせましょ」


「掃除が終われば、また練習が出来るわ」


そして、安奈の一言と共に、蘭と麻奈と菜月と聖もなた、掃除を始める為、ブラシを持ち、水のないプールの中へと入って行った。


 そして、安奈を含め、5人が水のないプールに入った後、プール掃除は再び始まった。


「それじゃあ、プールを綺麗にするわよ!!」


元気よく大声で言う蘭の一言と共に、ブラシでのプールの底を磨く掃除が始まった。


それと同時に、凄く賑やかな様子で、プール掃除が始まった。



 つい、半年前では、廃部の危機にあった某女子高の水泳部。


しかし、そんな水泳部の危機を救う様に現れた1人の女子生徒が、半年前にその学校に入学をしてきた。


彼女の名は阪野麻奈さかのまな


麻奈は今まで水泳経験が全くなかったにも関わらず、ただ単にこの学校のプールに興味を持ったというだけの理由で、水泳部へと入部をしてきた。


そんな麻奈にとってこの半年は、決して楽なものではなかった。


苦痛や恥に耐える日々ばかりであった。


しかし、そんな苦痛の日々ばかりではなく、水泳部という部活を通す事で、新たに生まれた友情もあった。


そんな友人との出会いこそが、阪野麻奈という1人の少女を、少しずつ成長させていく原動力となった。


 そして、阪野麻奈の成長はここでは終わらず、これからも新しい仲間達との出会い、そして今までに出会った仲間達と共に、これからもずっと止まる事無く成長をしていくだろう……



 これは、スポコン物?


いいえ、一件どこにでもある様な水泳部の、少しエロ変わった部活の日常を描いた物語です。


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