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問題だらけ!?

 文化祭で披露をするシンクロの練習を始めてから半月後のある日。


この日は、今までの練習の成果を動画でチェックする為に、水泳部の皆は、部室である更衣室に集まっていた。


「さぁ、今日は先日にやったシンクロの動画を観るわよ!!」


蘭は、張り切った様子で言った。


 この日観る動画は、プールに入ってから始めたシンクロの練習のひとまとめとして、一通りの流れを一気に行った際に撮影をした映像のチェックである。


「なんでまた、シンクロをした時ではなくて、今日なんですか?」


「実に良い質問ね、菜月ちゃん」


そんな中、菜月はなぜシンクロを一通りの流れをプールでやった日ではなく、この日なのか疑問に思っていた。


「今日にしたのは、動画の編集も入れたかったからよ」


「編集って、何をしたのよ!?」


「まぁまぁ、菜月ちゃん、そう困った顔をしないで。単に文字などのフォントを入れただけよ」


「何の為にやったのですか?」


「何の為って、そりゃあ、文化祭で披露をする動画をネット上で公開をする時の為の練習よ」


菜月が何の為に動画の編集を行ったのか蘭に聞いてみると、蘭は文化祭当日に披露をするシンクロの動画をネット上で公開をする為の練習の為に、動画の編集を行ったという事を言った。


「まさか、私達のシンクロ動画をネット上に公開するつもりなの!?」


「そうよ。それ以外に何があるの?」


蘭の発言を聞いた菜月は、文化祭で披露をする予定のシンクロがネット上に公開されると聞き、凄く驚いた表情をした。


「そんなものをネット上で公開して、何の得があるのよ!!」


「何のって、そりゃあ、私達の学校の水泳部の宣伝よ」


ネット上で文化祭でやるシンクロの公開を行う事に対して驚いている菜月に対し、蘭はシンクロ公演とネット上で公開するメリットを言った。


「そんな必要があるんですか?」


「あるからやるに決まっているじゃないの!! 現に今年の入部者は3人よ」


「その3人は実質には、蘭さんの強制でしょ!!」


「別に3人ではないわ。正しくは、菜月ちゃん1人ね」


「まぁ…… 確かに、言われてみればそうね」


その後、菜月は水泳部に入部をしたきっかけを思い出し、溜息をついた。


 そして、蘭が言った文化祭でやるシンクロ公演をネット上に公開すると言った案に対し、聖と麻奈も自分の意見を言った。


「私は、宣伝になるのなら、別に良いと思うわ」


「ワタシモ、ソレデイイトオモウ」


聖と麻奈の意見は、どちらもネット上に公開する事を了解するという意見であった。


「ほらっ、2人ともいいって言ってるわよ」


麻奈と聖がネット上での公開を了解した後、蘭はニコッとした表情で、ネット上での公開に抵抗がある菜月の方を見た。


「でもさ、ネット上に動画をアップするという事は、私達の事が世界中に公開されるという事だよね? それって、凄く恥ずかしくない?」


「あらっ、菜月ちぁんは、どうして恥かしいと思うのかしら? 私は、その考えの方が不思議に思うわ」


ネット上に公開される事に抵抗がある菜月に対し、蘭はどうして恥かしく思うのか聞いてみた。


「だってさ、知らない人に顔を知られるのは抵抗があるし、何よりもシンクロを披露する時の格好が、ハイレグって、恥かしい事だらけじゃない」


菜月は、ネット公開に対して抵抗がある理由を語った。


「確かに顔公開に関しては、抵抗があっても不思議ではないわ。でも、シンクロ公演中は、ほとんど水中にいるじゃないの。顔は簡単には分からないわよ」


「そっ、そうですか……」


「そんなものよ。それにハイレグが恥かしいとか言っているけど、ハイレグに関しては、大会とかでなれたのではなかったかしら?」


「確かに、大会とかでは何とか慣れましたけど…… ネットとかだと世界中に公開じゃないですか!!」


そして菜月は、ネット公開に抵抗がある理由を言った。


「そんな事で恥かしがっていたの?」


「そんな事って…… 凄く重要じゃないですか!!」


「確かにハイレグという露出の高い競泳水着を多くの人に披露する事には抵抗があってもおかしくはないけども…… 大会とかでは、メディアの人達も来ている事ぐらいは知っているわよね」


「はい。知っていますけども、それが何か?」


「前回の大会では、私達はリレーに勝った。勝ったという事は、当然ながらメディアの注目も集まる事ぐらいは知っているわよね」


「それも、知っていますけども…… あっ!!」


「そうよ。やっと気が付いたのね。私達のハイレグ姿は、前回の大会の時に多くの人達に見られているのよ。メディアの力によってね」


菜月が文化祭で行うシンクロ公演に対し、抵抗がある理由として語ったのは、ハイレグ型の競泳水着姿をネット上で多くの人に見られてしまうという事であった。


それを聞いた蘭は、前回の大会の時にメディアを通して、既にハイレグ型の競泳水着を着用した姿を多くの人に見られているという事を、呆れながら言った。


 蘭の発言を聞いたあと、菜月の様子もさっきまでとは異なり、少し変わった。


「そう言えば、既に多くの人達に私達のハイレグ姿が公開されていたのよね」


「そうでしょ。だからこそ、今更恥かしがる必要なんてないわよ!!」


「そうね…… ここは、麻奈と聖と同様に、私も賛成をしてもいいかしら」


「早いとこ賛成をしなさい。こういう所がドグサイのだから」


ハイレグ姿をメディアによって、多くの人達に公開されていたという事に改めて気づいた菜月は、渋々と蘭がやろうとしていた文化祭で行うシンクロのネット公開を了解した。


 菜月が賛成したことにより、蘭はようやく先日行ったシンクロの一連の流れの動画の公開を始めようとした。


「さぁ、みんなこっちに集まって」


蘭は、編集をしたシンクロの披露動画を見せる為、皆を自分のところに来る様指示を出した。


「それじゃあ、再生をするわね」


そして、皆が集まった後、蘭は右手で持っていたスマホの画面をタッチして、動画の再生が始まった。



 先日に撮影をしたシンクロの動画の再生は、すぐに終わった。


「どうだったかしら? 今の私達のシンクロは」


動画の再生が終わった後、蘭はさっそく皆に感想を聞いてみた。


「ん~ まだまだ出来ていない所が多いですね」


「ナントイウカ、オモシロミガナイ」


「ただ、ピチャピチャと水の中を跳ねているだけの様だわ」


菜月も麻奈も聖も、素直に動画の感想を言った。


「そりゃあ、練習して間もないから、不完全なのは当たり前よ」


3人の素直な意見に対し、蘭も練習不足な面は納得をした。


「確かに、不完全なのは仕方ないとして…… 本当に4人だけのシンクロ公演なんて、面白くなるのでしょうか?」


「タシカニ、コノサキイクラレンシュウヲシテモ、ホントウニオモシロイシンクはデキルノカガシンパイニナッチャッタヨ」


その後の菜月の一言のせいで、文化祭当日に面白いシンクロ公演が本当に出来るのかどうか、麻奈は心配な気持ちになった。


「確かにそうね。4人だと寂しいわ」


麻奈の心配は、聖にも伝わってしまった。


「それは言えているわね。確かに、4人だと寂しいわね……」


麻奈と聖の様子を見た蘭は、ある事を考え始めた。


「蘭さん、どうしたの?」


「ん~ もしかしたら、人数の問題は、なんとか解決出来そうだわ」


「解決って、蘭さん、何か策でもあるの?」


蘭の考え事に疑問を持った菜月は蘭にその真相を聞いてみると、蘭は人数の問題を解決出来ると言い出した。


「すぐには出来ないけども、出来るわ」


「何を根拠に言ってるの!?」


「とにかく、私を信じて待ってなさい!! 必ず人数の問題を解決させてみるから」


そして、蘭は菜月が不安に思う中、1人自信がある様に見せかける表情で、人数の問題を解決させる事を言った。

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