店開き
全員が出るとアイイラが話しかけた。
「危ないですよ、ヤグアラウナ。元の国は危険です。ヤグアラウナにだって誰よりも。あいつらが何をするか知っていますか」
「わかってる。でも、助力があるから平気だよ。心配してくれてありがとね」
アイイラが訝しげにこちらを向いたら、また客さんが入ってきた。あたしがアイイラを通り、客さんを歓迎した。
「いらっしゃいませ」
食卓へ案内している間にカウアンニが次の来た客さんを担当する。
「えっ。えっと。味付か」
「うん。初めて来た方に味見の盤は人気だよ」
ただ今出た六人の内にね。
「高いだけど、二つを」
「分かった」
あたしが勘定場にアイイラから果実を取りに行くと後ろから客さんの話を聞く。
「黒い猫だぞ」
「道理で元の国の連中が来たな。あっ、座り心地いいな」
「寝台のようなものか」
「モルビシャバとエルフがあれだけの兵士と共に見に来たのはまさかの食堂だったな。ここにそんなことがあって知らなかったよ」
「そんなにいい飯があるのか?それとも、女のために来たか」
「献立にいないから、女じゃないと思うよ。多分だけど、話し合うために来たんだろう」
「それのほうがありな」
客達からその話とそんなに変わらない話も聞いた。好奇心に来たな。
まあいい。こちらの美味しさを伝わってくれればそれで満足だ。
そう思えば、時間がたつと人が増える。外でも人が待つようになるくらいだ。全員の口から美味しいと聞く。
よく伝わってくるね。
「全部美味しくてとってもよかったわ」
「いい味付けがついた。また来ようね」
「うむ」
支払う二人の客さんにあたしが提案を上げようことにした。
「そうならば、店の札を作るのはどうですか」
「何それ?」
「この札では店に黒貨を保存してから、後でその黒貨で全部を一割の半分の値引きで買えるようになる。今、五黒貨を店に渡したら、店からこの札を渡される。各五黒貨の値引きは黒貨の四分の一になるね」
「いいな。私がほしいよ」
「私も」
「はい。お名前をください」
一つの帳簿を仕上げるところで一人の男が叫び来た。
「遅いよ、ガキ」
脅威にあたしの前の二人の女が顔を伏した。
アイイラとカウアンニに何もしないようにと目で言って、あたしがこの仕事を終える。
「この札で自分の帳簿にある黒貨で支払える。今回を払うようにこちらに入ってどうぞ」
うるさい男を無視して、二人の女に札での支払い方を説明する。
複雑な札が小さくて中央に穴もあるから、人気な飾りと似合うことで飾りとしても使われる。それも指摘したらおっしゃれな女達がまた嬉しくなった。
「素敵、またね」
「また」
笑顔であたしが女の二人に手を振るうとついにうるさい男の出番が来た。
「持ち帰りがほしいですか」
「よくも時間をかかったな。俺が誰だと知らんか」
「もちろん知ってるの」
切迫に話し来た男にあたしが一瞬の逃さず快く返事をする。
「お客さんが疲れた労働者の一人だね」
「労働者?」
間抜け面に加えてあほの声で尋ねてきたこの客にあたしがこちらに覗く皆に聞こえるように説明してみる。
「えっと、生産手段を所有しないから、例えば怪我などのおかげで仕事ができなくなったら、借金が溜まったり、妻達が他の兵士と結婚したがったりする者だよね。それはつまり、労働者だ。違う?」
笑顔のままで確認するあたしが当たったか?それとも、子供にそこまで言われるとは思わなかったのかな。彼の顔が前よりも面白くなったが、それについて何も言わない。
「あたしとしては病気で仕事を出来なくなったら、この店が店員全員の物だからあたしが働けなくても、まだ黒貨を稼げる。でも、君がまだただの生産手段の所有をしない労働者だからそううまく行かないな。生産手段を所有する仕事を探さなきゃね」
心強く言ったら、彼と他の客達もが愕然とした。予想外かもしれないんだけど、違いではない。
まあ、本当に労働者として数えられるかどうかは少し怪しいだけどね。こいつは兵士として二人以上の妻を取れるなんて、この世界では高い位置として数えられるだろ。
でも、そうだとしても、金が人生維持に足りない場合が多々出るから、豪華な貧乏のような地位になるね。
とにかく、今回くらいはここまでにしよう。
「で。何かをご注文しますか?味見の盤が特に人気であるよ」
うるさいこいつはアイイラが持ち帰りを望む人として勘定へ促した。
でも、なんとかこいつがもう一度怒った。
「おまえ」
「はい?四人向けの果実の筒の持ち帰りは運びやすいよ。隠しにちゃんと収められる」
四人分か、六人分の果実の筒は結合された六角形のお椀の六角形の筒になるのだ。
「そんな物が食べ物か」
「もちろん、見て見て」
あたしが筒の一端のお椀を少しの力で筒から途切れる。
「こちらに押して、蓋を外すことができる。それに、中の粒に加えて蓋もお椀も食べ物同士なんだよ。残りは持ちろん、簡単に隠しに戻せられる」
とそう言って、途切れた部分を元に戻す。
まあ、全部が果実の色だから、お椀も食用だということには彼もが気づいたみたいんだね。
「四人分の味付けられる物はこれが一黒貨だ。それとも味付けられないのが欲しかったら七人分が黒貨の四分の三になる。どうだい?今まで皆が美味しいって言ったんだ」
こいつは労働者であっても兵士とか猟師とかと深く関わってるかもしれないから、これ以上の攻めを遠慮しよう。
だから、簡単な選択をあげた。
こいつがこれを買って去るか、この筒を自分の頭で壊されるか、どっちがいいか?
小僧。
怒りを顔に出す彼がこちらを睨んで、隣の目が鋭く状況を見守ってることにも気づいた。彼がそんなに高位じゃないから、隣の人が上回る可能性も高いことも考慮しないといけないね。
諦めたと言わんばかりに、彼が財布を取る。
あたしの開いた手に半黒貨を置いたら、他の手が握る筒を暴走に取った。
まあ、彼にとっては悪くない選択肢だと思う。
「いらっしゃいませ」
次の客さんへ続こう。
「もう少しで閉店の時になるよ」
まだ三分の一の時間が残ってるが、客の数から見るともう少しで列に待つ人に持ち帰りを促したほうがいい。
「こんなに多い客さんがまだいるのに?」
カウアンニが少し残念そうにそう言ってきた。隣のアイイラも同じ顔だ。
「働きすぎると間もなく疲れるになるよ。ならば最初から健康を大事にしよう。客が待っていい」
「それはそうですね」
アイイラの残念の肯定に数人が戸を潜ってこっちに来た。
「少しだけ町を出たらこんなことになったね」
美人の灰色髪に赤い肌の女子だ。
「首にされたから仕方なかったよ。あたしのせいじゃない」
「まったく。どうしてそんなことになったか」
信じられないのように頭を左右に揺れながらこちらを眺めた。
「あたしにもっとの仕事を与えたかったのに給料を上げたくなかったんだよ。あたしがそれを拒否したら、仕事を取らなかったら教会に生き続けないって言われた」
「わたしがもうじきに仕事を終えたのにどうしてあほのやつらが計画を差し支えたんだよ」
「まあ、前線のおかげでいい時点だろ。タイナラ達にはどのくらいが必要か」
計画通りに行けばまた三年間の間に運動を隠蔽したかったが、前線の開きとそれに続いたあたしがこの店をちょっと計画外に手に取ったことで計画を思い直さないといけない。
計画がまだ固く定められないからあたしにこの事由があったが、今からの計画はちゃんと皆で固まらないといけないな。
あたしが考える間に美人も少し考えれば発言する。
「思ったよりうまく行くから一年の一割があれば最低限がなんとか出来るはずだ。それなのにこのあたり以外ではうまく行かないかもね」
「では、最低限を直ぐにできるように準備しようか。実はいつ何が起こるのは分からないけどね。それで、その二人は」
頷く彼女の後ろに三人の女子が立つ。アイゾ以外の二人は知らないけど。
「この二人は自分の町から出て仕事を探している。少なくとも二人を雇用できないか」
「三人でもいいよ。その後にまた一人か二人もほしい。この店に働かなくても次の店に仕事があるはずだ」
「同志達に連絡するから次の店に人を揃おう」
「アイイラと連絡してきてね。彼女が次の店の開きを担当してくれるから」
アイイラを手招き、二人を紹介する。
残念だけど、客をカウアンニに任せよう。
「アイイラ、この女はタイナラだ。あたしが教会に着いた時からあたしを手伝ってきて、あたしも魔術で手伝っていく。そして、タイナラ、こちらがアイイラ。皮革の店の娘で、自分の店で働きたかったからあたしが誘ってきたんだ」
「二人ともが長く手伝い合ってなんて、魔石板のすごい結果を出したんですね」
アイイラの言葉にタイナラが少し笑った。
「魔石板はヤの発明だよ。まあ、改良と情報を書くために他人も手伝ったが、ヤが本当にすごい」
「前に働いた者の仕事に自分の貢献をしたんだけだ。あたしでなかったら他人になったと思う」
地球から他人が写されたか、こちらの人達でもすぐに発明したんだろ。いい時計が必要だが、あってからたくさんのことが出来るんだ。
「そうかもしれないね。それに、アイイラ。店の営業に働いても他人と同じくらいしか得られないのはいいか」
「はい。それについて聞いて、読んだこともありました」
タイナラがアイイラの腕輪を覗いた。
「では、共産者の宣言を読んだか」
「はい。最初は読み止めましたが、興味深いの文を読んだ途中でもう少しを読むように促されまして、その繰り返しでもう半分を読んだと書かれました」
皆に渡す魔石板では共産者の宣言という小さな文を含んだ上に、全員が全部を読むための方法も設置したんだ。その他に、魔石板で何かを開く時にとか、画面に空いた所にとか文節の一つくらいもいつも表すことにしたんだ。
これであたしの腕輪を取った全員に少なくともの共産の意味を分かるようになると思う。
二人の話が終わったら、タイナラが三人をアイイラに任せた。
「アイイラも腕輪を持つから」
「二人ための家がありませんけど、必要であれば家を準備します」
「じゃあ、頼むよ」
「はい」
もうアイイラがたくさんの仕事を担当するつもりだね。
「販売以外にこんな多い仕事があればまた三、四人を雇用してもいいんだな、アイイラ」
「そうですね。任せてください」
今まで最強の笑顔を見せるアイイラが快く受け取ったからあたしも心強くなる。
「そんな人を探すから任せて」
タイナラも手伝ってくるならば今日でも見つかるかもね。
速い人は速いね。
「では、アイゾはアイイラを手伝ってくるか。後には彼女が他の町にも行くからいい機会かもしれない」
あたしがタイナラの後ろにいたアイゾにそう尋ねる。
「はい」
これも心強い返事だね。
「任せたぞ」
それでタイナラが出たら、アイイラが三人に仕事を教えた。全員はもう腕輪を持ってるから簡単に仕事の最低限を出来るようになった。
あたしの仕事の時間が終わったら、店を閉じずに遅番を新任達に任せたことであたしがタイナラ達に行ったんだ。
タイナラが旅の間に手に入れた情報はもうあったが、今まであたしにもらった材料の一部はまだ彼女の部屋にあった。
あたしの欲しいままに飛行船を作る機会の高い可能性があるからちゃんと準備しなくちゃね。
緑と赤い心臓の粉は必須不可欠だ。
あたし達が今まで拾った緑色の心臓の粉であたしの設計された百三十果実ための抵抗器しか出来ないから、手に入れそうの百八十五個の果実を備えるには普通の抵抗器の八個でギリギリに間に会える。でもさ、戻ってからもっとの抵抗器が欲しいの。
その他に赤い心臓の粉は魔エネルギーの源だ。でも、赤い心臓の粉が高すぎるから人形を作った時と違って消費しなくて、中に注いだ人の魔エネルギーしか消費しないね。まあ、飛行船に果実の中の魔エネルギーを使うつもりだから赤いやつは念の為にだ。
その赤い心臓の粉は後に返さないといけないの上に、使った魔エネルギーの価格はあたしのまだ払われない給料から取られる。
魔石板などを作るための仕事はちゃんと報われるね。
とにかく、速く準備が出来たから店に戻ろう。
早く飛行船を作りたいの。
今は閉店が近づくからあたしが様子を見たい。
店に入ったらアイイラの制服姿も見た。
「まだ働くかアイイラ?ちゃんと休憩を取らないとだめだよ」
「大丈夫。大半の時間を自分の部屋で過ごしました。アイゾから聞いた通りに店の札は銀行の計画に繋がっていますからちゃんと勉強しないといけませんでした」
アイゾがもうアイイラに情報を渡してるのはいいことだ。アイゾが責任を取るのはいやだから、アイイラと一緒に働いてきたらいいな。
「あれは広く深く影響を伸ばすのではありませんか」
「うん」
とそれだけを言った。
「ヤってば。それにエルフとの契約も結んだよ」
「あたしが果実を行きに取れるか。いつ飛行船が出発する?」
それは重要な情報だ。
「そうですよ。明後日出発するつもりです」
「ありがとう、アイイラ。もう準備できてよかった〜」
「一人で行きますか」
心配そうにこちらを見るアイイラにあたしが頷く。
「他人を守るのは難しいね。必要であればあそこにいる同志に頼れるから一人で行ったほうがいいと思う」
「そうですか」
そう話す間にまたタイナラが数人と一緒に入ってくる。
「新しい労働者が来たよ。アイイラが担当するか?それとも、アイゾに任せるか」
後ろに話を聞いたアイゾが隠そうとしたからアイイラが新人を教えることになった。
「えっと、タイナラさん」
「タイナラ同志でいいよ。輝く未来を作りたい仲間じゃないか」
「ハ、はい」
ここでてれてれするアイイラはかわいい。
タイナラが手を伸ばして、アイイラに石の小さな像を渡した。その時にアイイラが自分の腕輪へ視線を向いた。
腕輪が連絡を受けたとアイイラだけに示したんだろ。
渡された石の小さな像に二進法で何かが書かれたと腕輪の魔術が分かって、連絡を受けた信号をアイイラに見せたんだ。
アイイラの勉強が足りないんだけどね。
連絡が来た信号を把握したら、何もが起こらなかったのように振り舞ったほうがかっこいい。
共産者としての美学感重要だと思う。
とにかく、アイイラが連絡を読んだのかとあたしにも連絡のある石の像を渡してきた。連絡の内容はタイナラの営業する店をアイイラの営業する店と組みたいんだということだ。それにこの店の金持ちから得る金の少しを金の少ないの客さんがほとんどのタイナラ達に渡し、給料も百黒貨以上になる。
問題なさそうだからあたしがアイイラに頷くともに、あたしの手にある石の像をアイイラに戻す。その中にあたしからの連絡もあって、彼女が石の像をタイナラに返すと二人がアイイラの部屋に行った。
勘定場の裏から店の様子を見る。
人でいっぱいで、人々が果実を楽しみながら話し合ってる。
そんなことを見る間に外から音を聞く。
あたしが戸へ歩くと店に入るの列が球体の奥へ伸びて、向こう側にある入口から騒ぐ人達が来る。
「すげー、ヤ。独楽が今まで回っていたよ」
大勢の前点にイビリがあたしの独楽を手に話しかけた。
でも、思ったより長く回ったね。
魔法防止のおかげで独楽の回転速度を測れなかったから回転エネルギーが思った以上だったかもしれない。それとも、摩擦力が思った以下だったかな。
とにかく、イビリが渡してきた独楽を取る。
「誰よりも長く回ったな、君」
「イビリに教えたことを聞いたから後にまた勝負をしようよ」
話しかけたら夜更かしまで話し続けて、独楽以外の話題も大分あった。
その途中でアイゾがアイイラからの石を渡しに来た。それに含まれた情報の中に洞窟をもらったことも書いたから、家に戻る前にジャチコエに連絡を送った。採掘者をあたしと働くようにってのことだ。
明日は魔エネルギー捧げの日だから休日なんだけど、明後日はあたしが出発するから明日に数人に仕事を教えないといけない。
計画がよく進むから嬉しくならないわけがないよ。
計画がよく進むなんていつもいい感じですね。
とにかく。皆さん、読んでくれてありがとうございました。