第2話 零点(ブルズアイ)症候群 あるいは二人の距離の概算
ふたりの距離の概算 (角川文庫) | 米澤 穂信
『〈古典部〉シリーズ』第5弾。
普通の小説家はこれくらいの本を毎日読んでいて
普通の小説家はこれくらいの量を毎日書いている
小説家は普通は何歳までに一次審査を突破して、平均何歳で最終選考に残るらしい。
ラノベ作家になる限界はだいたい〇歳くらい。それを超えたら感性がついていかないよ
○○くらいは読んでいて当然。 これくらいのことができない奴がプロにはなれない。
統計学の数多の点が大きな雲を描き出す。
最近はビッグデータというらしい。
所詮は人類、一皮むけばしゃれこうべ。大した違いなんてないものだ。
大きな雲の真ん中には、僕たちの理想の小説家がいる。
何の特異性も例外性も偶然も奇跡も介入しない平凡な、平凡な小説家だ。
嘘も紛れもないアレならば、僕らは安心してそこを目指せる。
統計的に正しい小説家の姿。
カーテシアン座標の零点に彼をおこう。
ブルズアイに彼を繋ぎ止めよう。
サン・ヘーホー! ピタゴラスの定理が僕と零点の距離を教えてくれる。
ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン。
それが負け犬の論理だとは知っていたけど、だからっていつから俺たちは椅子取りゲームを始めたんだ
お前が座る椅子なんて誰も用意はしてくれねーよ
お前が座ったそこがお前の居場所でいいんじゃない。
たった一度の例外になればいいさ
再現性のない異常値だ
統計学的には語る価値のない特別な人生 悪意ある例外
でもさ、生きるって本当はそういうことだよね