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ep1 赤の世界へ。前編

 不思議な部屋から消えてしまったルビ、無神の二人。


再び試練が待ち受ける。


彼らの行く末はいかに、、、


 気づけば、風を切る音がして空を飛んでいた。


 下の方には雲の海が見える。太陽の光に照らされ白く反射している光景はとても幻想的だった。


 雲の海がだんだん近づいてくる。


 雲を突っ切っると丸い地表がみえた。


 抜けた先はカラッとしていて別世界が広がっていた。


 下には赤い砂地が広がっていた。


 地面がだんだん大きくなっている。


 あ、これ落ちてる。

 

 まだ、遥か上空にいるが確実に地面に近づいているのがわかった。


 人生初のスカイダイビングがパラシュートなしだなんて…


 これ死んだわ。


  どうしたって助からないや。


 ( …足で着地して前方に体を丸めて回転するんだ。)


 頭の中で聞き覚えのある声がした。


 誰?


 そんな疑問がよぎったが、みるみる地面が近づいてくる状況で自然とそれしか道はないと悟った。


 着地は足で、


 僕は手を使って空中で大勢を取り直すと集中する。


 どんどん地面が迫ってくる。


 ズドン!


 砂が高く舞い上がる。


 ゲホッ。


 僕は猫が高い所から降りるイメージで着地し地面に手をついて前回りしたつもりだったが、手首と足首がズタズタだ。


 「生きてるよね、」


 ( ああ、よくやった。)


 本当、生きてるのが奇跡…だ、よ?…


 ちょっと待って、もしかしてルビさん?!


 ( ―ああ、そのようだ。)

 

 

 えーと…夢?なんでルビさんが語りかけてきてるんだ?


 ああ、幻聴か、鳥居を潜って忘れてたけど、精神疾患で幻覚の症状が―


 ( とにかく無事でよかった。俺もなぜお前の中にいるかはわからんが―)


 …さっき助言してくれたのは、ルビさんなの?


 ( ああ、俺も高い所から落ちた事はないが、受け身を取れば助かると思ってな。)



 当たりを見回してもルビさんの姿はみえない。どうやら本当に僕の中にいるらしい。



 うーん、何でだろう。


 僕は顎に手を当てて考えてみたが、こうなった原因は一つしかなかった。


 ( 俺もそう思う。俺には無神が先に消えてみえたが、その後は記憶が無い。)



 僕は少しドキッとした。だって心を読まれているようなものだったし、僕の意思から反している様にみえた。


 当然、一人言は自分の意思を100%反映してるものだし。

 もし、僕なら初めてこんな場所に放り出されたら、パニックになってるけど…


 この状況でもルビさんは落ち着いているように思える。


 ルビさん、ここがどこか見覚えがあるの?


 (ここは俺の故郷周辺の大地だ。)


 故郷、か。まだここが僕の知る世界の可能性は捨てきれないよな。


 ( 無神は、この状況に心当たりがあるのか?)


 え、ああ。なんて言えばいいかな…

 

 僕の住んでた環境にはね、ちょうど今起きてるような現象を扱ってるお話しがあってね。

 異世界転移とか、異世界転生なんていうのが寓話エンタメとして流行っててね。


 ( 寓話でか、こんな奇妙な状況を皆で語らうとは、お前の世界は凄い所なんだな。)



 ルビさんは恐ろしく飲み込みが早い。


 凄いなぁ。僕だったら知らないこと言われても分かんないのに。


 きっと、ルビさんは環境さえ整えば現代にも通用するぐらい頭が良いんだろうな。


 そう思っていると、ルビさんが呟く。



 ( 俺も不思議だとは思うが、今日の異常な天気には心当たりがあるんだ。)



 言われて、ふと上空を見上げる。


 先程までいた雲の位置が少し高いぐらいで特に異常とは思えない。



 僕から見たら異常には見えないけど、


 ( ここハーラの大地で雲を見かける事は殆どないんだ。俺はこの日の事を覚えている。)


 え、記憶が戻ったの?


 ( ああ、だが全ては思い出せないが とても珍しい日だったからな。よく覚えている。)


 言われてもう一度見上げてみる。夏の積乱雲のように雲が積み上がっている。


 考えてみれば砂漠はこんな沢山の雲が空にある事は異常なのかも知れない。


 確かになぁ、こんな砂漠の真ん中で、こうはならないか。



 辺りを見回して見えるのは赤黒い砂山が無数に広がっている。


 地平線は太陽から発せられる熱でカゲロウがみえている。


 異世界に迷い込んでしまったのか。


 ここは火星かと思う程どこを見回しても赤い世界だった。


            ♢

 

 ルビさんと心の中で話をして、気が付かなかったが痛めていたはずの手足が完治していた。


 思えば激痛は最初だけで その後はすぐに痛みが引いて治っていることに気づいたのは歩き始めてからだった。


 「あれ、痛くなくなってる。」


 ( あれだけの怪我がすぐ治るはずがない、触って痛くないのか。)



 言われた通りに怪我をした部分を触ったり押したりしてみても痛みはない。



 治ったみたいだよ。ほら、僕はその場でジャンプしてみせた。


 (…確かにな、だがあまり無理するな。)

 


 僕たちは、今の現在いる場所を確かめるために、砂山に登った。


 写真でしかみた事はないが、小笠原おがさわらの裏砂漠をもう少し赤黒くした感じだ。


 赤みが強い分余計に未到の惑星(火星)に降り立った気分。


 

 ( あっちだな。無神、あそこに行けば会えるぞ。)


 会えるって?


 ( コランダム族。俺たちにだ。)



 彼はどこか、誇らしげに言った。




 

 

 




新編 サバク、裁く編突入!

 少し挑戦的な表現を使っておりますが、ご了承下さい。



いつもご愛読ありがとうございます。ここからは少しメタい(リアルな)話になってしまいますが、すみません。


 私は働きながら執筆させて頂いておりますが、本業の方が少し大変な状況でして、暫くなるべく書き上げて直ぐに投稿するという形になると思います。


 本を書いて読んでくださる事は既に私にとっては掛け替えのないものですので、2日に一度は何がなんでも投稿していきますのでよろしくお願いします。

リアルな上記の内容は仕事が落ち着き次第、変更します。お手数お掛けしてすみませんでした。

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