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34話 触手、襲来

 俺は二人から逃げると、一人で砂浜で砂の城を作ることにした。二人は未だに激戦を繰り広げているようで、笑い声と水の跳ねる音がよく聞こえてきた。


 「くそー、俺が最下位か。どっちが優勝するのかな」


 俺は二人の勝負を見ながら砂をかき集める。敗者が海に戻れば集中砲火を受けるのは間違いないだろう。


 懐かしいな、昔はよくわざと海の近くで砂の城を作ってバリケードを作って遊んだりしたっけ。


 俺は少年時代を思い出してフフッと笑った。今回はしっかり波の外で作るとするか、波に近づくと流れ弾が飛んできそうだし。


 俺は砂で城の土台を作ると、少しずつ砂を削っていく。これがまた楽しく、俺はかなりの時間熱中してしまった。


 「よし、できた!」


 俺は気づくと立派な砂の城を完成させていた。我ながらよい出来で、レンガも完全に再現されている。


 「そういや二人は戦闘終わったのか? 声が聞こえないが」

 

 俺はふと二人のことが気になり、海の方を見る。するとそこには謎の触手に捕まった二人の姿があった。

 二人は触手に海に引きずり込まれないように必死に抵抗していて、助けを求める目でこちらを見ていた。


 「――へ?」


 俺は目を疑った。モンスターがここにいるはずがないのだ。防御魔法を張る前にモンスターがいないのは確認しているし、ここにモンスターが湧くはずがない。


 「おい二人とも、大丈夫か!?」

 

 「ん、んぅ……」 


 触手の持ち主に毒を注入させられたのか、二人はひどく衰弱していた。口も塞がれているため魔法は使えず、毒のせいかスキルで逃げ出すこともできないようだ。

 触手は二人の至るところに巻き付いていて、彼女達の水着の中にまで侵入していた。二人の動きに合わせて自由自在に形を変え、完全に二人を逃げられなくしている。 


 不幸中の幸いというべきか、念の為ハンマーを近くに置いていてよかった。

 でもここに侵入してきたってことは相当上位のモンスターだよな。俺に二人が助けられるのか?


 「バーストモード!」

 

 答えはもちろん、イエスだ。ノーと答えているようでは助けられない。


 俺はビルデの力も借りて、謎の触手モンスターに向かって戦闘を仕掛ける。

 俺はスキル「空気叩き」を足に使い空を駆け、ビルデを掴んでいる触手の根本にハンマーを連続で叩き込んだ。


 ビルデは触手から解放されると、ゆっくりと海へと落下していく。俺はビルデを空中でキャッチすると、モンスターから逃亡し、砂浜にビルデを寝かせた。


 俺は再びモンスターの方へと突撃し、フェイの方も同じように対処しようとした。

 だが、俺の手に触手が絡みつき、俺の体にも毒を注入してきた。

 

 俺は触手を無理矢理振り払い、フェイを解放するも、俺がフェイを拾う前に再び彼女は触手に捕まってしまう。  

 

 「ダ、ダーク……スラッシュ!」


 次の瞬間、砂浜に置いてきたはずのビルデが海辺から魔法を放ち、触手を徹底的に切り裂いた。


 「ナイスだビルデ! でももう無理するな、今ベッドに連れていく!」


 俺はビルデとフェイを抱きかかえると、大急ぎで二人をベッドに連れて行く。

 

 「マ、マグリスさんも毒食らってたでしょう。休んで……ください」 

  

 ビルデは震えた手で俺の肩を掴み、俺を止めてきた。俺はそっとその手をほどくと、ビルデの頭を撫でた。


 「大丈夫だ、俺のアビリティには状態異常無効がある。どんな毒でも無効化できる」 


 俺がハンマー使いを志した理由の一つがこれだ。俺は魔法の才能はからっきしだが、こういうところは恵まれている。


 「無効なら……大丈夫なんでしょうか? 私達も毒耐性はあったんですが……あの毒は貫通して……きました」


 「嘘だろ、そんな馬鹿な話聞いたことないぞ! でもそれならあのフェイもやられていたのも納得がいくな」


 俺はリュックから解毒剤を探しながら返答する。俺が無事なのは無効のお陰なのか、それとも毒が少量だからなのか。


 「あれは、自然発生し……たモンスターじゃないわ。人が作った……化け物よ」


 「フェイ、その話は後でじっくり聞く。今一番重症なのはお前だ」


 正直、フェイの話は相当気になるがこれ以上フェイを喋らせると危険だ。


 俺は解毒剤を取り出し、二人の口に水と一緒に流し込む。とても苦いからか、二人とも苦しそうにそれを飲んでいた。

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