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ep5 宴会後半

ウルブロ(狼)たちを追い払い、無神ながみとコランダム族の戦士たちは無神を連れて彼らの住処すみか、コロネルに戻る事になった。


初めは無神の受け入れが危ぶまれたが、フロウの協力によって、彼らの長老であるクオツの歓迎を受ける事ができた。

 フロウ凄いな、あのお婆ちゃんを上手く誘導したんだ。


 暗い中コランダム族の人たちのにぎやかな声が飛び交った。


 みんなは良くこの暗闇で食事が出来るな。


 そう思って辺りを見回すと、向こうから子供たちが走って来るのが見えた。


 「ねえ、お前は本当にお話しに出てくる人なの?」


 「お空を飛べるの?俺も飛んでみたい。」


 「うーんとね、どう言えばいいかなぁ…」


 ん?何かがおかしい。


 こんなに幼い子がお前と呼ぶのもそうだが、女の子達の主語が俺なんて…それも全員が…


 こんな子供が"お前"とか自分を"俺"だなんて言うのは少し変じゃないかな。


 ( ?自分の事を言う言葉は"俺"しかない。相手のことを呼ぶ時も名前か"お前"を使うものだ。)


 そうか、主語とかが一つしかないんだね。


 ジジジジッ


 頭の中に聞き慣れない音がした。


 「ねえねえ、教えてよ。お兄ちゃん!」


 「うーん。ごめんね、そうだなぁ。お兄ちゃんはね、お話しに出てくる人じゃないんだ…」


 あれ?何か違和感が無くなってる?


 まぁいっか。


 「ほら、経優きょうゆうの奴が困っちゃうだろ。俺と遊ぼうや。」


 子供たちに囲まれて身動きが取れずにいるとオレンジ頭の快活かいかつな青年が割って入ってきた。


 

 えーと、確かアン…


 ( …アンドルだな。向こうにいるのはフロウだ。) 


 ああ、そうだアンドル。


 「アンドル、大丈夫だよ。子供の純真じゅんしんで自由な発想は凄いなと思うから大切にしたいんだ。」


 「へぇ、すげぇなあんたは!聞いたかフロウ!」


 アンドルは子供たちを抱えて肩に担いだり、振り回したりしながらフロウに呼びかける。


 「ふん、子供は好かん。」


 彼はそう言いながらそっぽを向いた。


 

 なんか対照的だね。


 ( …)



 心の中でルビに声を掛けてみるも返事はない。

 

 心の中でルビが落ち着きがないのが伝わってくる。


 何か気がかりな事でもあるのかな。

 

 僕は子供たちに聞かれた事に出来るだけ優しく答えて、アンドルに任せてその場から離れた。


 

 どうしたの?何か心配な事でもあるなら言ってみてよ。


 ( ああ、それがな、見当たらないんだ。)


 誰が?


 ( サファだ。あいつ、最近様子がおかしいんだ。)


 サファ?


 

 ルビがここまで不安なのは珍しい。


 「経優、ちょっといいか。」


 「びっくりした!ああ、ルビか どうしたの?」


 ルビに後ろから声を掛けられて心臓が飛び出るかと思った。


 「…それがな、サファがいないんだ。…お前に頼みたい事がある。」


 「わかったよ。何でも言って!」  

 

 僕らは賑やかな大きなホールを抜けて長い通路を通り人気のない玄関ホールまできた。


 「経優、あったばかりのお前にこんな事を頼むのは心苦しいが…俺の妹を連れてきて欲しい。」


 え!妹がいたのか。


 ( …ああ、3つ下の、な…)


 「いいよ。僕に出来る事なら、やってみるよ。」


 「本当か!…すまない、兄である俺の役目何だが…」


 ルビにもどうしようもない事ってあるんだな、よし!



 「こういうのはさ、身内だからこそ どうにも出来ない事だってあるし。」


 「他でもない命の恩人の頼みだから、やらせて欲しい。」


 僕はそういうと外へ出た。


 「…おそらくコロネルの頭、東にいるはずだ。」


 僕は振り向かずに手で親指を立てゴーサインをおくると東へ向かった。


           ♢


 僕らがコランダム族の住むコロネルの極東まできた頃には月が真上の方まできていた。


 それにしても長すぎる。本当にいるのかな、


 ( それは間違いない。サファは一人になりたい時によくここにくる。)

 

 仲がいいんだね、羨ましいよ。


 ( そうでもない…経優、俺からも頼む。)


 …やってみるよ。



 ついに、先端まで差し掛かった。


 僕は壁際から恐る恐る顔を出して覗きみると人影が見えた。


 

 …よし、頑張れ経優。



 僕は今日一番に緊張を振り切って彼女のいる月明かりの下に足を踏み出した。


 「…ああ。」


 そこには夜空を見上げる天女が佇んでいた。


 青白い月明かりに照らせれて流れる様に藍色の髪が揺れている。


 暗闇の中を突き刺すような白い肌は天女を思わずにはいられなかった。


 つられて空に浮かぶ月を見上げると、今日は満月だということに気がついた。

 

 久しぶりにみた月は記憶の中にあるものより煌々と輝いてみえる。


 「月が綺麗だね。」


 …あ、またやってしまった。


 僕は自分の口にした言葉をひっこめたくなって、彼女の方を見ると 空を見上げたまま指でサインを送ってきた。


 彼女の隣の位置に何度も指差している。こっちに来いってことか?


 ( …サファ、お前…)


 ルビは悲しそうにそういうと口をつむいだ。


 「急に話かけてごめんよ。変な意味ではないんだ―」


 ブゥン!


 僕は彼女に誤って横に着いた途端、大きな影が視界をおおった。



 「わぁ!」


 余りに突然の事で腰を抜かして、砂地に尻もちを着いてしまった。


 何か起こった?上から何かが降ってきたような。


 僕は立ち上がり目の前にいるものをじっくりとみた。


 「わぁ、カッコいい。」


 そこには夜に似つかない虫の王様がいた。 


 細長くもシュッとした胴体に飛行機のような左右に二枚のはねを震わせながら彼女を守る様に空中に静止してる。


 「あたしに近づくと痛い目を見るわよ。」


 彼女は意味がわからないと言いたげに巨大なオニヤンマの背後から覗きみながら声をかけてくれた。


 「これ、どんな手品なの?虫が人の言うことを聞くなんて。」


 「…変な人ね。私がお願いすれば その様に動いてくれるのよ。」


 はぁ、虫と意思疎通テレパシーが出来るなんて。


 「凄いね!何か感動したよ。」


 「…気味が悪いと思わないの?」


 「なんで?全く思わないよ。」


 「―、座りなさいよ。」


 しばらく沈黙が続いてから、彼女が今度は直接、腰をかけるように言ってくれた。

 

 思っていたよりも面白い子だな。


こんばんは、皆さまお久しぶりです。石乃岩緒止いしのいわおとです。


間が空いてしまい申し訳ありません。ここからは言い訳になってしまいますが、、書いた文書をコピペしようとしたら誤って削除してしまいまして、、、

それに加え、仕事のストレスで腰をやられてしまって書くのが遅くなってしまいました。

すみませんでした。不甲斐ないなと思います、、

まだまだ書き続けようと思いますので、次回もよろしくお願いします。


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