第六十三話
書き直し予定です
それでも、載せます
すんません
まるで演説のようなレフィーユの会話内容は、見事に爆破現場だった。
『…ちょっと、何があったの!?
応答しなさい!?』
セルフィの通信はさっきから聞こえはしたが、三人はようやく応答できるようになったのはしばらくしてからだった。
『さっきの放送は何?』
よほどの大音響だったらしく、セルフィいた辺りにも届いていたのか、説明を省くがてらにサイトは応答した。
「途中で爆発が起きたせいで、このスピーカーが音を拾い切れんかった。
おかげで全部のスピーカーがお釈迦なんよ、続きは聞けれへんけど…。
多分、ホンマやと思う」
『…発信源はわかる?』
「スイッチ切ってないと思うし、今、部室で調べたらわかると思う、待っとってや…」
ガトウもようやく身を起こすが、サイトは、
「ふう…」
ゆっくりと崩れ落ちるように床に座り込んだ。
「おい、サイト、大丈夫か?」
「…ちと、一気に疲れが出た」
「おいおい、無事というワケじゃない、しっかりしろ」
ガトウはそう言うとどこからか視線を感じた。
「誰だ?」
そこを顔を向けとそこにはロウファがいた。
「お前…」
少し気を立てて、彼を見るが、しかし、今まであった事がガトウをそこまでに留めていたが、ロウファは、あの放送を聞いていたらしく、こう言った。
「どうして…。
私闘って、わかってるのに…。
どうしてレフィーユさんは、戦うんですか?」
イワトは倒れたままだったが、おそらく起きているのだろう。
ロウファの言う事に誰しもが、三人は黙っていた。
そして、それに答えたのは。
「まだ、お前に教えんといけん事があるからやろうな…」
サイトだった。
「なあ、ロウファ、オレら何を教えられたんかな?」
「何って?」
「いや、他の初等部の連中、多分、みんな、レフィーユさんの評価ばかり気にしてたやろ。
オレも『ああすればいい』なんて意見、言ったんじゃけど…。
聞く耳もたんでさ…。
結局、オレは、その初等部に何も教えられへんかった。
でも、それはレフィーユさんも一緒なんやろうな」
サイトの意見にロウファは言葉に詰まる。
「で、でも、ボクのせいじゃないですか、ペインを逃がしたのも、ミクモを死なせたのも…。
全部、ボクが…」
その時、俯いたロウファの頭にガトウの大きな手が伸し掛かった。
「だからだ。
お前はどんな覚悟があって、治安部のリーダーになろうなんて思ったか知らん。
でも人間という生き物は、そんな事で簡単に納得出来るワケがない。
これは元リーダーだから言わせてもらうが、こんな事をするのもリーダーの役目なんだ」
「そして、こんな無茶、手助けするのも。
治安部の役目なんやろうな…」
二人がロウファを見下ろしていると、イワトが立ち上がっていたのが見えたので、サイトはこう言った。
「じゃあな、オレらはレフィーユさんを助けに行かんといけんから、もう行くよ。
お前も、邪魔するのも勝手やけど。
一度くらい、自分で考えて行動してみ?
これくらい先輩の意見、参考にしても、ええと思うで?」
「で、でも、ボクは!?」
ロウファは不安そうな顔で呼び止めようとするが、三人は手を振って、そのまま走り去って行っていた。
言いたい事もあるはずだと、ロウファ自身もわかっていた。
だが、それをせず走り去って行った、先輩達の一言を呟いていた。
「自分で考えてみる…」
そう言うと、ロウファの携帯が鳴った…。
「もしもし…」
「ロウファちゃん、さっきの放送聞きましたザマスね」