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41. 皆様、拍手でお出迎え下さい

翌朝。 オリハルコンを詰め込んだ木箱を荷馬車に積み込んだ、二日酔い三日酔いの呑んだくれ太郎達と、護衛の準備に余念が無い大地の牙。 出立の準備が整ったアルベルト様とオリオールさん、そしてギルバート商会のダテさんに、「次に村々にお越しの際には、是非とも、うちのお宿にお泊まり下さい」と、清々しい笑顔で言う俺(自分で云うか?)に、「あの純米酒とやらは、やはり世に出せぬのか?」と諦めきれないアルベルト様は尚も食い下がるが、「先程、酒蔵を見て参りましたが、やはりお泊まりになられるお客様のためのようでして、今はありませんでした」と、アルベルト様に残念なお知らせをしましたら、ガックリと頭を項垂れてしまいました。 「諦めましょう、アルベルト様。次の機会に楽しみましょう」と、あからさまに残念がるアルベルト様を慰めるオリオールさんに、「うむ…」と力無く答えてました。 「わふわふ」「ぶるるん」と荷馬車に繋がれた馬達と会話する虎太郎(なんとも微笑ましい光景なのでしょう…)。 しかし突如として頭上から、フッと何かしらの気配を感じた俺と虎太郎が、同時に空を見上げました。 そこには、真っ白い大きな狼が…。 「あ…、大神様だ

…」と俺の呟いた小さな声に、覆い被さるような「あんれま〜、大神様だぁ〜」と祖母の声に、出立の準備をしていた彼等も一斉に空を見上げました。 突如として見上げた空に現れた神狼に、両眼を見開き(零れ落ちそうなんですけど?)、ポカーンと口を開けて(顎が外れましたか?)、呆然としたまま固まる彼等を他所に、「大神様〜」と両手を振って挨拶をする俺と、頭を下げた目の前で「なんまんだぶ…、なんまんだぶ…」と呟きながら両手を合わせる祖母と、キラキラとした笑顔で尻尾をブンブンとフル回転させる虎太郎(いつも通りな孫と祖母と一匹)。 

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