14. 二日酔い?三日酔い?
酔い潰れて眠る彼等のイビキが、何かしらの猛獣の遠吠えのように聞こえる朝です(久々に清々しくない朝を迎えました)。 給仕係の俺は、夕餉の片付けをしながら、朝風呂の準備です(宿といえば朝風呂ですよね?) 祖母は調理場にて、夕餉の鍋料理の汁とご飯を混ぜたおじや(二日酔いの胃腸に優しい)と、甘めの卵焼き(ふわッとトロ〜リ)です。 調理場で朝食の準備をしていた俺と祖母に、「あぉん」とおはようの挨拶をする、寝惚け眼な虎太郎に祖母は、「えぇ子やえぇ子や」と虎太郎の頭を優しく撫でてます。 そうそう虎太郎は、馬小屋にて馬に添い寝をしてました(優しい子です)。 チラホラと寝惚け眼の二日酔い(三日酔いぐらいしてない?)が目覚めました。 「朝食の準備が整いました。お腹に優しい朝食となっております」と俺が告げると、彼等の目の前には、丼茶碗のおじやと小皿の卵焼きが盆に並ぶ。 丼茶碗のおじやをスプーンで掬って一口啜る。 「ほッ」と一息付いて、小皿の卵焼きを一摘みする。 又々「ほッ」と一息付く。 二日酔いの彼等には丁度良い朝食でしょう。 「朝風呂の準備も整いました。露天風呂でスッキリして下さい」と、朝風呂を勧めておく。 俺に言われるがまま、重たい体を引き摺るように歩く彼等は、大露天風呂から「はぁ〜」と又々一息付いてます。




