蒼き月下 心藍深く 悼むセミ 第五話 蒼き月と巡り会い 前編
人物紹介
・黒鉄真生
この物語の主人公。
武田に仕える執事の一人。幼き頃の記憶がなく、気づいたら武田に仕えていた。普段はお嬢様である武田市凛のお世話を担当している。
・武田市凛
この物語のヒロイン。武田に生まれた女の子。
黒髪長髪の普通の女の子。
武田市凛はある日の出来事を境に自分が黒鉄真生に秘める想いに気がつく。
・森田エリールナ(もりた えりーるな)
この物語のヒロイン黒髪に金色のインナーを入れてミディアムボブという少し高校生にしては特徴的な見た目をしている。武田市凛と同い年である。
黒鉄真生に恋心を抱いている。
武田家人物
・斎賀峻平
武田家の執事長。
・森志麻 涼
黒鉄と同期の執事。
市凛の通う学校の教員達
・斎賀 迅
エリールナの交友関係等
・山下 夏海
あらすじ
荒瀧遥斗のバイト先の店長山下裕斗と京都で中華料理屋を構えている古守井關のおかげで、
黒鉄真生・エリールナ・市凛の三人は、黒電話を使い久しぶりの会話を果たす。
が、古守井關の話を聞いた三人は身の回りで起こっている奇妙な現状を改名するために動き出す。
荒瀧家の謎の研究。
武田家跡地の地下室。
夜神本の死体の不思議。
……物語は、黒鉄視点から始まる。
黒鉄視点
「これは、、、監視?遥斗君は監視されているのか?、、、という事は妾とのやり取りも監視されていた?」
モニター映っていたのは紛れもなく自分と遥斗君が昼間会話していた空間だった。
「一体どういう、、、」
何が起こっているのかも困惑していると突然、、、
「やぁ初めましてかな?」
後ろから声が聞こえて、驚きながら後ろを振り返る。
「はっはは、そんなに反応が良いとこっちも脅かしがいがあるよ」
暗くてよく分からないが、声色だけで判断すると男性のように感じる。
「あなたは、誰なんです?」
恐る恐る目の前にいる正体不明の人物に尋ねる。
「えっ?今僕の名前聞いた?嘘でしょ、、、イレギュラー過ぎるって」
何らや声を絞り呟いている様子だ。
「まぁいいか、、、僕の名前は、、、だよ?みんなからはXって呼ばれてる」
謎の人物は、名前を名乗ったけど頭にノイズが走り名前の部分だけ聞き取ることが出来なかった。
「っ!今のは?、、、えっとX?あなたは、、何者なんですか?」
目の前に居る人物Xに話しかける。
「ん?なにぃ?僕正体が知りたいのかい?」
Xと名乗る人物が言う。
「いいよいいよ教えてあげるよ。僕の正体はね、、、」
Xは立て続けに話す。
「、、、モリシマダイス、、、君が探している人だよ?」
そう聞いた時、衝撃が走った。
「、、、モリシマ、、ダイスだと?」
モリシマダイス、、、妾の知る限り涼の亡くなったお爺さんだったはず。
「まぁ反応するのも無理は無いよね」
Xは呟く。
「俺の探している人なら自分が犯人だって言いふらしてるようなものだぞ」
Xに聞く。
「そうだよ?螺旋連続殺人事件の事も例の件も全部僕だよ?まぁ正確には関係者って言った方が正しいかな?」
Xはニヤリとしながら話す。
「なんだと?なら、なぜ姿を現した?」
Xに問いかける。
「んー?そんなの決まってるでしょ君とお話したかったんだ、黒鉄真生君」
Xは妾の名前を呼び話す。
「なんで、妾の名前を知ってるのかは置いておくが、姿を現すのを危険だと思わなかったのか?」
Xに尋ねる。
「なんで?こっちから会いに来てるのに、何も策が無いと思う?」
Xは続けて話す。
「黒鉄真生君、君に与えられた選択肢は今から僕と一緒にお話することだよ?それ以外は残念ながら認める事は出来ない、、よ?」
市凛・エリールナ視点
「まさか、真生とまた話せるとはね」
エリーが沈黙を破る。
「そうだね。本当にびっくりだよ、しかもエリーと宿か同じな事もね?」
市はニコッしながら話す。
「あはは、そうだね。部屋番はどこなの」
そう、エリーが聞いた時、
「おい!凛ちゃんどこに言ってたんだよ。」
男性の声がひとつ。
「本当ですよ!心配したんですからね!。」
女性の声がひとつ。
ふたつの声がほぼ同時に聞こえた。
「あっごめんなさい!」
市凛は声をかけてきた二人に謝罪をする。
「えっ?市凛この人達と知り合い?」
頭を下げている市凛に尋ねるエリー。
「知ってるも何も、一人は私の高校の先生と私に着いてくれてるメイドさんだよ」
市凛はエリーに丁寧に説明して、続けて、
「それに、エリーも知ってるでしょ?あの時病室に居たんだから」
と話す。
「えっ!嘘っ、本当に?ごめん、全く記憶ない」
エリーは言う。
「あなたは、確か黒鉄君のご友人でしたよね。私は名前は森志麻涼と申します。」
女性の声の正体は森志麻だった。
「あの時は、よく兄貴について行ったと思うよ。
俺は斎賀迅。よろしくな。」
男性の声の正体は迅先生だった。
「着いて、、行った?、、、、、、あっあの時のおじいちゃんの弟さん?」
自己紹介を聞いてエリーは迅先生に質問する。
「おじいちゃんって、まぁ確かに女子高校生から見れば、兄貴もおじいちゃんか。」
エリーの質問に答えては無いが反応する迅先生。
「あの時はありがとうございます」
迅先生の反応からおじいちゃんの弟さんだと言う事が分かったようで迅先生に頭を下げる。
「ん?なんで感謝してるんだ?。」
迅先生は尋ねる。
「あの時、おじいちゃんから話をされてなかったら真生の事を見ることも何も知らないままだったから、感謝してます」
エリーはあの時の事をおじいちゃんの代わりに迅先生に話す。
「、、なるほどね。なら良かった。」
迅先生は言う。
「、、話は終わりましたか?そろそろお嬢様をお叱りしないといけないのですが。」
エリーと迅先生の会話が終わるのを待っていた涼が話し出す。
「あっそうだよな。流石に誘拐されたとはいえ連絡無しでこの時間まで出歩いているのは、武田家としても、高校生という立場から見ても危ないからな。」
迅先生は市凛の方を見て話す。
……
その後、市凛は先生としての立場の迅先生と身辺の事を任された立場の森志麻から怒られた。 エリーは、その様子を見て、夏海に一言連絡をした。
「まぁ今はこのくらいにしといてあげるけど、次はもっと怒るからな。」
お説教を一旦終わらせた迅先生が市凛に話す。
「迅さんがそう仰るなら私もこの辺にしておきます。」
迅先生の一言を聞いて森志麻も話すのを辞める。
「いやぁ、、市凛。お疲れ様」
お説教が終わったのを確認したエリーは、市凛に駆け寄り声をかける。
「うん、でも今回は確かに私に非があるからしょうがない」
市凛は、自分に非がある事を認める真摯に受け止める。
その様子を見ていた、迅先生と森志麻。
「ところで、二人はこの時間まで何してたんだ?。」
迅先生が二人に質問する。
二人は迅先生からの質問にお互いの顔を見合せて、コソコソ話す。
「これ話すべき?。」
「分からない、、けど井關さんは人では多い方が良いって言ってたから、話していいのかな?」
「なら、、話すことにしようか」
エリーから始まったコソコソ話を終わらせて、
市凛が、
「今から話す事をちゃんと聞いてくださいね」
と迅先生と森志麻の二人に言う。
二人はお互いの顔を見合わせて、頷く。
……
「そんな事が、、、、、、。」
市凛から話を聞いた迅先生が、信じられない様子で呟く。
「黒鉄君は、意識不明だけど別の体に入って自由に生きてる、、。」
森志麻も同じ様子で居る。
「はい、そうなんです」
市凛が二人に言う。
そんな三人の様子を見たエリーが、
「ねぇねぇ、今から井關さんの所に行ってみるのは?」という。
「えっ?、、確かにそれはありかも」
市凛がエリーの提案に賛同する。
「待て待て、仮にその案に賛成したとして俺達、その井關さん?って人の場所分かんないだろ。」
迅先生が二人に言う。
「それは、あたし達が案内をすれば良いでしょ?」
エリーが言う。
「はぁそれはダメだ。時間も遅い危険だ。」
迅先生が言う。
その横で森志麻は頷いている。
「二人が居るなら良いじゃないですか!」
市凛が大きな声を出して言う。
迅先生と森志麻はその様子を見て少し考える事に
、、、、結局あの後、二人の提案を受け入れ四人で井關の元に向かうことに。
例の中華料理屋に着くと、五人で少し話をして、
黒電話の所に行く。
井關さんが電話番号を入れてかけるが、
出る出ないの問題では無く、そもそもが動かなくなってしまっていた。
……
時は戻り、夜神本さんが亡くなった報道がされた場面まで遡る。
「黒鉄くん、今お時間大丈夫でしょうか。」
黒鉄の部屋に執事長が入ってきた。
「執事長どうしたんです?珍しいですね。こんな時間に」
黒鉄が執事長に尋ねる。
「少しお話しをしなくてはいけない事がございまして。」
執事長は真剣な表情で言う。
「分かりました。話してください」
執事長の発言、表情を見た黒鉄は返事をして、執事長が話すのを待つ。
「ありがとうございます。」
執事長は一言挟み話をする。
「実は先日、ワタシ宛に一通の手紙が届いてあったのですが、その内容がですね。こちらです。」
執事長は、そう言い黒鉄に自身宛ての手紙を渡す。
「読んでみてください。」
執事長は、黒鉄に指示を出す。
『拝啓斎賀峻平様
お久しぶりです。と言っても貴方は私の事は分からないと思いますが。
そんな事は良いんです。実はお話があってですね。少し協力していた抱きたいのです。
近いうちに夜神本さんと言う俳優が螺旋状の傷跡がついた状態で発見されます。
そして、その日のうちに南条銀行で強盗が起こります。
その時、貴方にはやってもらいたいことがあります。
その内容は、夜神本さんの死体が見つかった場所に言って、ある物を回収してもらいたいのです。
その、ある物には人の遺骨が入っているから貴方でも分かるはずです。
引き受けてくれるかな?
、、、まぁもし引き受けてくれないなら、貴方の周りにいる人に危害が及ぶだけですけどね。
しっかり考えといてください。
あっ、、警察に話すとかも辞めてくださいね?
もし警察に話したりしたらどこに居ても殺しますからね?
もしどうでも人に話したいなら、黒鉄真生と言う少年だけです。
貴方もご存知の黒鉄真生君ですよ?
それでは、さようなら
よく検討してくださいね?』
「これは、一体?」
黒鉄は、執事長に手紙を返しながら言う。
「私にも分かりません。ですがこの手紙の差出人はワタシを知っている様に文章を書いていますし、何より、手紙の内容の通り夜神本さんが殺害されてしまっています。」
執事長は、手紙を仕舞いながら話す。
「確かに、ちなみにこの手紙はいつ頃届いたんですか?」
手紙を受け取った日を尋ねる。
「五日前ですね。」
執事長が答える。
「五日前ですか、、、、犯人だとしても送ってくる理由が無いですよね」
黒鉄が言う。
その後、手紙の内容が実際に起こっている為警察には言わずに犯人の指示には従わない方向で一旦話を固めた。
黒鉄真生視点
「それが、あんたが殺害を繰り返す理由か?」
Xと話をして、Xに質問する。
「あぁそうだよ?君も理解してくれるよね?」
Xは妾に共感を求めてくる。
「理解はするし、協力もする。、、、、だけど根本的なやり方は否定させてもらう」
話を聞き、Xの質問に答える。
「そうか、、今はそれでいい、協力してくるなら何でも構わない」
Xはそう呟き続けて、
「一回荒瀧君と話をして来てくれないかな?」
と話す。
「分かった。だがどうすればやれば良い?話を聞く限り任意での接触は無理なんだろ?」
Xに質問する。
「そうだよ?基本的に任意での接触は無理。だけどね、ここにはこんなに大きなモニターがあるじゃないか」
そうXは答える。
「何?これを使うのか?」
Xに尋ねる。
「そうだよ。まぁ正確にはこのモニターに繋がっている装置を使うんだよね」
妾の質問に答えた後に病院で付けられた例の装置を取り出すX。
「あっ!それって、病院で使った機械」
驚きながら言う。
「まぁ見覚えはあるだろうね。簡単に言えばこの装置を使った後数時間は、任意での接触と集中力、運動能力、思考力の向上が起こるんだよね」
装置の説明をXは丁寧にする。
「えっ?でも妾の時はそんな事起きなかったぞ?」
病院からの経験を思い出しXに話す。
「それは、制限されていたからだよ。意図的にね」
Xは続けて話す。
「僕の話を聞いてわかったと思うけど、奴の一番の狙いは君なんだよ。良い方でも悪い方でも、その為に制限した装置を使用する事で旨味だけを利用しようとしたんだ」
Xの話を聞いて、妾は装置を手に取る。
「つまりこれは制限無しの言わば完成版、、という訳か」
Xの顔を見ながら話す。
「そう。そして集中力と思考力の向上が起こる事によって、見えない物が見えてくるようになる」
装置の起動と設定をしながら話すX。
「なるほどな、とりあえずその装置を使えばいいんだな」
妾は小言を言う、
その後、装置の準備が終わり、指示通り装置を使った。
斎賀峻平視点
「えぇそうですね。確かにその可能性はありますが、雪子さんには申し訳無いですが、やはり早急に行動するべきかと。」
___そうですね。ワタシもそう感じてました。いつ頃に動き出しますか?___
「そうですね、、、、ですがその前にひとつ気になる事がございまして。」
___気になる事ですか、一体なんです?___
「ここの部屋の扉が空いていたのでおそらく誰かが侵入した可能性があります。」
___そうですか、、まぁ無事問題なく使えてるようですので深く考えなくて良いでしょう___
後書き
拙く読みにくい文書になってしまい申し訳ありません。
一応「」のセリフが句点で終わっている人物は主人公・ヒロインでは無い事を表しています。
誤字脱字が時たまあるかもしれませんが。初めての作品ですのでお手柔らかにお願いします。