大会後…… 新たなる決意
水泳の大会が終わった日の晩、麻奈と菜月と聖と蘭の水泳部4人は、学校近くの銭湯に来ていた。
麻奈と菜月にとっては、初めての大会という事もあり、この日は凄く緊張をした一日でもあったが、現在は銭湯にいる為にその緊張も少しほぐれているはず。
「私、大会ダメでした……」
「そりゃあ、初めてなんてそんなものよ。それに泳ぎ切れただけでも上達した証拠じゃない!」
「そっ、そうですね。次こそは頑張らないと!」
「その調子よ」
麻奈と蘭は、身体を洗いながら、この日の大会の結果について話をしていた。
「それにしても、あそこの毛を全部剃ったけど、思ったよりもスピードは出なかったですね」
「いきなりは結果なんて出ないわよ。良い結果を出すには、それなりに練習も必要なのよ」
大会前に陰毛を全部剃り、無毛となった陰部を触りながら麻奈は蘭に水泳のタイムが思っていたよりも早くなかった事を言うと、蘭は体を洗いながら、結果はすぐには出ないと言った。
「そう言えば、大会に出ていた他の学校の人達の競泳水着って、みんなスパッツタイプでしたね。勝っている人もみんなスパッツタイプだったし、私もスパッツタイプにした方が良いかな?」
そして麻奈は、今日の大会に出場していた他校の選手達が来ていた競泳水着がスパッツタイプであったのを思い出した。
「全く…… 麻奈ちゃん、今は別にスパッツタイプにする必要はないわよ」
「なんで?」
「とりあえず、水着を変えるよりも、先に泳ぎの技量を上げるのが優先よ。本当に泳ぎが速い人は、どんな水着を着ようと早いもんなのよ」
「そうなの?」
「そうよ」
麻奈がスパッツタイプの競泳水着に変えようか迷っていたが、すぐに蘭によって反対をされた。
「確かに、泳ぎの技量を上げるのは大事ですけれども…… 今回の大会で勝っていたのは、みんなスパッツタイプの人ばかりだったじゃないですか!」
「菜月ちゃん、それはただのいいわけよ。ハイレグタイプの競泳水着を着ている私だって、賞を取るくらいには勝っていたでしょ!」
「でも、スパッツタイプの聖は、もっと結果はよかったですよ」
「だから、それがいいわけなのよ」
その後、菜月も今日の大会で勝っていた他校の選手達は皆スパッツタイプだった事を言うと、蘭からは、いいわけだと厳しく言われてしまった。
「それにしても、今日はなんか、いつも以上に男子の視線が凄かったわ…… やっぱり、ハイレグタイプの競泳水着で大会に出場をしたのが私達だけだからかな?」
そして菜月は、今日の大会の事をどこか疲れた様子で、思い出し始めた。
「あらっ、良かったじゃないの。注目の的になって」
「良くないですよ。男女共に変な目で見ていましたよ。きっと」
その話に蘭は笑顔で答えたが、菜月は自分達だけがハイレグタイプの競泳水着だった事をよく思っていなかった。
「菜月ちゃんには恥かしく感じたのね。ハイレグタイプの競泳水着を着ているだけで恥かしいと感じているのではまだまだね」
「そう言う蘭さんは恥ずかしくなかったのですか!? 露出の高いハイレグタイプの競泳水着姿を見られて」
「そんなものはね、慣れてしまえば恥かしいとは思わないものよ。昔の水泳選手はみんなハイレグタイプの競泳を着ていたのよ」
ハイレグタイプの競泳水着姿を、他人い見られただけで恥かしがっていた菜月に対し、蘭は慣れてしまえば恥かしいとは思わないと、身体を洗いながら言った。
「そう言えば、一昔前は確かにみんなハイレグタイプでしたね。あんな裸当然の競泳水着を人前にさらして、恥ずかしくなかったのかな?」
「さぁ、どうでしょうね? 私みたいに慣れてしまえば、恥ずかしいとは別に思わないけど?」
「それが、変態の考えなんですよ!!」
菜月の疑問に蘭は、自分の考えを答えただけで、菜月から変態と呼ばれてしまった。
「菜月ちゃんは、よく私の事を変態とか言うわね。確かに今時ハイレグタイプの競泳水着なんて着ている人なんて、グラビアのように人に見せる目的の人くらいよ。でもね、これだけは言わせてほしいの。ハイレグタイプの競泳水着を着ている私の事を変態と呼ぶのなら、ハイレグタイプの競泳水着で私に勝ってから言いなさいよ!」
それを聞いた蘭は、変態と呼ぶなら水泳で勝ってから言えと、相手を挑発するような口調で菜月に言った。
それだけに蘭は、普段から菜月から変態と呼ばれていた事を気にしていたかも知れない。
「それともアレかしら? ハイレグタイプの競泳水着姿が恥ずかしいとか、スパッツタイプに劣るから無理ですとか、経験差があるから無理ですとか、またいいわけをするのかしら?」
「……」
「あらっ、なにも言わなくなったわね。でも、いいわけって言うだけで便利よね。だって、自分が出来ない事に対していいわけをしていれば、全てが解決出来ると思えるのだから。ねっ、菜月ちゃん!!」
蘭から色々と言われた菜月は、バスチェアーに座りシャワーを浴びたまま、考え込むように黙り込んでしまった。
そして、突然シャワーを止め立ち上がった菜月は、そのまま入口の方へと向かい、大浴場を出てしまった。
「蘭さんが少しキツく言うから、なずちゃんが出ていってしまったじゃないですか」
「そうよ。ここ最近の出来事で、大神さんも色々と考えさせられることだってあるのよ。それに大神さんは、思っている以上にメンタルが弱いのよ」
蘭が色々とキツい事を言ってしまい、菜月が出て行ってしまった事に関し、麻奈と聖はその件を蘭に注意をした。
「あらっ、私ったら少しキツく言い過ぎたかしら?」
その事に蘭は、両目が黒点になってしまうような表情になってしまった。
そして、しばらく時間が経つと、菜月が再び大浴場へと戻り、蘭の隣に座り出した。
その時の菜月は、手に何かを持っていた。
「あらっ、もう戻ってきたの?」
先程の事を少し気にした蘭が声をかけて見たが、菜月は無言のまま目の前にあるシャンプーの液を両手にのせ、泡立て始め、今度はその泡を陰部へと塗る様に付け始めた。
そして陰部に泡が付くと、菜月は片手に持っていた剃刀を陰部に当て始めた。
「なっ、菜月ちゃん、何をしているのかしら?」
その様子を見た蘭は、驚きを隠せなかった。
蘭の声も聞こえていないかのように、菜月は陰部の毛を剃るのに集中していた。
剃り落された陰毛は、泡と共に、排水溝へと流れて行った。
そして、陰部の毛を全て剃り終えた頃、菜月は立ち上がり、目の前の鏡に全身を写した。
そこに写し出された菜月の陰部は、先程まで少しはあった陰毛も、今や完全になくなり無毛となった割れ目スジ丸見えの陰部であった。
「勢いで全部剃ってしまったけど、全部丸見えって本当に恥ずかしいものね。大人になれば毛で隠される陰部も子供の頃は丸出し。でも、子供の頃はそんな事は気にしなかった。その逆に大人になるにつれ、毛が無い陰部を恥かしいと思うようになる。こんな状態を維持出来る聖さんや蘭さんは本当凄いよ」
「でっ、何が言いたいの?」
「様は、私も勝つ為には、今までとは違い、少しでも羞恥心を捨てようかなっと思って」
無毛となった陰部を直立しながら鏡越しで見ていた菜月に、蘭は疑問を持った様子で真相を聞いてみると、菜月は少しニコッとした様子で蘭の方を見た。
「それに私思ったんです。今までは何かと少し恥かしがり過ぎていたのです。それを克服する第一歩として陰部の毛を剃ってみました!」
そして菜月は、無毛となった陰部を見せる為、蘭の方に身体を向けた。
「以前は、陰部の毛を剃るのに抵抗をしてたくせに、成長したわね~」
「そりゃあそうですよ。私だって水泳部の一員なんだし、やっぱり勝ってみたいですよ!」
「そうね。だったら、今後も一緒に練習を頑張りましょ!」
「はいっ!」
蘭に無毛となった陰部を見せながら、菜月はガッツポーズをとった。