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メドレーで何を泳ぐか決めよう②

 今度の大会で出るメドレーの泳ぐ種目のうち、平泳ぎとクロールを決めた後、今度はバタフライと背泳ぎを泳ぐ人を決め始めた。


「じゃあ、菜月ちゃんは背泳ぎかバッタのどちらを泳ぎたい?」


まだ泳ぐ種目を決めていない菜月に、蘭はメドレーで泳ぐ種目の余っている種目の中から、選ばそうとした。


「う~ん、背泳ぎは水面に顔を付けない反面、泳いでいる最中にどこがゴール地点か分からないのよね」


すると、菜月は背泳ぎに対して、不安な面を持っていた。


「なぜ、そう思うの?」


「だって、上を向いて泳ぐ背泳ぎだと、常に上を向いているから、前の状況が分からないじゃない」


その為、蘭が理由を聞いてみると、菜月は背泳ぎで不安を抱いている理由を言った。


「なるほど、そんな事で不安に思っていたの?」


「そう簡単に言わないで下さいよ。背泳ぎをしている時に、時々ターン地点で手が当たってしまう事があるのに」


すると、蘭は菜月の不安を軽々しく思った為、菜月は少し怒った様子になった。


「それは、菜月ちゃんが泳ぐのが下手なだけよ」


「下手とは失礼な!!」


そして、蘭が菜月に対し泳ぐのが下手だと指摘すると、それを聞いた菜月は顔を真っ赤にして両頬を膨らませた。


「まぁ、そう怒らずに。背泳ぎってのは、他の種目と違って上を向いて泳いでいるけど、きちんとターン地点が分かるコツがあるのよ」


「えっ!? あるんですか」


その後、蘭が背泳ぎのターンにコツがある事を言うと、それを聞いた菜月は目を丸くする様に驚いた。


「まさか、知らなかったの……」


その様子を見た蘭は、予想外な事に驚いた。


「それはさておき、競泳用のプールだと、上に無数に連なった小さな三角のヤツがあるのは知っているわよね」


「もちろん知ってるわよ」


「実は、あの三角のヤツこそが、背泳ぎのターンを上手くするのに欠かせないのよ」


その後、話を本題に戻し、蘭は背泳ぎのターンを上手くするコツを語り始めた。


「あぁ、あの旗みたいなやつですね!」


「多分、それね。背泳ぎをやる時は、あの三角のヤツの数を覚えておくといいわよ。数メートル事に横1列に引かれているから、その数を覚えておいたらいいわよ」


「なるほど…… 今まではあまり意識していなかったけど、これからは意識しながら泳いでみるわ」


そして、蘭から背泳ぎのターンを上手く出来る様になる簡単なコツを聞いた菜月は、泳ぎ方を見直す事を考えた。


「それが良いわ。ところで、菜月ちゃんは背泳ぎにするの?」


「う~ん、今回は止めておくわ。すぐに出来そうにないので……」


その後、蘭は菜月に背泳ぎを泳ぐのか聞いてみると、菜月は自信無さ気に断った。


 菜月が背泳ぎを泳ぐのを断った後、蘭は再び菜月の方を見ながら喋り始めた。


「そう。じゃあ、菜月ちゃんはバッタを泳いでくれるのね」


「そう言えば、バタフライって、両肩を回して泳ぐやつですよね」


「そうよ。両肩を動かして水をかき、両足をイルカの尾鰭の様に動かす泳ぎよ」


菜月が背泳ぎを泳がないと言った為、蘭にバタフライの泳ぎ方を聞いてみた。


「なるほど、その泳ぎね。両肩を水中で動かすのは大変そうね」


それを聞いた菜月は、水中で両肩を回すバタフライという泳ぎをすごく大変そうだと感じた。


「あらっ、菜月ちゃんはなら、運動神経はいいから、麻奈ちゃんがやるよりも最適だと思うけどね」


しかし、それを聞いた蘭は、バタフライに行くのは、真菜よりも運動神経のいい菜月の方が最適だと判断した。


「確かに、バタフライのように負担が大きい泳ぎは、私よりもなづちゃんの方がいいかも……」


蘭の言った事を聞いた真菜も、蘭と同意見となった。


「あらっ!! 麻奈ちゃん、そう思うでしょ」


「はい」


「じゃあ、バタフライは菜月ちゃんに決定ね!!」


麻奈がそう思う中、蘭も麻奈と同じ事を思った。


そして、蘭はニコッとした表情で、菜月にバタフライに行くように言った。


「え!? 私がバタフライをですか!!」


突然、バタフライに行く様、蘭から言われた菜月は、驚きながら人差し指で自分の顔を指差した。


「そうなるでしょ。もし、菜月ちゃんが背泳ぎに行ってしまえば、結局、両肩の負担が大きいバッタに行くのは麻奈ちゃんになるのよ」


「やっぱり、そうなるのですね。でも、両肩の負担が大きい以上、うまく泳げるかな……」


そして、菜月と蘭は顔を近づかせ、お互いコソコソと話を始めた。


「でも、運動神経抜群の菜月ちゃんなら、なんとかなるわよ」


「なんとかなるって、私、水泳は得意ではないですよ」


「大丈夫よ。菜月ちゃんの実力なら、充分に勝つ事が出来るレベルでもあるから」


更に、蘭は強引に菜月をバタフライに行かそうと、説得を試みた。


「まぁ、そこまで言うなら…… バタフライを頑張ってみるわ」


「それでこそ、菜月ちゃんよ!! バッタは任せたわよ!!」


そして、蘭のしつこいとも感じれる説得を渋々と聞いた菜月は、大会のメドレーリレーでバタフライを泳ぐ事を、渋々と頷いた。


それを聞いた蘭は、嬉しそうな表情で、菜月の背中を強く叩いた。


 そして、3つの種目が決まった後、蘭は麻奈の方を見ながら喋り始めた。


「てなわけで、余った種目である背泳ぎで行ってくれるかな?」


「背泳ぎも難しそうだけれども、先程の蘭さんからの泳ぐコツを聞いていたので、そのコツを活かして頑張ってみるわ!」


その後、蘭は麻奈の方を見て、背泳ぎをメドレーで泳いでくれないか聞いてみると、麻奈は自信は無さ気ではあったが、前向きに背泳ぎを頑張ってみる意気込みを見せた。


「そうよ、その調子!! そうやって、泳ぎを上達していくのよ」


そんな様子の麻奈を見た蘭は、関心をする様に褒め称えた。


 そして、メンバー全員のメドレーで泳ぐ種目が決まった後、蘭はミーティングの閉めを言った。


「今度の大会では、トップバッターの背泳ぎを麻奈ちゃん。その次の平を私が、そしてバッタを菜月ちゃん、最後のアンカーであるフリーを泳ぐのは聖ちゃん」


蘭は、再度確認をする様に、今度の大会のメドレーの泳ぐ種目とそれを泳ぐ人の名前を言った。


「じゃあ、大会までの期間は、それらの専門種目を中心に練習していくわよ!!」


そして蘭は、最後に今後の大会までの練習の意気込みを語り、この日のミーティングは幕を閉じた。


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