表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

比較的最近更新した短編のまとめ場所

悪女の暗殺リスト

作者: リィズ・ブランディシュカ



 さーて仕事の時間だ。

 今回は楽だな。


 調査対象が少ないんだから。

 当然か。


 禁忌の魔術で、跡形もなくふっとんだ国の、歴史調査なんだから。


 しっかしはぁー、滅亡した国の調査なんて気が滅入るな。

 でも、こうやって異物を一つ一つ研究して過去になにがあったのか明らかにしていかないと、人間は成長してかないし。


 後の人類の発展のためには仕方ないと納得しよう。


 おっと、これは悪女が作った名簿か。


 どれどれ?


 分厚いな。


 しかも状態がいいから、内容が結構よめるぞ。


 こんな物を残すなんて、国を傾けた悪女はやる事が人とは違うな。


 自分の成果でも残して人に自慢したかったのか?







ーー暗殺リスト


 デモン・ラスタータンザス

 バス事故


 アルクイド・ネーバ

 山岳遭難


 ディアクル・ラクルフィル

 爆発事故


 ハート・ディアノイア

 人さらい


 ネブン・ロイドー

 強盗事件


 カーランド・デメリットス

 河川の事故


 ノノイヤ・サツマ

 砂漠遭難


 マルデリA

 ガス爆発事故


 トド

 感電事故


 ラッツ・リィンガー

 科学薬品事故


 モモロウ・ヤマ

 スポーツ事故


 マーカス・シラス

 飛行事故


 シラヌ・ゾンゼヌ

 鉄道接触事故


 ジョタ・リーぺ・デッド

 火災行方不明


 マクスウェル・リーダー

 地下道行方不明




※死体はすべて秘密裏に処理。

 亡くなる所が人に見られないように。

 目撃者は決して存在してはならない。

 仕事は完璧であれ。




ーー




 やれやれ。

 気が滅入ってくるな

 まだまだリストがある。

 事故や事件に見せかけて、人を暗殺って。


 うわー。

 悪女のやる事は、色々普通の人間とは違うな。


 いったい何人手にかけたんだよ。

 まあ、こんな悪女だったから国を傾けた後、惨殺死体で見つかったんだろうな。

 恨みを募らせている奴なんて、星の数ほどいただろうし。


 結局国は滅亡しちまうんだけど、それも生前の悪女の仕業だったりしてな。




ーー




 私は悪女だ。

 気に入らない人間は人に暗殺させている。

 そう言う人間だから、社交界では私に話しかける人間などいない。


 けれどそれは表向き。

 この国で生きられない者たちを殺したことにして、秘密裏に逃がしていた。


 だって、この国はひどいんですもの。

 自分たちの悪行を、さもたった一人の女がやっている事だと、そう吹聴してまうような連中ばかり。

 いくら私が他国の身寄りのない孤児だったからって。

 どこにもばれないだろうと、たかをくくっているんでしょうね。


 まあ、実際その通りになっているけれど。

 本当に、この国は腐っているわ。

 濡れ衣を着せられている女がここにいても、誰もかばいやしないし、異を唱えないんだから。


 だからせめて、そんな狂った国から、少しでも優しい人たちが逃げられるようにしないと。

 彼等が正しい事とを言い過ぎて、頭のおかしい人間たちに目をつけられてしまう前に。

 私がこのリストに、名前を加えてあげるわ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ