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歯茎痛いです
「黒崎さん、僕学校行かなきゃ」
「うーん、もう目眩しない?大丈夫?」
「あれから3日だよ、もう大丈夫!」
「それならいいけど心配、ちゃんと俺ん家に帰ってきてね」
「うん、ありがとう……!」
あの事件からまる3日吐き気と戦い、やっと起き上がってご飯食べてもなんとも無くなった。幸い土日祝だった為学校は休まなくてすむ。
「白音君、これお弁当、君は細いんだからちゃんと食べてね。」
「お弁当……!ありがとう!」
初めてお弁当貰った!嬉しい!
学校に行くのがこんなにワクワクしたの初めてかもしれない。
黒崎さんはリモートワークで働いているらしく、帰っても家にいてくれるみたい
嬉しくてワクワクと学校に行った
この3日間非現実的だっただけに急に現実世界に帰ってきた気持ちになる。
「あっ、白音!全然連絡取れないから死んだかと思った!」
明るく話しかけてきたのは八城 優里。高校で1番つるむ友達だ。
「ごめん、色々あったんだ」
「なんだよ色々って!また怪我増えてる……けど珍しいね手当するなんて」
「……これは……やって貰ったの」
「むむっ、なんだその意味深な笑みは!」
そんなこんな話していると始まりのチャイムがなり授業が始まった。
そんなこんなでお昼時間になってワクワクとお弁当を広げた。
「えっ、白音それお弁当!?どうしたのほんと」
「えっへへ……作ってもらった」
「…………もしかして彼女出来たの?」
「えっ、そんなんじゃないよ、男の人だし」
「…………ふぅん」
なぜか優里は不満そうな顔をしていた。
……彼女、そういえば黒崎さんは彼女とかいるんだろうか
あんなに優しくてかっこいい人、女の子が放っておくなんて考えにくい
……ちくり
彼女、いたらやだなあなんて考えてしまうのはなんでなんだろう
心がちくちくする、まだ薬残ってるのかな
その後の事はあんまり覚えていない、頭が黒崎さんの彼女の事でいっぱいになる
あの優しくて暖かい手が他の人に触れてるって考えるだけで心がそわそわと落ち着かなくなってしまう
いやだなんて考えるのはなんでなんだろう
僕は男なんだから関係ないじゃないか
もんもんと考えていると1日はあっというまに終わった。
黒崎さんのマンションについて緊張ぎみにオートロックのチャイムを鳴らすと黒崎さんの声がした
「あ、おかえり、鍵開けたよ」
「ありがとう……!」
遠慮気味に黒崎さんの家に上がると黒崎さんが暖かいお茶を用意してくれていた。
優しい、暖かい
こんな優しい黒崎さんの彼女……羨ましいな
また意識が黒崎さんの彼女にいく。折角目の前に黒崎さんがいるのに何考えているんだろう
「あの……黒崎さんって彼女とか居るの……?」
「えっなに急に!?居ないよ!?」
分かりやすくホッとする自分がいる
「なんで急に彼女なんて聞いてくるの?」
「なんか、居たらちょっとやだなって思って……」
「ちょっと?ちょっとなの?」
「へ?」
急に怖い顔をした黒崎さんに心臓が固まった
「……なんてねっ!今日のお茶どうかな、口に合う?」
「え、あ、美味しいよ」
「よかった」
黒崎さんはニコリと微笑みかけてくれた。
さっきの顔は気のせいだったのかな




