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市場
「今日は町に市場が立っているらしいので、少し観に行きませんか?」
アーリエが言った。神殿に行った翌日の事だ。
神殿の前にある広場で、市場が立っているらしい。
どんな物か気になるし、アーリエに誘われたら観に行くのが礼儀だ。
市場はけっこう賑わっている。屋台を出している所や、御座だけ敷いた所に商品を置いてる人。曲芸をしている者や(ジャグリングとか)、ギターのような弦楽器を弾いている者なんかもいる。客は町の住人だとか、俺達と似たような旅人っぽい格好をしている人などだ。
マントを羽織ってはいるが、顔付きや足元のスニーカーなどのせいで、けっこう目立つっている気がする(こちらの世界で、アジア系の顔付きの人間に会ったことはない)。
いろんな店を見ているアーリエの表情も、心持ち明るい。お祭り騒ぎの様な雰囲気がやはり楽しいのだろうか?
みんな俺の顔を見ると一瞬「ギョッ」となるが、特になにも言われないので一緒に観ていると、後方から女性の悲鳴の様な声が聞こえた。




