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掃除する時は濡れてもいい服で!!

 文化祭も終わり、外も寒くなった11月のある日。


この日のプールは、先日の賑やかであった文化祭当日のプールとは異なり、ひっそりと物静かな様子であった。


そんなプール内では、久々のプール掃除が行われていた。


その為、プールを掃除している麻奈達は、体操服を着た状態で、室内型の広いプールを掃除していた。


「やっぱり、プール掃除って、面倒ね」


「まぁまぁ、聖ちゃん。そう言わずに、両腕に力を入れてプールの底を磨いていると、腕の筋肉が付く様な気分になるよ」


「そうかしら?」


「そうだよ。やってみると良いよ!!」


「そうね。ただ掃除をやるよりは、筋トレを予て掃除をした方が、効率が良いわね」


プールの床を磨いていた麻奈は、聖と話をしながら、プールの床磨きを行っていた。


また、この時の聖の髪型は、先日の文化祭以降、髪型を変え、常にツインテールの髪型となっていた。


そんな、初めて出会った時よりも、随分と雰囲気が変わった聖と一緒に、麻奈はプールの床磨きを行っていた。


 一方、先日の文化祭以降、再び同学年の部員が居なくなった蘭は、また今までの様に菜月にちょっかいを出していた。


「ねぇ、菜月ちゃん。ちゃんと掃除をやってる?」


「見たら分かるでしょ。やっているわよ」


プールの床を1人で磨いていた菜月の邪魔をする様に、蘭はブラシを持った状態で菜月にすり寄りながら話しかけていた。


「全く、菜月ちゃんは冷たいんだから~」


「別に冷たくはないですよ」


「そうかしら?」


「そうですよ。だから、早いとこプール掃除を終わらせましょ」


菜月は、そう言いながら、蘭には構う事無く、1人でプールの床をブラシで磨いていた。


 そんな、全く相手にしてくれない菜月に対し、蘭はプールサイドの方へと上がり、ホースを持ち出し、プールの中へ水をかけ始めた。


「そうね。早いとこ掃除を終わらせちゃいましょ!!」


「って、蘭さん、どこに水をかけているんですか!! 水がズボンにかかっちゃいましたよ!!」


先程から、菜月に全く相手にしてもらえない蘭は、少しでも菜月に相手をしてもらう為、水のないプールの中に水をかけるのと同時に、菜月の穿いているズボンを目掛けて、水をかけていた。


「いいじゃないの!! その方が気持ちいでしょ!!」


「気持ちいい事なんてないです!! 寧ろ気持ち悪いです!!」


「そう?」


ズボンがびしょ濡れになってしまった菜月を見た蘭は、ホースの水を止め、持っていたホースをプールサイドの床に置いた後、再びプールの中へと入って行った。


「じゃあ、ズボンを脱いだらどうかしら?」


「って、キャア!!」


そして、菜月の元へと近づいた蘭は、そのまま菜月の濡れたズボンとパンツを勢いよくずり下ろした。


突然、蘭にズボンとパンツをずり下ろされた菜月は、突然の驚きのあまり、室内プール中に響き渡る様に大きな悲鳴を上げたのと同時に、菜月は握っていたブラシを放り投げ、その場にしゃがみ込んだ。


「いきなり何をするんですか!?」


「何って、濡れたズボンとパンツを脱がせてあげただけよ」


「だから、何で脱がすのよ!?」


「だって、濡れたズボンは気持ち悪いって言ったでしょ。だから脱がせてあげたの」


その後、しゃがみ込んだ菜月は、蘭にズボンを脱がされた理由を問い詰めた。


「そもそも濡れた原因は、蘭さんでしょ!!」


「あらっ、そうかしら?」


「そうですよ」


「そもそも、プール掃除は水場の掃除なんだから、濡れて当たり前!! 濡れるのが嫌なら、服の下に水着でも着ておきなさい」


そう言いながら蘭は、しゃがみ込んでいた菜月の目の前で、着ていた体操服のシャツとズボンを脱ぎ、いつも着用をしている黄色いハイレグタイプの競泳水着姿となった。


「蘭さんは、いつも競泳水着を着ていますね……」


「水泳部だから当たり前の事よ。それに、私にとっての競泳水着は、下着でもあるのだから」


そう言いながら蘭は、しゃがみ込んでいる菜月の前で、着ている競泳水着を見せびらかす様に、両手を腰に当てて、仁王立ちをして見せつけていた。


 そんな菜月と蘭の様子は、掃除に夢中になっていた麻奈と聖の目にも飛び込んできた。


「なづちゃんと蘭さん、さっきから何をしているの?」


「あらっ、麻奈ちゃん見てたのね」


「まぁ、さっき少し大きな悲鳴が聞こえたので……」


麻奈は冷めた様な目付きで、菜月と蘭の方を見ていた。


「それよりも蘭さん、なんでまた競泳水着に?」


「濡れやすいプールを掃除するには、この格好の方が良いでしょ!!」


「そう。それよりも、大神さんは何で下半身が裸なの?」


「濡れやすい場所で、水着を着ていないからこうなっちゃったのよ」


「そう……」


一方の聖も、冷めた表情で蘭と菜月の方を見ていた。


「まぁ、そんな事よりも見て。菜月ちゃんったら、こんなパンツを穿いていたのよ」


そして、麻奈と聖に冷めた表情で見られた蘭は、菜月が先程まで穿いていた濡れたパンツを拾い上げ、それを麻奈と聖に見せつけた。


蘭が持ち上げた菜月のパンツは、純白の小さなリボンが付いた布のパンツであり、全体が濡れていた為に、蘭が持ち上げた時には、パンツからは常に水滴が落ちている状態であった。


「ちょっと!! 何してるのよ!!」


「いいじゃないの。別に減るモノではないのだから」


「そういう問題じゃないわよ!!」


「それにしても、菜月ちゃんは意外と子供ぽいパンツを穿くのね。プププ」


「笑わないで下さい!!」


蘭が勝手にパンツを持ち上げた為に、それを阻止しようとして、先程までしゃがみ込んでいた菜月は赤面な顔で立ち上がり、蘭からパンツを取り返そうと必死になっていた。


「なづちゃんって、こんなパンツを穿くんだ」


「意外と子供ぽいパンツね」


蘭が持ち上げた菜月のパンツを見た麻奈と聖も、少し赤面な顔をしながら、蘭が持っている菜月のパンツを見ていた。


「も~う、見てないで、取り返すのを手伝ってよ!!」


「あらっ、菜月ちゃん。あそこの毛も綺麗に手入れしているじゃないの!!」


「も~う、見ないで下さい!!」


蘭からパンツを取り返す為に立ち上がったせいで、菜月は蘭に陰毛を見られてしまった。


そのせいで、菜月は凄く恥ずかしそうに、顔が真っ赤になった。


菜月の陰毛は、ハイレグタイプの競泳水着からはみ出さない様に、ワレメの部分にだけ毛を生やしている状態であった。


 その後、蘭からパンツを取り返した菜月は、とりあえず濡れているズボンとパンツを穿く訳にもいかない為、とりあえず、体操服のシャツの裾をへそが見える辺りまで括り上げた。


「仕方ないけど、この格好で掃除するしかないわね……」


下半身が裸の状態で、陰部もお尻も丸出しの状態で、菜月は持っているブラシで床を磨き始めた。


「水着を着て来ないのが悪いわね」


「……」


そんな中、蘭から水着を持って来ていなかった事を指摘されると、菜月は間違った事ではなかった為、蘭に言い返す事が出来なかった。

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