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巫女

 像からちょっと離れた所で、突っ立ったまま待っている。

 一時間程経つと、先程の女性が出ていった時と同じ扉から戻ってきた。後ろに可愛らしい少女を連れてきている。青く見える様な髪色をしたおかっぱの子で(中学生ぐらい)、案内してきた女性と似たような服装をし、右手には大きな木製の杖を持っていた。その杖の上部には円状の金細工が煌びやかに飾られており、その真ん中には青い宝石のような物が嵌っている。

「お待たせ致しました。ワタシがこの神殿の巫女を勤めさせていただいております、『ファディール』と申します」

 少女が自己紹介をした。

「そちらの方が、記憶を失なっていらっしゃるという方ですか?」

 ファディールと名乗った少女が、アーリエの後ろにいる俺を見た。アーリエがコクンと頷く。

「ワタシは時を司る女神サハテに仕える巫女で、人の記憶を垣間見ることができます」

 ん?なんか凄い『特殊能力』持ちって事なのかな?記憶を垣間見るという事は、俺の過去がわかるという事なんだろうか。

「これからアナタの記憶を覗かせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか?」

 正直、記憶を読まれるのは困るのだが、ここまで来て断るのもおかしい。不承不承で承諾した。

「それでは女神様の像の前で膝をついてください」

 言われた通りに像の前で跪く。

「顔を少し上に向けてください。そう、そのまま……」

 彼女は俺の前に立ち、右手に持っていた杖を左手に持ちかえ、空いた方の掌を俺の額に(かざ)した。

「それでは参ります……」

 そのポーズのまま記憶を読み取るのかと思ったが違っていた。彼女は俺の額をまるで獲物を襲う鷹のようにキャッチしたのだ(アイアンクローのように)。

「いだいいだいいだい!」

 目を瞑りなにやら唸り始めた彼女は、額を掴んだ手に力を込め締めた。可愛い顔をしてる割りに凄い握力だ。

 俺が痛みを訴えても、力を込めるのを止め様とはしない。すごく集中しているようだ。俺の顔面は真っ赤になり、彼女も歯を食い縛りプルプルと震えていた。彼女の右腕を両手で掴み、止めてくれる様懇願し続けるのだが、まったく止める気配はない。

 意識が遠退きだした頃、彼女はやっと俺の額から手を離した。

 お互い「ゼェゼェ」と、肩で息をしている。

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