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ep7 怪文書

 「みたことのない文字があるな、記号ではないようだが。パイラ君はどうみる?」


 「そうね、同じ単語がいくつもあるから、人名かもしれないわね。」


 やっぱり、文字になると難しいのかな。


 彼らは日本語をマスターしているものだと思ってたが、読むのと話すのとではまた別物何だろう。


 「僕が読もうか?やっぱり日本語は読むとなると難しいよね。」


 「無神は読めるのか、何故?どこで知ったんだ。」


 ラズさんは何で僕が日本語を読めることを疑問に思ったんだろう。


 「それはどう言うこと?こうして日本語で話してるじゃん。」


 ラズさんはそれでも納得してくれそうになかった。


 「―経優さん、私も日本語という言語は聞いた事はないし、私たち今、スタンシア語で会話してるじゃない?」


 「そんなわけが…一人一人が異国の言語語を使い会話を成立させていたとでもいうのか、だが、どうやって…」


 それぞれが考えてみても答えは出せなかった。


 だれも口を開かない。嫌な予感がした。

 

 僕だけが読める言語は明らかに黒幕と通じている、なんて事になりかねない。



 「ラズ、そこで話しをしていても仕方ない。一度部屋から出て落ち着いて話し合わないか。」


 そうだ、ルビさんは扉を守っていたんだった。


 一度切り替えた方が上手く話が進むだろうしその方がいいだろう。


 「そうだな、各々(おのおの)が考えているだけではらちが明かない。」


 

            ♢


 ロビーに出て一度、頭を冷やしてお互いに話し合った。


 「私、考えてみたんだけど、今は"何故か"はあまり考えても仕方ないことだと思えてきたんだけど、」


 「そうだな、こうして状況を変えうる成果を発見できた。意味のないことに取り乱す必要はなかったな。」

 

 「そうだよ、ここにきて初めての突破口がみつかったんだしさ。」


 僕らは反省を口にして、ルビさんの方を見た。 


 ルビさんが僕達を止めてくれなかったら、ここまで丸く治らなかっただろう。


 ここを出る事はおろか、互いに疑い合う事態になっていたかもしれないのだから。


 ルビさんは話を聞いて納得したように大きく頷き、そして気まずそうに言った。


 「すまない、俺にはお前達の会話にはついていけそうにない、だが出来ることがあれば俺を頼って欲しい。」


 そんなにストレートに言われると何だかもどかしい。


 僕もルビさんの謙虚な姿勢を見習いたいな。


 「う、うん。大丈夫よ、コランダムさん。あなたはいつも大事な場面で気が回るもの。頼りにしてるわ。」


 確かに、一気に場が和んだ気がする。


 「気を取り直して、無神。その手紙にはなんて書いてある?」


「ん、ああ。これね、えーとね。」


 やけに古い表現だな。どれどれ、


 羊皮紙には日本語でこう書かれていた。


       


 "今は亡き救世主の魂と大器たいきが重なりし時、再び試練は訪れるだろう。


 その世で救世主を導き、全てを乗り越えしの者の大器も晩成す。


 選ばし者よ、試練を乗り越えたあかつきには、創造主たらんことを。"




 僕は書いてあったことをそのまま読み上げた。何となくはわかるけど、これどんな意味があるんだか。


 「…いくつか不明な点があるが、明確な部分から洗い出してみるか。」


 ラズさんは文字を指差し復唱している。まさか、覚えようとしているのだろうか。


 パイラさんの方は目をつぶって集中している。


 二人ともこれで何かわかるのか凄いな。


 ラズさんは救世主の文字を指をさして、囲った。


 「ここ、最初に『亡き』がついてるのに、次の文章の中ではなくなっている。省略してしまえば意味が変わってしまう。」


 「それにここ、全てを乗り越えし彼の者。これは救世主とは別人だ。」


 うーん確かに、最初は救世主って人がメインの話かと思ったけど。違うのかな。


 「すまないラズ。俺にもわかるように言ってくれないか。」


 「コランダムさん、ここは私から説明していいかしら。」


 ルビさんはああ、というとパイラさんは話の重要なところを言い当てた。


 「つまり、この文書の登場人物は私たちなのよ…イタズラにしては陰湿すぎる。…最後に書かれている"選ばれ者"以外は全員死んでるのよ。」


 僕は今一度読み直し、唖然とした。彼女の言っていることは真実だった…


 「確かにそうだな、だが今は現状の把握よりも計画の立案だ。」


 みんな呆然とするなか。ラズさんはいつもと同じ口調で指摘した。


 「長々と綴ってはいるが、今の我々に関係するのは"魂と大器が重なりし時"ここが唯一ゆいいつの動詞(命令)だ。」


 「そして、このステッキが必ず関係している。つまり、こういう事だろう。」


 彼はバトンの様にルビさんに手渡した。

こんばんは、石乃岩緒止いしのいわおと

いつもご愛読ありがとうございます。


いやーなかなか、書くのってこんなにしんどかったんだ。すみません、愚痴の様な真似を、、、、読むのと書くのでは全く違いますね。


前回のシーンからあまり進んでなくてすみません。もっと書くつもりだったんですが、書き上げるスピードが遅くて一日800字ぐらいしか書けないので2日にいっぺんにさせてください。


ゆっくりでも確実に面白いと思って頂けるよう最善を尽くしたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。


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